【冬季うつ病対策】予防のカギを握る「セロトニン」を増やす方法

夏が終わり、季節が冬へと変化していくと、不思議と気持ちが下り坂になってしまったという経験はありませんか?気温が下がったからなのか、夏が恋しいのか、テンションがいまいち上がらない…こんな症状はもしかしたら冬季うつ病かもしれません。「うつ病」と聞くと少し怖い感じがありますが、「冬季うつ病」はしっかりと対策をとることで状況の改善が可能です。今回は密かに苦しむ人も多い、冬季うつ病について詳しくご紹介します。

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冬季うつ病とは?

日本ではなかなか聞き慣れない「冬季うつ病」。欧米や北欧ではかなり知名度があり、この症状は文字通り、冬の期間に発症するうつ病です。

一般的には人口の1-10%が発症するとされているので、海外では知名度のある病気だということも納得できるでしょう。そして、男性に比べて女性の方が発症しやすいというデータもあります。それに比べて、日本では比較的発症率が低く人口の1-3%ほどと言われています。しかし、発症率が低いからと言って、100%発症しないかといとそうでも無いので、知識としてでも知っておいて損はない病気と言えるでしょう。

【冬季うつ病対策】予防のカギを握る「セロトニン」を増やす方法

冬季うつ病の原因と症状

冬季うつ病の代表的な原因は、冬場による日照時間の減少によると言われています。その為、冬場には日照時間が少なくなる高緯度に位置する国は、大きく影響を受けやすいのです。ヨーロッパ圏でもとくに高緯度にある国では、冬季うつ病の症状が重く、最悪の場合自殺してしまう人も多いことから、単なる「冬場だけのうつ病」ではなく、れっきとした病気として浸透しています。

先に説明した通り、冬季うつ病には日照時間が関係しているとお伝えしましたが、さらに遺伝子的要素も深く密接しているというデータもでています。それは、光の感受性が強いか弱いかどうかで、冬季うつ病にかかりやすいかどうかが左右されるためです。光の感受性が低い遺伝子を持っている人は、他の人と同じように日光を浴びても、体が日光を認識する力が乏しいとされています。そんな中、冬場の日照時間の減少がさらに冬季うつ病への拍車をかけてしまうのです。

冬季うつ病の症状をまとめてみました。是非ご自身でも当てはまるかどうか、セルフチェックしてみてください。

・やる気が出ない、全てが億劫に感じる
・理由も無く悲しくなる
・失恋したわけでもないのに、喪失感がある
過食気味になる
・常に眠く、睡眠時間が長くなる

上記の通り、冬季うつ病は一般的なうつ病となんら変わりはありません。冬場のみのうつ病ですが、その間に経験する気分の落ち込みは、症状に悩む人しか知り得ない非常に辛いものがあるのではないでしょうか。

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冬季うつ病に有効なセロトニンとは?

セロトニンとは、体内で大切な働きをする三大神経伝達物質の一つとなっています。セロトニンの主な働きとして、私たち人間の精神面を安定させてくれることから、一般的には「幸せホルモン」と呼ばれています。名前からして、私たちに良い影響を与えてくれそうなセロトニンですが、まさしくその通りで、気持ちが落ち込むうつ病に非常に有効とされているのです。

逆に、セロトニンが体内で減少することによって、不眠症やうつ病にかかりやすくなります。そして、ストレスも注意が必要です。なぜならば、私たちがストレスを感じることにより、セロトニン神経を弱らせてしまうとされているためです。

【冬季うつ病対策】予防のカギを握る「セロトニン」を増やす方法

セロトニンを増やす生活のポイント

冬季うつ病は、生活習慣を改善することで予防ができるとも言われています。ポイントは正しい生活リズムをしっかりと「継続」し、体内でセロトニンを増やすということ。セロトニンが体内で増えることで、心のバランスを安定させると共に、精神面の健康を大きく改善できるので、ぜひ実践してみてください。

早寝早起きを心がける

人間の体は日中に活動し、日が沈めば睡眠をとるというサイクルで成り立っています。日光が私たちの健康にとって非常に重要なものだということは、言うまでもないでしょう。日中に太陽光を浴びるだけでセロトニンが増えるので、1日30分だけでも太陽光を意識して生活してみましょう。冬場は特に日照時間が少なくなっています。朝は早く起き、しっかりと太陽の光を浴びることが重要になります。朝早く起きるためには、必然的に夜は早く就寝する必要がありますね。生活リズムが乱れている方は、なるべく早く就寝することから始めましょう。

「日光に当たる」必要性をお伝えしましたが、こちらは室内にいても大丈夫です。窓越しの日光もセロトニン神経を活性化させてくれます。朝起きたら寝室のカーテンを開け日光を部屋に入れてあげてください。もしくは、夜にカーテンを開けて就寝すれば、朝に日光を浴びて自然と目覚めることができるでしょう。

運動を生活に取り入れる

体内のセロトニン神経をさらに活性化させるには、早寝早起きと併せて運動が欠かせないと言われています。運動といってもハードな筋肉トレーニングではなく、有酸素運動をメインとした「リズム運動」が良いとされています。リズム運動とは一定のリズムを刻みながら行うもので、階段運動やスクワット、縄跳びなどが挙げられます。いつもはエスカレーターを使っている方も、意識して階段を使用することで、日常生活の中でも無理なくセロトニン神経が活性化されるでしょう。

【冬季うつ病対策】予防のカギを握る「セロトニン」を増やす方法

日々の生活で冬季うつ病は予防できる

人間の生活は太陽と深く結びついています。日中はしっかりと活動し、夜間はしっかりと休息を取ることで、身体の中のセロトニン量は安定するようになるでしょう。このセロトニン神経は冬季うつ病だけでなく、日常生活でも精神面の安定に大貢献してくれる、大変ありがたいものです。ぜひ、あなたもセロトニンを増やして、冬季うつ病を予防してみましょう。