どうして手汗が多いの?その原因と今すぐに止める6つの方法

 

手汗が酷くて「握った物が滑る」「そもそも物に触れない」「握手を求められたときに困る」「恋人と手も繋げない」「どうして私だけ」とお困りの方は、実は少なくないようです。

人には相談しにくいことですし、中には日常生活にも支障が出たり、積極的に人とかかわることを避けてしまうという人もいらっしゃるのではないでしょうか。

止められるものなら、今すぐこの手汗を止めたいですよね。

そんなあなたのために、手汗をかいてしまう原因や、今すぐに手汗を止められる6つの方法をご紹介します。

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手汗をかく複数の原因

手汗の原因は一つではなく、いくつかの原因が考えられます。

ストレス・緊張・不安などの精神的な要因

まず第一に挙げられるのが、精神的な要因によるものです。

緊迫感にあふれハラハラドキドキするような状態のことを「手に汗を握る」と表現しますが、実際に人間は不安や緊張などの精神的なストレスを感じると、自律神経の一つである交感神経が刺激され、それにより発汗が促されます。

特に交感神経が敏感な人は汗の量が多く手汗が酷くなってしまいやすいです。

ただ、なぜ交感神経が敏感になるのかということについては、まだハッキリしていません。

精神的な要因で手汗の酷い人は、手汗について神経質になっていたり、手汗をかくことの恥ずかしさや「手汗をかいたらいやだ」という不安から、さらに交感神経が刺激されてしまうという悪循環に陥りがちです。

姿勢の悪さ

「姿勢の善し悪しが手汗に関係あるの?」と思われるかもしれませんが、猫背になるなどして姿勢が悪くなると、首に負担がかかりますよね。

首には、身体の大切な神経が数多く通っています。中でも脳脊髄液は流れが悪くなると自律神経が乱れ、最悪の場合脳にまで影響を及ぼすほど重要なものです。

また、背中が丸まることで横隔膜の機能が衰え、やはり自律神経の乱れを引き起こしてしまいます

精神的な要因によるものと同様に、自律神経の乱れは手汗が増えることに繋がります。

どうして手汗が多いの?その原因と今すぐに止める6つの方法

 

生活習慣の乱れ

生活習慣の乱れは自律神経の乱れに直結しています。中でも食生活の乱れは、大きな原因です。

熱いものや辛いものなど、刺激の強い食事は交感神経を刺激し、汗の量を増やしてしまいます。「刺激の強いものを食べると汗が吹き出る」というのは、誰にでも経験のあるごく普通のことですが、偏った食事などで自律神経が乱れていると人並み以上の汗が出てしまうことがあります。

また、コーヒーなどのカフェインやタバコのニコチンの影響で手汗をかいてしまうこともありますので、カフェインの摂り過ぎ、タバコの吸い過ぎにも注意が必要です。

ほかに、睡眠不足や冷えなどでも自律神経が乱れ、手汗を引き起こしてしまいます。

ホルモンバランスの乱れ

女性に多い原因としては、ホルモンバランスの乱れによるものが挙げられます。生理前や生理中になると手汗が酷くなるという人の場合は、ホルモンバランスの乱れが関係しています。

ホルモンバランスの乱れがなぜ手汗に繋がるのかと言うと、ホルモンを生成している部分と自律神経を司っている部分が脳の同じ場所にあり、ホルモンバランスの乱れがそのまま自律神経の乱れに繋がってしまうためです。

生理以外にも、妊娠や更年期障害によってもホルモンバランスは乱れてしまい、特に40代以上の女性では更年期障害によって体がほてったり汗腺のコントロールが上手くできなくなってしまって汗っかきになってしまう人が少なくありません。

婦人科を受診することをおすすめします。

肥満

肥満も手汗の原因になります。

肥満とは、内臓脂肪や皮下脂肪が増えすぎている状態です。

増えすぎた脂肪のせいで体内の熱をうまく発散させて身体を冷やすことができなくなってしまいます。そのため、別の方法で熱を発散させようとして、大量の汗を出してしまうのです。

運動不足

運動不足で汗をかかない生活が続いていると、使用されていない一部の汗腺が衰えてほかの汗腺に負担がかかってしまいます。

手汗の酷い人は、身体の汗腺が衰えてての汗腺に負担がかかっているのかもしれません。

病気

大量にて汗をかいてしまう病気といえば、まず連想されるのが「手掌多汗症」です。

しかし、手汗だけでなく全身の汗が多い場合は以下のような病気の可能性もあります。

・甲状腺機能亢進症(バセドー病)
・褐色細胞腫
・糖尿病
・急性リウマチ
・生殖器障害
・プランマー病
・甲状腺刺激ホルモン産出腫瘍
・結核
・更年期障害

あるときから急に汗をかく量が増えたという場合は、「汗っかきになっただけ」と油断せず、速やかに病院を受診してください。

どうして手汗が多いの?その原因と今すぐに止める6つの方法

 

今すぐ気になる手汗を止める方法

手汗の原因究明と改善は進めていくとしても、症状が改善されるまでには時間がかかってしまいますよね。

そこで、今すぐできる手汗を止める方法を5つご紹介します。

1.手汗に効くツボを押す

残念ながら直接手汗を止めるツボというのはありませんが、緊張や不安、興奮といった精神的な要因で出る手汗であれば、気持ちを落ち着けるツボを刺激するのが効果的です。

そんな精神安定のツボの中から、仕事中などでも気がついたときに押しやすいのが「労宮(ろうきゅう)」と「合谷(ごうこく)」の2つです。

・労宮(ろうきゅう)

手のひらの真ん中、軽く握りこぶしを作ったときに中指の先が触れる部分にあります。

痛気持ちいいくらいの力加減で、「5秒押して5秒離す」を1セットとして5セットほど繰り返しましょう。

・合谷(ごうこく)

手の甲の親指と人差し指の骨が合流する部分にあるくぼみです。

反対側の手の親指で、「3~5秒押して1秒離す」を1セットとして3~5セットほど繰り返しましょう。力加減は、やはり痛気持ちいいくらいです。

2.半側発汗(皮膚圧反射)を利用する

身体には圧迫が起きている側の汗が減少し、逆に反対側の汗が増加するという性質があります。

これを「半側発汗」と言い、たとえば舞子さんは帯を胸の高さで締めて圧迫することで、顔の汗を抑えて化粧崩れを防いでいると言われています。

手も顔と同じく上半身にあるものです。
舞子さんの帯と同じの要領で、バストトップから5cmほど上を圧迫するように強く腕組みをしたり、紐で縛れば上半身の汗を減らせるでしょう。

どうして手汗が多いの?その原因と今すぐに止める6つの方法

 

3.手汗用の制汗剤を使用する

ドラッグストアでは様々なタイプの制汗剤が取り扱われており、中には手汗専用のものもあります。手汗には脇用などの制汗剤を流用するのではなく、手汗対策用の制汗剤を使いましょう。

ただし、制汗剤は汗腺にフタをすることで汗を出なくするものです。肌に良いものではありませんので、使い過ぎには注意していざという時だけに使用するようにし、帰宅後は手を洗うなどしてキレイに落とすようにしましょう。

4.リラックスする

自律神経は交感神経と副交感神経の2つからできており、副交感神経を活性化させることで交感神経のはたらきを抑え、汗の量を減らすことができます。

副交感神経は睡眠中やリラックスしているときに活性化するので、自分なりのリラックス方法を見つけておきましょう。入浴や、気持ちを落ち着ける香りを嗅ぐなどでも良いですね。

いつでもできるリラックス方法としては、腹式呼吸が挙げられます。

腹式呼吸は、次のように行います。

1.背筋を伸ばし肩の力を抜き、お腹をへこませながらゆっくりと鼻から息を吐き出します

2.息を吐き切ったら力を抜き、鼻から自然に息を吸います。無理に吸い込む必要はありません

3.1~2をゆっくりと10回ほど繰り返します

副交感神経は息を吐くときに活性化されるので、吸う息よりも吐く息を意識してゆっくり行うのがポイントです。

手汗を早く止めようと焦ってしまうと、交感神経が刺激されてかえって汗が増えてしまいます。まずは腹式呼吸で気持ちを落ち着けるよう習慣付けましょう。

5.食生活を見直す

香辛料の利いた辛い料理や熱い料理、脂っこい料理など刺激の強い食事は控えましょう。

逆に、身体を冷やす効果や利尿作用のあるきゅうりやトマト、なすなどの夏野菜がおすすめです。

ホルモンバランスの乱れによって手汗が出る人は、豆腐や納豆などの大豆製品に含まれる「大豆イソフラボン」は女性ホルモンのバランスを整えてくれます。特に生理の1週間~10日前から生理までの期間は特に意識して取り入れるようにしましょう。

精神的な要因で手汗が出る人は、カモミールやラベンダー、ローズといったリラックス効果の高いハーブを使ったお茶なども良いでしょう。

6.肥満を解消する

皮下脂肪や内臓脂肪を減らして肥満を解消することで、体内に溜まった熱を体外に排出できるようにしましょう。

上手く放熱ができるようになれば大量の汗をかく必要がなくなるので、手汗の改善も期待できます。

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病院を受診するのも手

自分なりに色々と試してみたけど効果がないという人や、手のひらに汗の水滴ができたり、汗が垂れてしまうほど手汗をかいてしまうという人は、病院を受診するのも一つの方法です。

前者の場合はもしかすると別の病気が潜んでいる恐れもありますし、後者の場合は多汗症である可能性も高く、専門的な治療が必要だからです。

科としては皮膚科や美容整形外科のほか、ホルモンバランスの乱れが関係していそうであれば婦人科、精神的なものが要因でありそうなら心療内科が良いでしょう。

どうして手汗が多いの?その原因と今すぐに止める6つの方法

 

手汗に効く薬

ドラックストアや薬局で手に入る「ミョウバン」が手汗に効くとされています。

水500mlに大して20gのミョウバンを溶かした水溶液を手に塗って使います。ミョウバンは水に解けにくいので、500mlのペットボトルに水とミョウバンを入れて振り、透明になるまで1~2日冷暗所に置いておくと良いでしょう。

また、日邦薬品工業株式会社が開発・販売している「オドレミン」も、手汗に悩んでいた人たちから効果があると非常に高い支持を得ています。

薬局でも手に入りますが、店頭での購入に抵抗のある人はAmazonなどのネット通販でも手に入りますので、そちらを利用してみましょう。

手汗の原因には精神的な要因や姿勢の悪さ、生活習慣やホルモンバランスの乱れなど様々なものがあります。

自分なりのリラックス方法を見直したり生活習慣を見直すことで症状の改善を目指し、どうしても改善しない場合は市販薬や病院の受診も検討してみましょう。