1日1回の離乳食のリズムにも慣れた赤ちゃんも、7ヶ月に入る頃には離乳食中期、いわゆるモグモグ期に入ります。モグモグ期に突入すると舌や顎の動きにも変化が現れ、量や食べられるものなども少しずつ変化していきます。そこで今回はモグモグ期に突入する7か月目の離乳食の与え方や、そのポイントについて詳しくご説明します。
2回食スタートのタイミングを見極めよう!
モグモグ期のスタートは、一般的には離乳食を開始から2ヶ月くらいが目安になります。
月齢でいうと7ヶ月~8ヶ月頃からがモグモグ期のスタートとなります。
モグモグ期はその名の通り、赤ちゃんにモグモグさせることが目的です。舌と顎を上手に使って、唾液を混ぜながら食べ物をすりつぶして飲み込めるように離乳食使用する食材や大きさ、形にも工夫が必要になります。
離乳食初期のいわゆる「ごっくん期」の離乳食の内容では、舌の簡単な動きだけで飲み込めてしまいますから、舌と顎を使って食べ物をつぶす練習をすることができません。
赤ちゃんは個々によって成長の速度が違いますから、2ヶ月経ってもまだまだ離乳食初期であるごっくん期からモグモグ期へ移行できない赤ちゃんもいます。そんなときは他の赤ちゃんと比べたりせずに、赤ちゃんの成長に合わせて焦らずにすすめていきましょう。
【モグモグ期に移行する目安】
・上手にこぼさずに飲み込めている
・離乳食をしっかり食べている
・食べられる食材が多数ある
・食べるときに口をモグモグ動かし始めた
こちらを目安にしてモグモグ期へ移行していきましょう。いったん2回食にしても、嫌がったりモグモグできないようなら、無理に続けず、ごっくん期の内容に戻してしばらく様子を見ましょう。
離乳食を与える時間・食品・量の目安
離乳食も2回となると、食べさせる時間なども注意したいところですね。
午前中に1回目、午後に2回目というリズムで食べさせましょう。授乳と交互に行うようなイメージで問題ありません。朝10時頃と夕方6時頃がベストなタイミングです。離乳食を食べる時間を毎日同じ時間になるようにすると、生活のリズムが整いやすいです。
モグモグ期になると、新しい食品も増やしていくことになりますが、初めて食べさせる食品は平日の午前中の離乳食で食べさせるようにしましょう。万が一、アレルギー反応やなど、赤ちゃんに体調不良が起こってしまった場合、すぐに病院へ連れていくなどの対応がとれるためです。
1回の離乳食で、炭水化物・ビタミン・たんぱく質をバランスよく食べさせるようにしましょう。
炭水化物はおかゆを50~80g、ビタミンは野菜や果物から20~30g、たんぱく質は魚や肉、豆腐、卵、乳製品から取り入れましょう。たんぱく質の摂取量は、食品によって変わり、魚や肉なら10~15g、豆腐なら30~40g、乳製品なら50~70gとなります。卵に関しては全卵なら1/3個が目安になります。
赤ちゃんが飽きないようにいろいろ工夫をしてあげましょう。
ごっくん期よりも、水分の量を少なめにしたり、具材を大きめにカットしたりして、少し噛みごたえがあるように固さを調整しましょう。
OKな食品とNGな食品
モグモグ期に入ると、これまでのごっくん期と違って食べる量も増えますし、噛みごたえのある少し固めのものも食べられるようになりますが、どんなものでも食べて良いというわけではありません。
ほとんどの野菜や魚、肉、果物を食べられますが、中にはこの時期には控えなければならない食品もあります。
気を付けなければいけないのが調味料です。
いろいろなものが食べられるようになると、いろいろ調理を工夫しておいしく食べさせてあげたいと思うお母さんも多いですが、市販の調味料にはモグモグ期の赤ちゃんには刺激が強いものや添加物が気になるものがたくさんあります。
例えばソースやコショウ、焼き肉のたれ、カレー粉、ハーブや和風だしやコンソメ、中華だしなどは使用を控えましょう。
また天然の甘味料で栄養価が高いはちみつですが、はちみつには食中毒を引き起こす「ボツリヌス菌」を含んでいる可能性がありますから食べさせるのはNGです。
また貝類は噛みきりにくいうえに、アレルギーの心配もありますから、まだこの時期は避けた方が良いでしょう。同じくアレルギーの心配があるカニ、イカ、エビもまだ控えておきましょう。
大人が食べるレトルト食品やインスタント食品などは、添加物も多く、味付けも濃いので避けましょう。
モグモグ期の授乳の必要は?
モグモグ期に入り、食べる量も増えてきますから、ミルクや母乳の量を減らした方が良いのかということが気になりますが、まだまだこの時期はミルクや母乳からの栄養を必要としています。
母乳は消化を促進する働きがありますから、欲しがるだけあげましょう。ミルクは1日5回(内2回は離乳食の食後に)くらいがベストです。離乳食の量によって、ミルクや母乳の量は調整していきましょう。
モグモグ期の注意点
モグモグ期にお母さんがやってしまいがちな失敗が、赤ちゃんの食べるペースよりも早くどんどんスプーンで次の一口を運んでしまうことです。
モグモグ期に入ったからといって急に上手に食べることができるようになるわけではありません。
舌と顎で食べ物をつぶして食べるようになりますが、この食べ方は今までのごっくん期と比較すると一口一口の時間がかかってしまいます。まだ一生懸命食べ物をつぶしてモグモグしているにも関わらず、次の一口をスプーンを運んでしまうと、食べ物をつぶさずにそのまま飲み込んでしまったり、嫌がって吐き出してしまうこともあります。
ですから、赤ちゃんがしっかりつぶして飲み込んで、口の中が空っぽになったのを確認してから次の一口を運んであげましょう。
またモグモグ期に入ってもスムーズに食べてくれたのは最初の数日だけで、全然食べてくれなくなった、食べる量が減ってしまったということはよくあることです。ですから焦って無理に食べさせたりせずに、様子を見ながら味付けなどを工夫してみましょう。