急な腹痛で困った経験は誰しも一度くらいはあるはず。トイレに行ける環境なら良いのですが、電車やバスの中、会議中などすぐにトイレに行けない環境のときの腹痛は、本当に辛いものがありますね。今回はお腹が痛くなってしまったときにできる治し方をご紹介します。
腹痛の原因
腹痛の原因はこのようなものが考えられます。
*食中毒
*食べすぎ・飲みすぎ
*ストレス
*冷え
*風邪などの体調不良
ストレスや冷えは、自律神経が刺激を受けることによって、腸が異常収縮して腹痛や下痢を引き起こします。食べすぎ飲みすぎは、過剰に食べたり飲んだりすることによって消化不良が起こっている状態です。また風邪など体調不良のときには、腸の働きも低下しているので腹痛や下痢が起こりやすくなります。
食中毒は何か原因となる有毒な微生物などを食べたり飲んだりすることによって起こるもので、腹痛だけでなく下痢や嘔吐を伴うことがほとんどです。
腹痛の種類は3つ
お腹が痛いといっても、その原因は様々です。腹痛は大きく3つの種類に分けることができます。
内臓痛
内臓痛というのは、胃や腸、胆嚢などのいわゆる管状になっている「管腔臓器」と呼ばれる内臓の臓器が、無理に伸びたり縮んだりしたときに起こる腹痛です。キリキリとした痛みが強くなったり弱くなったり繰り返し起こるのが内臓痛の特徴です。この痛みのことを「疝痛(せんつう)」と言います。痛みの場所は漠然としています。
内臓痛の場合は、腹痛以外にも吐き気をもよおしたり、実際に嘔吐することや、冷や汗が出たり、顔面が蒼白になってしまうといった症状が出ることもあります。
一般的に「食べ過ぎ」「食あたり・水あたり」「ストレス」など腹痛の原因であげたものは、内臓痛にあたります。
体性痛
体性痛とは内臓痛よりも痛みが強く、突き刺すような痛みが30分以上続くのが特徴です。内臓痛のように痛みの場所が漠然としておらずはっきりしています。体を動かすと痛みが強くなることが多いです。
体性痛はそのまま放っておいても自然に痛みが治まることはなく、手術の必要があることがほとんどです。
関連痛
関連痛は、痛みの原因となっている部分の刺激が強すぎるとき、その部分と隣接している神経線維が刺激されて別の部位で起こる痛みのことです。この関連痛は腹部だけでなく、他の部位でも起こることもあります。
下痢止めはやめたほうがいい
腹痛に下痢を伴う場合、下痢止めの薬を服用したほうがいいのか悩む場合も多いですが、下痢止めの薬を服用することで、症状が悪化する恐れがありますので、服用は避けるほうが良いでしょう。
下痢止めの薬が症状を悪化させてしまう理由としては、下痢をすることによって体内の毒素や病原微生物を排出させている状態にも関わらず、下痢止めの薬を服用して下痢を止めてしまうと、体内で排出されずにいる毒素や病原微生物が増殖してしまうからです。
下痢というのは、体が毒素や病原微生物を体外へ排出させようというものなので、薬で無理に止めてしまうと良い結果は得られません。
例外的に下痢止めの薬を服用しても良いものもあります。ストレスや冷え、過敏性腸症候群などによる、非感染性の下痢の場合です。このような場合には下痢止めの薬を服用して下痢を止めても、悪化するようなことはありません。
腹痛があるときの食事
腹痛のときには、食べて良いものと悪いものがありますので注意が必要です。基本的に腹痛がある場合、特に下痢を伴っているような場合には、胃腸に負担をかけないために何も食べないほうが良いのですが、「腹痛はあるけれどお腹がすいていて何か食べたい」という場合は、負担の少ないものを食べるようにしましょう。
下痢を伴っている場合は、胃腸に負担のない、お粥、うどん、野菜スープなどがおすすめです。下痢を伴っていない腹痛だけの場合は、野菜の煮物や少し柔らかめに炊いたご飯、うどん、白身魚、豆腐、バナナ、りんごなどが消化も良く、胃腸に負担をかけないのでおすすめです。
脂肪分が多いものや繊維質が多い根菜、生野菜は胃腸へ負担がかかりますから控えるようにしましょう。
急な腹痛の治し方
立つ
腹痛は座っているよりも立っている方が楽になります。お腹を締め付けているベルトやファスナー・ホックなどは少しゆるめてお腹を自由にしてあげましょう。
手でさする
「手当て」というように、幹部に手を当ててさすることで痛みは楽になります。手でさすってお腹が温められることで、腸の動きが活発になると同時に筋肉が緩むためです。手でさすらなくても、温かいペットボトルなどを当てても効果的です。
ツボを押す
腹痛に効果的なツボは複数ありますが、誰にも気づかれずに痛みを和らげたいなら「関元(かんげん)」「天枢(てんすう)」「下痢点(げりてん)」がおすすめです。
関元はおへそから約9cmほど下にあるツボ、天枢はおへその外側約6cmにあるツボ(おへその両側)、下痢点は手の甲にあり、中指と薬指の骨の付け根にあるツボです。
もちろん腹痛を治す一番良い方法はトイレに行って悪いものを全部出すことですが、電車の中や会議中などトイレに行けない場合の緊急対処法になります。それぞれ試して、自分にあった痛みを和らげる方法を見つけましょう。