赤ちゃんの発育具合を確認する際に参考になるのが、月齢ごとの成長曲線です。産婦人科の資料や母子手帳など、お母さんがよく目にする資料です。よく確認する数値ですから、成長曲線を下回っていると成長が遅いのか、健康に問題があるのかなど心配になってしまうかもしれません。
もし成長曲線におさまっていなくても、多くの場合は心配いりません成長曲線の正しい見方を身につけると理解できますよ。今回は成長曲線の見方と、月齢ごとの数値を紹介します。
成長曲線の見方
成長曲線は全国の赤ちゃんの身長と体重をもとに、それぞれ2本の曲線で表します。乳幼児期である78ヶ月までの身長と体重の数値を分かりやすくグラフ化したものです。10年に1度、厚生労働省が全国の赤ちゃんを対象に発育の統計調査を行い、最新のものが母子手帳などに載っています。
成長曲線のグラフは「身長」「体重」それぞれに2本ずつ曲線があり、性別ごとのグラフに分かれています。
2本の曲線はそれぞれ、赤ちゃんが100人いるとして
・下から3番目の赤ちゃん
・上から3番目の赤ちゃん
の身長と体重を表しています。
したがって、赤ちゃんの身長と体重が2本の曲線の間にある数値なら、問題なく健康に育っているという目安になります。
月齢別発育値の数値
成長曲線では赤ちゃんが標準と比べてどの位置にいるのか視覚的に理解できます。しかし、グラフ形式のため細かい数値を確認するのが難しいです。細かい数値を見たい場合は、月齢ごとの発育値の一覧を見ると参考になりますよ。
平成24年調査の月齢別発育値は以下の通りです。
女の子の月齢別発育値
身長(cm)と体重(kg)の順に記載しています。
新生児 44-52 2.13-3.67
1ヶ月 48.1-56.4 2.9-4.84
2ヶ月 50-58.4 3.39-5.54
3ヶ月 53.3-61.7 4.19-6.67
4ヶ月 56-64.5 4.84-7.53
5ヶ月 58.2-66.8 5.35-8.18
6ヶ月 60.1-68.7 5.74-8.67
7ヶ月 61.7-70.4 6.06-9.05
8ヶ月 63.1-71.9 6.32-9.37
9ヶ月 64.4-73.2 6.53-9.63
10ヶ月 65.5-74.5 6.71-9.85
11ヶ月 66.5-75.6 6.86-10.06
12ヶ月 67.4-76.7 7.02-10.27
13ヶ月 68.3-77.8 7.16-10.48
14ヶ月 69.3-78.9 7.31-10.69
15ヶ月 70.2-79.9 7.46-10.9
16ヶ月 71.1-81 7.61-11.12
17ヶ月 72.1-82.1 7.75-11.33
18ヶ月 73-83.2 7.9-11.55
19ヶ月 73.9-84.2 8.05-11.77
20ヶ月 74.8-85.3 8.211.99
21ヶ月 75.7-86.3 8.34-12.21
22ヶ月 76.6-87.4 8.49-12.44
23ヶ月 77.5-88.4 8.64-12.67
24ヶ月 78.3-89.4 8.78-12.9
男の子の月齢別発育値
新生児 44-52.6 2.1-3.76
1ヶ月 48.7-57.4 3.00-5.17
2ヶ月 50.9-59.6 3.53-5.96
3ヶ月 54.5-63.2 4.41-7.18
4ヶ月 57.5-66.1 5.12-8.07
5ヶ月 59.9-68.5 5.67-8.72
6ヶ月 61.9-70.4 6.10-9.2
7ヶ月 63.6-72.1 6.44-9.57
8ヶ月 65-73.6 6.73-9.87
9ヶ月 66.3-75 6.96-10.14
10ヶ月 67.4-76.2 7.16-10.37
11ヶ月 68.4-77.4 7.34-10.59
12ヶ月 69.4-78.5 7.51-10.82
13ヶ月 70.3-79.6 7.68-11.04
14ヶ月 71.2-80.6 7.85-11.28
15ヶ月 72.1-81.7 8.02-11.51
16ヶ月 73-82.8 8.19-11.75
17ヶ月 73.9-83.8 8.36-11.98
18ヶ月 74.8-84.8 8.53-12.23
19ヶ月 75.6-85.9 8.7-12.47
20ヶ月 76.5-86.9 8.86-12.71
21ヶ月 77.3-87.9 9.03-12.96
22ヶ月 78.1-88.8 9.19-13.2
23ヶ月 78.9-89.8 9.36-13.45
24ヶ月 79.7-90.7 9.52-13.69
下回るのは異常のサイン?
赤ちゃんが成長曲線を下回っていたら、成長が正常なのか不安になってしまいますね。成長曲線を下回っていても、赤ちゃんの個性である可能性が高いので、あまり深刻に悩まなくても大丈夫です。
出生時に体が小さかった赤ちゃんや、親の体格が小さい場合は赤ちゃんの体も小さい傾向があります。出生時に小さくとも2-3歳になる頃には成長曲線に追いつくことがあります。また、成長曲線を下回る時期が続いたとしても、身長と体重が伸び続けているのであれば問題ありません。
運動量が増えたり、食べる量の増減などで体重があまり増えない時期もあります。また大人と同じで赤ちゃんにも個性があります。神経質にならず、広い心で受け止めましょう。
注意が必要なパターン
成長曲線と大幅にずれている、赤ちゃんの身長と体重をグラフにしたら横ばいになっている、大幅に体重が減ったなどの場合は注意が必要です。
2歳を過ぎても成長曲線に届かず大幅に差異がある場合は、成長ホルモンの不調や低身長症の恐れがあります。成長とともに成長曲線との差異が大きくなったなら、医師に相談してみましょう。