トイレでおしっこをした時に、尿の臭いが気になったことはありませんか?

尿の臭いには、体調の不調のサインが隠されていることがあります。尿が発してくれている何かの病気のサインを見逃してはいけません!尿の異変に気付けるように、まずは健康的な尿がどういうものかを知っておくことが大切です。

健康的な尿とはどういうものなのか、尿の臭いからわかる病気にはどんなものがあるのかをご紹介いたします。また、病気ではなかった場合は、尿の臭いにどのように対処すればいいのかなどもわせてご紹介いたします。

健康的な尿とは?

トイレで尿をするたびに、自分の尿の色や臭い、量などを確認していますか?いつも何色の尿がでていますか?

よく、「透明な感じなら健康」と考えている方がいらっしゃいますが、無色透明である尿は健康的な尿ではありません。健康的な尿の色は、淡い黄色です。起きて初めに出る尿はかなり黄色が濃く出ている方がほとんどですが、これは病気ではありません。就寝中も体から水分が奪われていくので、奪われた分を補給することで、また健康的な尿の色に変わります。

起床時でなくても、黄色が強めの尿がでる場合があるかもしれません。これは水分不足を体が教えてくれているサインですので、しっかり水分補給するようにしましょう。

次に健康的な尿の臭いですが、基本的にアンモニア臭です。このアンモニア臭がきついことがあります。そんな時は、トイレに行く前に、どんなものを食べたか、飲んだかなどを思い出してみてください。ニンニクやカレー、コーヒーなどの臭いが特徴てきで強いものなら、それのせいですので、安心してください。何度か尿を出せば、次第に元に戻っていきます。

日頃から尿を出した後は、色を確認するようにしてください。

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尿の色からわかる病気

腎臓は体にとって不要な老廃物を尿として排出する働きをしており、尿の色で健康状態を把握することが出来るのです。健康的な尿の色は前述したとおりですが、以下のような色の場合は注意しなくてはいけません。

1.赤色

尿に血液が混じって血尿になっている状態です。膀胱炎になるとこの状態になることがあります。他にも腎臓の病気の可能性もあるので1度きりなのか続くのか様子を見ましょう。血尿が長く続く場合は、膀胱や腎臓などに悪性腫瘍がある可能性があり、放っておくと危険です。また、血尿が出ているのに痛みがない場合も危険なので受診して下さい。

2.褐色

脱水症状や高熱の時、また肝臓に異常がある場合に褐色の尿が出ることがあります。肝臓に問題がある場合は、尿だけでなく目や皮膚が黄色くなる黄疸が出る場合があります。

3.オレンジ色

飲み薬の影響で尿の色が変わることもあります。特にビタミン系のものはそのままの色が尿となって出てきますので知っておきましょう。

4.濁っている

膀胱炎など細菌が混じっていると尿の色が濁っていることがあり、排尿時に痛みを感じる時もあります。

5.緑色っぽい

抗うつ薬や漢方薬の中には尿の色が緑色になるものもあるので、服用している方は確認しておきましょう。また、膀胱炎の原因となる緑膿菌が影響する可能性もあるので、膀胱炎の症状が出た際はしっかり受診して、原因を見つけるのが大事です。

6.無色

大量に水分を取ったりすると色がほとんどない状態がありますが、糖尿病の場合も無色になる場合があります。色だけでなく臭いも注意しましょう。糖尿病になると血液中の糖分が多くなるため、体は水分を集めようという働きが強くなります。その結果、喉が渇くため水分をたくさんとってしまい尿の色が透明な色になってしまうのです。

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尿臭からわかる病気

尿の臭いから様々な病気をみつけることができます。

・糖尿病

甘い臭いは糖尿病のサインです。この甘い臭いがきつければきついほど、糖尿病は進行していると考えてもいいでしょう。ただ、飲酒後に尿を出した時に、甘い臭いがすることもありますので、見極めが少し難しいかもしれません。ただ、糖尿病なら、このような甘い尿が続きますので、速やかない病院を受診してください。また、排尿した後に尿が泡立ったり、泡が消えずに残っているのもサインの1つです。

・膀胱炎

かなりきついアンモニア臭は膀胱炎のサインです。女性がなりやすく膀胱炎は慢性化すると、とてもやっかいな病気です。血尿でないかどうか、色もしっかりと確認しておいてください。少しでもおかしいと感じたら早めに受診することをおすすめします。

・肝炎

腎臓・尿管・膀胱・尿道・尿路のどこかで感染症が起こっていることが考えられます。その時は必ず尿の色も確認しておいてください。黄褐色の場合、肝炎が考えられます。

・ケトアシドーシス

甘酸っぱい臭いがしたら、ケトアシドーシスが疑われます。聞き慣れない病名ですが、ケトン体と呼ばれる脂肪酸が増えることによって血液が酸化してしまう病気です。

糖尿病になってしまうと、インスリンという血糖のコントロールをしてくれるホルモンが正常に働いてくれません。本来エネルギーとして使われるはずの糖が使えないと判断し、代わりに脂質をエネルギーとして使おうとするためケトン体が大量に増えてしまいます。その結果、とても喉が渇いたと感じるようになり、水分を多くとるので尿の量も増えていきます。ケトアシドーシスは、糖尿病と一緒に併発してしまうことが多いのです。

・メープルシロップ尿症

メープルシロップのような甘い臭いがしたら、メープルシロップ尿症の可能性があります。生まれた頃から代謝に問題がある病気で、日本では50万人に1人が発症するとされ難病に指定されています。。

・フェニルケトン尿症

こちらも難病に指定されており、7万人に1人の割合で発症するとされている先天性代謝疾患です。そのため、現在では赤ちゃんが生まれると入院中に血液検査をしています。(新生児マススクリーニングと呼ばれている検査です)

アミノ酸の一種であるフェニルアラニンを体内で正常に代謝出来ない病気です。血液中にフェニルアラニンが増えてしまうと、尿の臭いはネズミの尿のようだと言われており、この病気の症状はけいれんや発達障害などが出てしまいます。

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病気ではなかった場合の対処法

尿の臭いの原因が、病気ではなかった場合、どういった対処をすればいいのでしょうか?

尿が濃い黄色で、アンモニア臭がある場合は、脱水症状を起こしている可能性があります。軽いものであれば、自分でしっかりと水分を補給して様子をみれば大丈夫です。

また、尿の色や臭いは、食べたり飲んだりしたものにも影響を受けます。刺激の強い物を食べると、肝臓に負担がかかりますので、尿の臭いがきつくなったりすることがあります。時間の経過とともに回復していきますので、水分を取って、様子を見ましょう。

ストレスや疲れから膀胱炎になるケースもありますので、体をしっかり休める時間を作ることも大切です。

正直自分では中々分からないこともたくさんあるかと思いますが、自分の体のためにも年に1回は必ず健康診断を受けて、異常がないかしっかり確認をしましょう。

尿の量にも注意

1日に何回トイレで尿をしたかを数えていますか?成人は1日に1.5~2L程度の尿を出します。これを回数してみると6~8回程度です。あくまで目安の回数です。その日の摂取した水分量や体調によっても、変わってきます。水分が不足しているな、あまり摂っていなかったなという日に、尿の量がいつもより多いと感じる時は少し注意するようにしてください。

腎臓の病気や糖尿病になってしまった場合、尿の量や回数も増えていきます。また、膀胱炎になってしまった場合は尿の量が少ないのにすぐにトイレに行きたくなりますよね。仕事や日常生活に支障が出る前に医師の指示を仰ぎましょう。

カフェインやアルコールは利尿作用があるため、尿に違和感があったら原因が分かるまでは控えるようにしましょう。

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まとめ

尿の臭いについてご紹介させていただきましたが、尿がいろんな病気のサインを発してくれていることがお分かりになりましたでしょうか。

毎回おトイレに入った時に、自分の尿を確認するなんて、ちょっと恥ずかしいという方もいるかもしれません。ですが、尿の色や臭い、回数は健康のバロメーターと言っても過言ではありません。どんな病気でも、早期発見することが大切です。いつまでも健康で元気でいたいなら、尿が発してくれているサインを見逃さないようにしましょう!少しでも気になったり、不安なことがあるなら、早々に病院を受診するようにしてください。