ワキガの5つの特徴。上手く付き合うための対策方法とは

汗をかくと気になる脇の臭い。臭いが気になるあまりに外出ができなくなる人もいるなど、深刻な問題を招くことも少なくありません。特にワキガは通常の制汗剤では対応できないため、対策が必要です。

1年を通して対策が必要なワキガに対して、すぐ始めたい対処方法について、詳しくご紹介します。

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「ワキガ」とは?

ワキガは正式には「腋臭症」と呼ばれ、独特の強い臭いを発する体質のことをいいます。

通常、人間の体は体温を一定に保つために、皮膚にある汗腺から発汗します。汗腺には2種類あり、どちらも汗を出す役目を持っていますが、その汗のほとんどが水分であるエクリン汗腺とは別に、アポクリン腺から出る汗には糖質や脂質などが含まれており、さらに粘性があるために細菌がつきやすく、これをエサとするために増殖し、エサを分解する際に出す物質が臭いの原因となります。

人間の持つアポクリン腺は、遺伝するため生まれたときにすでにその数は決まっています。西洋人はアポクリン腺が多くワキガ体質も多い一方で、日本人は10人に1人がワキガ体質だとされています。ただ昨今の食生活の変化から、ワキガ体質になる人が増えてきています。肉料理など脂肪を多く含む食べ物は、皮脂腺やアポクリン腺を刺激するためその働きを活性化してしまいます。

さらにワキガの臭いは、ただアポクリン腺から出る汗が臭うのではありません。分泌される汗を、皮膚の上で細菌が分解して、はじめて臭いが発生します。もともと皮膚の上には常在菌が存在し、通常これらの菌は問題ありませんが、善玉菌と悪玉菌の数のバランスが崩れてしまうと悪玉菌が優勢になってしまい、これが悪臭の原因となってしまうのです。

ワキガの臭いはどんな臭い?

スパイス系の臭い
硫黄のような臭い
・ニラやタマネギ、長ネギなど香味野菜の臭い

ただし臭いは人によって違うほか、臭いの感じ方によっても違いがあり、この臭いがしたからとワキガだとは言い切れません。

ワキガと勘違いされやすい汗の臭い

生乾きの洗濯物からする臭い
・酸味のある臭い
・古い雑巾からする臭い

どちらの臭いも細菌が増殖することで起きる臭いですが、「ワキガじゃない?」というアドバイスは、悪気がなくても相手を傷つけたり、臭いがしないのに臭いが気になる自己臭症といった病気の原因になることもありますので、注意しましょう。

ワキガの5つの特徴。上手く付き合うための対策方法とは

ワキガの人の特徴

ワキガはその名前から、脇の臭いがあればワキガだと思われることもありますが、ワキガとは違うこともあります。汗を大量にかく多汗症の人はワキガになりやすいともいわれますが、汗を大量にかくことが、ワキガということにはならないのです。

ワキガは体質であるため、病気とは違います。もしかしてワキガかも、というときにはワキガの人特有の体質をチェックしましょう。

1.耳垢が湿っている

耳垢に汗が混じって湿り気が出るのは、耳の中のアポクリン腺によるものです。耳は乾いている人が多いため、耳垢の湿りはアポクリン腺が他の人よりも多くあると言えます。それは同じく脇にも多くアポクリン腺があるといえるため、ワキガ体質になりやすいともいえます。

2.服の脇の部分が黄ばむ

アポクリン腺から分泌される汗は、タンパク質や脂質などが多く含まれるため、衣類に付着すると変色の原因となります。ただし制汗剤も衣類を黄ばみさせることがあるため、ワキガかどうかを判断する際には、使用を止めてチェックするようにしましょう。

3.脇毛が多い

アポクリン腺は毛が多く生えている場所に多く存在するため、脇毛が濃い、また多く生えている場合はワキガ体質の可能性があります。脇以外にも、毛が生えることの多いへそ周りや陰部、肛門、乳輪に濃い毛が生えている場合は、その部分にあるアポクリン腺も多いといえます。

ただし脇毛が濃い場合でも、男性と女性には違いがあり、ワキガ体質の男性の場合は柔らかくふわふわしている脇毛女性の場合は毛が太い、もしくは濃いといった特徴があります。

4.両親の片方、もしくは両方ともワキガである

ワキガは2,3割ほど確率ではありますが、遺伝する可能性があります。両親の片方、もしくは2人ともワキガ体質だった場合、それを受け継いでいる可能性があります。

5.脇に汗をよくかく

汗を大量にかく多汗症は病気であり、ワキガとは別のものです。ただし多汗症の人がワキガであることもあり、注意が必要です。多汗症の場合は脇だけでなく全身に症状が出ることもあり、汗はさらさらしたものが多く出ます。一方ワキガ体質の場合は、粘り気のある汗が出るほか、脇に白い粉のようなものが多くつきます。

ワキガかどうかは、セルフチェックだけでなく専門の病院でアポクリン腺の数や臭いの強さなどを総合的に診察してもらい、判断してもらうことが必要です。

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濃い顔の人はワキガになりやすい?見た目によるワキガチェック

ワキガ体質の人は、アポクリン腺の数が多く、さらにその大きさも他の人とは違います。生まれつきその数は決まっているため、増えることはありませんが、生活習慣や食生活が原因で、急に臭いが強くなることもあります。

ワキガの確率が高い人の見た目の特徴

・ひげが濃い
・眉毛が濃い
・顔の彫りが深い
・全身の体毛が濃い

毛を濃くし、増やす役割のある男性ホルモンの分泌が多いため、毛穴も多く、それに合わせて汗腺の数も多くなります。アポクリン腺の数も他の人より多いため、ワキガ体質になりやすいといえます。

ワキガの5つの特徴。上手く付き合うための対策方法とは

ワキガと上手く付き合うための対策方法

ワキガは臭いが強ければ、病院でアポクリン腺を除去するといったことも考えなければいけませんが、ほとんどの場合は日常生活の改善で対処が可能です。

脇毛の処理

脇毛を処理しないままでいると、雑菌が増殖しやすくなります。カミソリやシェーバーなどで、まめに手入れをするようにしましょう。毛抜きでの処理は、アポクリン腺を刺激しますので止めておきましょう。さらに肌荒れしないよう保湿もあわせて行うことが必要です。

小まめに脇を拭く

脇に汗をかいてそのまま放置しておくと、雑菌の繁殖につながります。汗拭きシートで小まめに汗を拭くようにしましょう。

汗をかく

エアコンの効いた部屋に一日いるなど、汗をあまりかかない生活をしていると、汗をかいたときに濃い汗が出る原因となります。軽い運動で汗をかく、もしくは半身浴などで汗をかくことが必要です。

食べ物で改善する

タンパク質や脂質、糖質の多い食事はアポクリン腺を活性化させます。これらの食事に偏らないようにするほか、臭いの強い香味野菜やスパイスを多く使った料理を控えることも必要です。

生活習慣を改める

ストレスや睡眠不足によって、臭いが強い汗が出ることがあります。しっかり睡眠を取り、ストレスをためないように日頃から発散することが大切です。

ワキガを気にし始めると、臭いがなくても気になるようになり、最悪の場合はうつ状態になったり、人と会うことができなくなったりといった状態になることがあります。制汗剤などを上手く利用し、臭いを最小限に抑え、また気にしすぎないようにしましょう。