現代は、人間関係や過労などでストレスを抱えている人が多いと考えられています。ストレスは体や心にさまざまな悪影響を及ぼすため、できるだけため込まずに発散することが大切です。
しかし、効果的なストレスの発散方法を見つけられていない人は珍しくありません。では、ストレスを感じたら、どのように発散すれば良いのでしょうか。
ここでは、ストレスの発散方法について解説いたします。
ストレスの様々な原因
ストレスの原因はさまざまです。原因に気づかない間にストレスをため込んでしまっている人も多いので、まずはストレスの原因の代表例を確認しましょう。
仕事のストレス
・プレッシャー
・過労
・上司や同僚との人間関係
・通勤の疲労
・職場の環境
・昇進や降格
・パワハラやセクハラ
・異動や転勤
・仕事内容
家庭のストレス
・家族との人間関係
・自宅の環境
・金銭的な問題
・隣人とのトラブル
・引っ越し
・育児
それ以外のストレス
・病気
・天候や気温
・食生活
・睡眠不足
・友達との人間関係
・恋愛
ストレスは「心の問題」というイメージを持たれていますが、職場や自宅の環境(立地、騒音、臭いなど)や天候もストレスの原因です。
ストレスによる症状
ストレスが溜まると、自律神経のバランスが崩れます。自律神経とは、活動時に優位になる交感神経と安静時に優位になる副交感神経で構成された自分ではコントロールできない神経です。
交感神経と副交感神経は相反する働きを担っています。例えば、交感神経は心拍数や血圧を上げたりして体を活発に働かせる一方で、副交感神経は心拍数や血圧を下げて体を休ませます。
そのため、二つのバランスが保たれていることで、健康が維持できているのです。
しかし、ストレスを感じてそれが乱れれば、体や心にさまざまな症状が引き起こされます。
体の症状
・動悸
・息切れ
・頭痛
・肩こり
・めまい
・冷え性
・便秘や下痢
・不眠
心の症状
・イライラ
・やる気をなくす
・不安
・緊張
・気分の落ち込み
ストレス発散の方法
ストレスによるさまざまな症状を予防するためには、定期的にストレスを発散させることが大切です。
大声を出す
大声を出すと、横隔膜が刺激されて、自律神経の切り替えが促されると考えられています。
ストレスを感じたときは交感神経が優位となりやすいですが、大声を出して副交感神経が優位になれば、体と心を休ませられるでしょう。
感動して泣く
感動して泣くと、ストレスに反応して分泌されるコルチゾールというホルモンが排出されます。ストレスの原因であるホルモンが排出されれば、気持ちが落ち着いて、不安やイライラは解消されるでしょう。
日光を浴びる
日光を浴びると「幸せホルモン」と呼ばれるセロトニンが分泌されます。気分が上がらない朝も、ベッドから出た後に太陽の光を浴びれば、やる気が湧いてくるかもしれません。
睡眠を取る
睡眠は体と心を休ませるためにとても大切です。特に、疲れが溜まっている時は休息が一番のストレス発散になるので、できるだけ睡眠時間を確保しましょう。
寝つきが悪い人は、睡眠前に軽くストレッチなどをすると、ぐっすりと寝られます。
ビタミンCを摂取する
ストレスを感じると、ストレスに対抗するために、ビタミンCなどの栄養素が使われます。
ビタミンCなどが不足していれば、ストレスに抵抗する力が弱まるので、疲れている時は野菜などを食べてビタミンCを摂取しましょう。
思っていることを紙に書く
仕事や人間関係でストレスを感じ、上手く発散できないときは紙に思っていることや愚痴を書きましょう。紙に書けば、自分の考えが整理されて、気分が楽になるかもしれません。
心を空っぽにする
さまざまなことに悩んで頭がいっぱいになっている時は、音楽を聴いたり、公園に行ったりして心を空っぽにしてみましょう。いったん悩みをリセットすれば、新たに頑張れる気力が湧いてきます。
運動する
運動すると、セロトニンの分泌が活発化します。悩みがある時は週に3~4回、1回につき1時間程度の運動をして、ストレスを発散しましょう。
運動をしすぎると、体が疲れてさらにストレスが溜まることがあるので、無理のない範囲で体を動かすことがポイントです。
深呼吸する
強いストレスを感じたときは、その場で深呼吸をしてみましょう。深呼吸をすれば、不安や緊張、イライラが落ち着いて、自律神経のバランスも整うと考えられています。
植物がある場所に行く
植物に囲まれると、緊張が落ち着くと言われています。ストレスを感じたら、公園や植物園などに足を運んで植物に癒されましょう。
日頃からストレスに悩んでいる人は、部屋に観葉植物などを置いておくのもおすすめです。
お風呂に入る
お風呂に入るとリラックスできます。ストレスが溜まっているときはシャワーで済まさず、ゆっくりと入浴をして、心を落ち着けましょう。
熱い温度の湯船に入ると、疲れが溜まってしまうので、ストレスを感じている時は38~42度のお湯につかってください。
アロマの香りで癒される
アロマテラピーは人気のストレス発散方法です。一日の終わりには、お気に入りの香りに包まれて、体と心を落ち着けましょう。
特に、カモミールやラベンダーなどの香りには、リラックス効果を期待できます。
家事をする
ストレスが溜まっている時は、いつもと同じ行動をすると、心や体が落ち着くと考えられています。体を動かせる状態であれば、少しでも家事などをして、緊張や不安から心を解放しましょう。
とりあえず笑う
楽しくない時に笑うのは良くないと考えられていますが、とりあえず笑っておけば、脳が楽しいと錯覚するという考え方もあります。
いつも作り笑いをするのはストレスにつながりますが、余裕がある時は笑ってみるのもおすすめです。
緑茶を飲む
緑茶はストレスに対する抵抗性を強めたり、肉体的な疲労を回復させたりするのに効果的だと考えられています。職場などでストレスを感じたら、緑茶を飲んでほっと一息つくのも良いでしょう。
ストレスを発散して体も心も健康に
現代はさまざまな原因でストレスを抱えている人が多いですが、ストレスをため込むと、体にも心にも悪影響です。
ストレスは多くの病気の原因になるとも考えられているので、深刻化する前に発散して、心と体の健康を守りましょう。