毎日の家事は、立ったままの姿勢でやることがほとんどですよね。立ちっぱなしで足が痛くなったことのある方も多いのではないでしょうか。
今回は、なぜ足が痛くなるのか、そのメカニズムと予防法についてご紹介します。
足が痛くなるメカニズム
ほとんど動くことなく、立ったままの姿勢が継続される状態では、足や腰など、下半身の骨格や筋肉に負荷が集中し、そこのみにストレスをかけ続けることから、痛みにもつながります。
足裏全体で体を支えれば負荷は分散されるのですが、多くの人はつま先・かかとのどちらかに体重をかける立ち方になってしまっているので、そこに疲労が集中して、痛くなってしまいます。
また、立ったままの姿勢を長い時間続けていると、重力によって体内の血液が足へと溜まっていき、血液の循環が低下していきます。
その結果、疲労物質もどんどん足に溜まることになり、足の疲労や痛み、むくみが起こるのです。
足が痛くなった時や立ち仕事が終わってからのセルフケア
足が痛くなった時にできるセルフケア
足が痛いけれど、まだ立ち続けなければならないような時には、合間に足を動かすようにしましょう。
・足の指を曲げたり伸ばしたりする
・足首を回す
・かかとの上げ下げ
・屈伸
・アキレス腱伸ばし
・足先を手で持って、かかとがおしりに付くぐらい膝を曲げ、脚全体を伸ばす
足を動かすことで、凝り固まった骨格や筋肉がほぐれ、痛みを和らげることができます。また、血液の循環も上がることから、疲労が分散されます。
立ち仕事が終わった後のセルフケア
・足裏マッサージ
長時間、体を支えてくれた足裏をほぐしてあげましょう。
①足の指を一本ずつ、回したり、引っ張ったり、爪を両側からぎゅっと挟んでつまんだりします。指と指の間ももみほぐすとよいでしょう。
②足裏のツボを押します。足裏の真ん中にある足心(そくしん)、かかと部分の失眠(しつみん)など、押して気持ちのいいツボを探しましょう。
血液の循環が良くなり、リラックス効果もあります。
・足全体をマッサージ
ふくらはぎからひざ裏、太もも、お尻の順に、上へ向かってマッサージしていき、最後に股関節を内側に向かって指圧しながらさすり、血流を上げると共にリンパを流してあげると、疲労物質やむくみを取ることができます。
心臓から遠い右足から行うとよいでしょう。
・お風呂に入る
疲れた日はお風呂に入る元気がない、という方もいるかもしれませんが、疲れた時ほど湯船につかる方が良いのです。
身体が芯から温まり血行がよくなるので、疲労物質を除去する効果があります。また、水中の浮力によるリラックス効果があるので、より痛みがやわらぎ、翌日の活力へとつながるでしょう。
入浴時に、上記のマッサージを行うのも良いですね。
・足を高くして寝る
寝る時に、足を心臓の位置より高くすることで、足に溜まった血液が心臓に戻りやすくなり、血液の循環が促されて、むくみの解消、疲労回復につながります。
足枕(フットピロー)という商品がありますが、無い場合は、座布団やクッション、バスタオルを丸めたものなどを利用します。高さは10~15cm程でよいでしょう。
足が痛くならないようにするためには?
良い姿勢を保つ
姿勢が悪いと、体のバランスが崩れ、足にかかる負担が大きくなり疲れやすくなります。
背筋を伸ばし、あごを引いて、下腹部に力を入れて立つことを心掛けましょう。
おへその5cm程下にある「丹田」を意識して力を込めると、下半身が安定します。
リラックスする
緊張して余計な力が入り過ぎてしまうと、体がかたくなり、血流も滞って、疲労物質を溜めてしまうことになります。
呼吸を深くする、笑顔を心掛けるなど、自分がリラックスできる方法を知っておくと、痛みも半減するでしょう。
上述した「丹田」に力を入れることでも、リラックスにつながります。
筋力を鍛える
筋力が衰えると、身体を支える足の力も弱くなって疲れやすくなりますし、骨格も固まりやすくなります。
エレベーターではなく階段を使う、一駅歩いてみるなど、日頃から意識して体を動かしてみましょう。
足に合った靴を履く
靴が足に合っていないと、すぐ疲れたり、痛みを感じたりしてしまいます。
窮屈でもいけませんが、余裕があり過ぎても足の負担になるので、靴選びは慎重に行うのがよいでしょう。
つま先やかかと部分の違和感がないか、土踏まずはフィットしているか、クッション性はあるかなど、チェックしてから購入するのが理想です。
インソールを活用する
今ではインソール(中敷き)にも様々な種類があり、長時間立ちっぱなしの方向けのものも販売されています。
足の負担を軽くして痛みをやわらげるものや、姿勢を矯正して疲れにくくするものなどもありますので、選んで活用してみましょう。
着圧ソックスを履く
足を適度に圧迫することで、むくみを防いだり疲れにくくさせる靴下も販売されています。
確かに、適度に指圧されている感覚があったら痛みも軽減されるような気がしますね。
いかがでしたでしょうか。
立ったままでいることは決して楽ではありませんが、避けられない状況の時もありますので、ぜひご自分で予防やケアをして、乗り切っていきましょう。