水分が豊富でみずみずしい梨。秋の果物の代表としてスーパーでもいろいろな種類の梨が売られているのが目に入りますね。そんな甘くてみずみずしい梨にどんな栄養素が含まれているかご存知でしょうか?一見あまり栄養価は高くなさそうなイメージがありますが、実は免疫力を高めたり、咳やのどの痛み、消化促進などに効果があります。そこで今回は知られざる梨の効果について解説しましょう。
梨とは?
梨は二十世紀梨や豊水といったいろいろな種類がありますが、最もポピュラーなのは二十世紀梨を代表とする青梨系です。梨は中国原産の果物で、旬は秋です。
日本で梨を食べるといえば、皮を剥いてそのまま食べるというのが一般的ですが、欧米ではいろいろなアレンジを行って、砂糖漬けにしたりサラダに入れたりするのが一般的です。
梨は二十世紀梨を代表とする青梨系と豊水を代表とする赤梨系に分けられ、日持ちが良いのは青梨系です。
美味しい梨を見分ける方法は、手に取ったときに重みがあって皮にハリがあるものを選びましょう。
梨に含まれている栄養素
梨はそのみずみずしさからもわかりますが90%が水分でできています。
含まれている栄養素は、ビタミンB1・B2・C、カリウム、鉄分、クエン酸、アスパラギン酸、リンゴ酸です。たんぱく質を分解する消化酵素も含まれています。
アスパラギン酸はあまり耳慣れない栄養素だと思いますが、アスパラギン酸とはアミノ酸の一種でたんぱく質の合成や尿の合成を促進する働きがあるため、疲労回復させる栄養素として様々な栄養ドリンクなどに配合されています。
梨の多様な効果
では具体的に梨にはどのような効果があるのでしょうか。
解熱効果
梨に含まれている「ソルビトール」という成分には解熱作用があります。風邪をひいて熱が出た場合、梨を食べると解熱効果と水分補給が同時にできるのでおすすめです。
疲労回復効果
クエン酸、リンゴ酸、アスパラギン酸には疲労回復効果があるため、梨を食べると疲労を回復する効果を得ることができます。
血圧降下効果
梨に含まれるカリウムは高血圧の原因となるナトリウムを体外に排出させる効果があります。
便秘解消効果
多くの女性が悩まされている便秘。1週間以上出ないのが当たり前という方も多いのではないでしょうか。
梨には「石細胞」と呼ばれる食物繊維の一種が含まれ、それが腸を刺激して便秘を解消してくれます。石細胞とは梨をかじったときに感じるシャリっとした舌ざわりのものです。
他にも消化酵素や便を柔らかくするソルビトールも含まれているため効果があります。
二日酔い予防効果
お酒を飲む前に梨を食べることで、アルコールの吸収を防ぎ体外に排出させるスピードが速まります。そのため、二日酔いの症状を大きく緩和できます。
むくみ解消効果
多くの栄養ドリンクに含まれていて、梨にも含まれるアスパラギン酸はアンモニアを体外に排出させてくれます。つまり利尿作用があるということなので、全身のむくみを解消してくれます。
虫歯予防効果
またソルビトールには虫歯菌の働きを抑える効果があって、石細胞が歯茎を刺激して血行が促進されるため、歯茎を引き締める効果もあります。
梨の保存方法
梨のみずみずしさとシャキシャキ感を損なわないよう、保存は乾燥に意識しましょう。乾燥させてしまうとみずみずしさやシャキシャキ感が失われてしまうため、購入してきたらビニール袋や保存袋を活用し、野菜室で保存しましょう。
このように保存すると1週間ほどおいしい状態での保存ができます。
さらに長持ちさせたいなら冷凍保存ですが、梨は残念ながら冷凍保存には向いていません。冷凍保存する場合にはそのままではなく皮を剥いてピューレ状にし、レモン汁を少し加えて保存袋で保存しましょう。
ヨーグルトにかけたり、料理の隠し味に使ったり、シャーベットのようにそのまま食べてもおいしくいただけます。
梨は皮に近い部分がもっとも甘みがあるため、皮を剥くときには薄く剥くことを意識しましょう。
梨はそのままでもおいしいですが、サラダやお肉料理に使ってもおいしくいただけますよ。自分なりのアレンジ方法を見つけて梨の効果を得ましょう。
食べ過ぎには注意が必要
疲労回復や風邪、便秘解消など様々な効果のある梨も、食べ過ぎには注意しなければなりません。
石細胞やソルビトールをたくさん摂取すると消化不良を起こし、吐き気がしたり、便が緩くなったり下痢を起こしてしまいます。
梨の解熱作用効果からもわかるように、夏野菜同様、体を冷やす効果があるため、たくさん食べ過ぎることで内臓も冷えてしまい様々な不調があらわれることもあります。
梨のカロリーは100gあたり43kcalです。中ぐらいの大きさの可食部では約121kcalありますから、食べ過ぎると太る可能性も出てきます。
1日の適切な梨の量は1個程度です。子供の場合は年齢体重にもよりますが、半分程度が適量でしょう。