ペットと飼い主が共通して感染する「ズーノーシス」の予防法4つ

「ズーノーシス」という言葉を知っていますか。「ズーノーシス」、まだそれほど広く世間には知られていないかもしれませんが、ペットを飼っている人、これから飼おうと考えている人には是非知っておいて欲しい言葉なのです。

そこで今日は、ペットと飼い主が共通して感染する「ズーノーシス」についてご紹介します。

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そもそも「ズーノーシス」って何?

ズーノーシスとは動物から人に感染する病気を意味します。ズーノーシスは別名「人獣共通感染症」と呼ばれ、ペットを飼っている人や日頃から動物と触れ合う機会が多い人には、特に気を付けて欲しい感染症です。

ペットと飼い主が共通して感染する「ズーノーシス」の予防法4つ

主なズーノーシス

ズーノーシスといっても、実は様々な病気があります。とても全ては説明できませんので、主なものについて紹介しますね。

トキソプラズマ症

トキソプラズマという原虫が原因で発生する病気です。トキソプラズマに感染している動物のお肉を食べる、糞に触れることによって感染します。

ただ、たとえ感染したとしても殆どの場合は問題ありません。しかし、はじめての感染が妊娠中であった場合、流産の危険や、胎児の脳や目に障がいが生じる危険もありますので注意が必要です。

狂犬病

狂犬病は狂犬病ウイルスを持った動物に噛まれることにより発症します。発症した場合、致死率100%という実に恐ろしい病です。

日本で犬を飼う場合には、狂犬病の予防接種を受けさせることが法により定められているので、40年ほど狂犬病の発生は確認されていません。しかし、海外では日本のように予防接種が浸透していない国も多々ありますので、外国に行く際には狂犬病について知っておく必要があります。

ペットと飼い主が共通して感染する「ズーノーシス」の予防法4つ

オウム病

オウム病に感染している鳥の排泄物や、その鳥に咬まれることによって感染します。

発熱や咳など風邪によく似た症状なのですが、風邪ではないため風邪薬が全く効かないことから受診し、発覚することが多いのも特徴です。専用の治療薬にて治すことが可能です。

猫ひっかき病

バルトネラ菌に感染した猫にひっかかれたり、咬まれることで発症する病です。このバルトネラ菌はノミが媒体となる場合が多いため、ノミが寄生している猫に引っかかれたり咬まれたりした場合には、特に注意が必要です。

被害を受けた2週間後くらいからリンパ節に腫れがみられたり、発熱、頭痛など、風邪に似た症状があらわれます。

回虫症

回虫という寄生虫が人に寄生することによって発症します。回虫に感染した動物が排泄すると、回虫の卵も排泄物と一緒に排出されます。その排泄物に触れてしまった手を経由して経口感染してしまうのです。

回虫症に感染した場合、回虫が移動する場所によっては重篤な症状を引き起こします。高齢者や幼児は免疫力が弱いので特に注意が必要なのですが、小さい子供は動物の排泄物でも気づかず触れてしまうことがあります。公園などに行く際は、大人が気を付けてあげましょう。

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ズーノーシスの予防法

では、ズーノーシスを予防するためにはどのようにすれば良いのでしょうか。

ワクチン接種

狂犬病などワクチン接種が義務付けられている感染症は、きちんとワクチンで予防しましょう。飼い主の中には動物が嫌がる、費用がかかるから受けさせていないとおっしゃる方もいらっしゃいますが、狂犬病が人に感染した場合、致死率は100%です。外国とのやり取りがこれだけ頻繁になっている現代で、いつ狂犬病が持ち込まれるとも限りません。

動物と人が幸せに共存するためにはワクチンが必要と理解しましょう。

手洗いをする

動物と触れた後、動物の排泄物に触れた後、更に外遊びで地面などに触れた際には、必ず手を洗う習慣をつけましょう。石鹸をつけ、流水でしっかり洗い流せば感染のリスクを大幅に下げることが出来ますからね。是非、お子様も小さいうちから手洗いを習慣づけましょう。

口移しで動物にエサをあげない

ペットは家族同然と考える人もいらっしゃいます。可愛い家族に口移しでエサをあげたくなる気持ちはわかりますが、ズーノーシスを予防するためには口移しでのエサやりは止めましょう。

動物は感染しても特に症状があらわれないのに対し、人間が感染すると症状が出てしまう感染症も多々あるのです。あなたが体調を崩してしまったら可愛いペットも心配してしまいますからね。

ペットと一緒には寝ない

いつも一緒にいたいから、ペットが寂しがるからとペットと一緒に寝ている飼い主さんもいらっしゃるかもしれません。

しかし、寝ている間にたまたまあなたが怪我した部分をペットが舐めてしまったことにより、ズーノーシスに感染することもあるのです。予期せぬ感染を防ぐ為にも一緒に寝ることは止めましょう。

ペットと飼い主が共通して感染する「ズーノーシス」の予防法4つ

まとめ

ズーノーシスについて紹介してきましたが、大事なことは人間がズーノーシスに対する正しい知識を持ち、正しく行動すれば感染を防ぐことが出来るということです。

人間と動物の幸せな共存のためには、人間側のちょっとした努力が必要なのかもしれませんね。