【生命の始まり】妊娠2週目の子宮で起こる現象と摂りたい栄養素

妊娠すればいろいろな自覚症状があらわれますが、妊娠2週目はまだまだ自覚症状はありません。自覚症状はありませんが、子宮内ではいろいろなことが起こっていますし、摂りこみたい栄養素もあります。妊娠超初期は赤ちゃんが著しく成長する時期だからこそ、気を付けなければならないことがたくさんあります。そこで今回は生命の始まりである妊娠2週目に着目し、子宮で起こる現象や摂りたい栄養素などをご紹介しましょう。

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妊娠2週目の子宮内では何が起きている?

妊娠2週目という時期は「妊娠」とはつくものの実際は妊娠していない状態です。

妊娠とは受精卵が子宮内膜に着床ししっかり根付いてからのことをいいますが、妊娠2週目は受精卵が作られる時期なので正確には身体は妊娠していません。

妊娠2週目は最後の生理が来た日を「妊娠0週0日」とカウントするので、生理が終わってから約1週間後をさします。つまり生理周期が28日の場合は排卵時期にあたります。

妊娠2週目は妊娠しているわけではありませんから、つわりや眠気といった妊娠初期症状があらわれることはありません。

受精卵は子宮内膜に着床すべく、細胞分裂しながら卵管を通り子宮への移動を行います。

受精すれば「初期妊娠因子」が分泌され、命を受け入れて育てていく準備が始まります。

【生命の始まり】妊娠2週目の子宮で起こる現象と摂りたい栄養素

妊娠2週目に当たる「排卵」について知っておきたいこと

排卵とは卵巣から卵子が放出されて卵管に入ることをいいます。排卵が起こるのは生理周期が28日の場合で、生理開始日から約2週間後となります。

生理の時期になると脳からの命令で20個ほどの卵子を含む原子卵胞が成長し、そのうちの1つが卵巣から卵管に入ります。これが排卵の仕組みです。20個ほどの原子卵胞から卵管に入るのはたった1つだけで、それ以外は死滅することになります。

排卵が起こると女性ホルモンにも影響があるので症状には個人差があるものの、生理痛のような排卵痛が起こったり、排卵出血、織物の状態の変化、頭痛、めまい、吐き気、唾液がねばねばする、胸が張るなどの変化があらわれることもあります。

何となく気分が憂鬱になるのも排卵の特徴です。

排卵日前後2~3日がもっとも妊娠しやすい時期になりますから、自分の排卵時期を把握することはとても大切です。

排卵日は基礎体温を毎日測りグラフ化することで予測できます。数か月続けることで自分の体のリズムを知ることができます。

通常は低温期と高温期に分かれるのですが、きちんと分かれていなかったり、グラフがいびつだったりするとホルモンバランスの異常などが考えられるため一度受診しましょう。

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妊娠2週目で性別が決まる

妊娠2週目は受精し、その受精卵が細胞分裂を繰り返しながら子宮へ向かっている時期です。

実はこの時期に赤ちゃんの性別が決められます。

赤ちゃんの性別は精子の染色体によって左右されます。精子には女の子の染色体をもつ「X精子」と男の子の染色体をもつ「Y精子」の二種類があり、どちらが受精するかで性別が決まります。

X精子と受精すれば女の子になり、Y精子と受精すれば男の子になります。

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この時期から「葉酸」を意識して摂ろう!

妊娠超初期や妊娠初期に大切な栄養素といえば葉酸が有名ですね。

特に妊娠2週目が含まれる妊娠0週目~4週目までの「妊娠超初期」といわれる時期は、受精をしたり、受精卵が細胞分裂を繰り返したり、着床したりと非常に大切な時です。

また妊娠初期には赤ちゃんの体のさまざまな器官が作られる時期なので、栄養には十分注意したいですね。

無事健康に生まれてきてほしいというのはすべての妊婦さんの願いですが、先天性の病気をもって生まれてくる赤ちゃんもいます。そのリスクを下げるため摂取したい栄養素が葉酸です。

葉酸を摂取することで、先天性の病気のひとつ「二分脊椎症」といった神経管閉鎖症のリスクを約70%も軽減できるといわれています。

葉酸はビタミンBの一種で細胞を増殖させるときやたんぱく質形成に必要とされる栄養素です。妊娠超初期や妊娠初期に葉酸が不足してしまうと二分脊椎症などの神経管閉鎖症のリスクが高まります。

妊娠中の葉酸摂取は欧米では以前からさかんに伝えられてきましたが、日本では2000年位からようやく妊娠する可能性がある女性に対して葉酸接種を医療機関経由で呼びかけるようになりました。

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二分脊椎症とは

二分脊椎症とは、妊娠中に何らかの原因で脊椎が変形し、本来であれば脊椎の中に納まるべき神経が外に飛び出していることによって起こる神経管閉鎖障害です。

症状には個人差が大きいのですが、ひどくなると足の変形や麻痺、排泄障害などの症状がでます。二分脊椎症の約半数は水頭症を合併しますから、その場合には脳障害を引き起こします。

水頭症とは脳脊髄液の生産から吸収のいずれかに異常が起こることで、脳室に脳脊髄液がたまり頭が大きく膨らんでしまう病気です。

二分脊椎症が起こる原因としては、ビタミンAの過剰摂取や抗てんかん剤、バルプロ酸(精神安定剤)が関係しているといわれています

二分脊椎症の治療は手術しかありません。

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葉酸はサプリメントが摂りやすい

葉酸が含まれている食材は野菜や果物、レバーなどで、食品から摂取した葉酸は小腸でモノグルタミン酸として吸収されます。食品から摂取する葉酸は調理方法などによって半分ほどしか吸収されません。

そのため葉酸を無駄なく摂取するにはサプリメントがおすすめです。通常の食事にサプリメントをプラスすると良いでしょう。

葉酸は過剰に摂取すると「ビタミンB12欠乏症」の診断が難しくなるため、過剰摂取には注意しましょう。