舌が黒ずんで、まるで毛が生えているみたいに見えることで悩んでいませんか?なんだか悪い病気にでもなったような不安に襲われてしまいますよね。それは「黒毛舌症(こくもうぜつしょう)」という症状になります。何もせずに放置していると、口臭の元になってしまいます。
この病気の原因を知り、しっかりと予防することが大切です。原因や予防法、もし、この病気になってしまった時、いったいどんな治療をすることになるのかなどをまとめました。もしも、舌が黒く毛が生えたような感じになってしまった時の為に、知っておくことをおすすめします。
黒毛舌症の原因とは?
原因とされているのは、7つあります。
1.タバコ
たばこに含まれるニコチンが原因です。長期間に渡って喫煙されている方ならわかるはずです。舌だけでなく歯茎なども黒ずんでしまいます。これは禁煙してすぐに改善されるものではありません。症状を改善するには、かなりの時間が必要になってしまいます。
2.抗生物質
抗生物質を長期間服用することで、口内細菌に変化が起こります。口内細菌の種類はさまざまですが、その中のカンジダ菌に対して抗生物質は効果をしめしません。その為どんどん増殖してしまい舌が黒くなっていってしまうのです。
さらに、カンジダ菌から発生する硫黄化合物が口臭の元になってしまいます。
3.飲み物
コーヒーなどを多量に長期間飲み続けることも、原因の一つです。コーヒーなどは量を控えて、歯磨きタイムに舌もブラシで磨くようにしましょう。
4.抵抗力が弱い
疲れている時などは、体の抵抗力も弱くなってしまいます。そのすきにカンジダ菌は増殖し、この病気の症状がでてしまいます。疲れは溜め込まずに、抵抗力をアップさせるようにしましょう。
5.胃腸の機能ダウン
胃腸機能がダウンしていると、免疫力も下がってしまいます。体の免疫力が下がる事も原因になります。
6.ストレス
精神的なストレスから、黒毛舌の症状がでてきてしまいます。ストレスは溜め込まないようにすることが大切です。
7.つばが減る
つば(唾液)が減ると、口内の菌に対する抵抗力がダウンしてしまい、カンジダ菌が増えてしまうことも病気の原因となります。
黒毛舌症になった時に行われる治療法
治療法として、まずは原因となっている物をとる為に、舌の表面の角化上皮を取り除きます。さらに、口腔内を消毒する為に、うがい薬を使ってのうがいや、抗真菌薬が処方されることがあります。
医師からの指導のもと、しっかりと毎日の口腔内洗浄をし、清潔に保つことが大切です。舌の表面をしっかりとブラッシングするなど、継続することで症状が改善されていきます。
また、抗生物質を服用されている方は、担当の医師に相談して、もし可能であれば服用をやめてみましょう。抗生物質の長期間の服用が黒毛舌症の原因となってしまいます。服用を中止することで、症状は改善されていきます。
黒毛舌症の予防法
この病気を予防するには、口腔内をいつも清潔に保つことです。歯磨きの際に、舌ブラシを使って、舌もしっかりブラッシングし、汚れなどを取り除くようにするのが基本となります。ただし、舌ブラシで汚れを落とす時には、あまり力強くこすり過ぎないように注意してください。
さらに、
・禁煙する
・ストレスはためない
・疲れをためこまない
・着色しやすい飲料は飲み過ぎない
・よく噛み、唾液が出る場所をマッサージする
などを日々の生活で意識するようにしましょう。
唾液が出る場所は、「耳下腺(耳下腺)」「舌下腺(ぜっかせん)」「顎下腺(がっかせん)」の3カ所になります。これらの箇所をマッサージするのもいいのですが、わからないという声も多いようです。
簡単に唾液がたくさん出るようにする方法としては、ガムをかんだり、舌を動かすトレーニングがおすすめです。
1.唇を閉じて舌を下奥歯表面にそわせます。
2.そのまま舌をゆっくり右へ移動し右奥歯表面まで持って行きます。
3.今度は舌を右上奥歯表面にそわせ、ゆっくり左上奥歯まで移動させます。
この動作を自分ができる回数行ってください。このトレーニングを毎日行うことで、唾液の量を増やす効果があります。
お口の中は清潔に!
黒毛舌症に限らず、口内を清潔に保つことで予防できる病気はたくさんあります。ただ単に歯磨きをしていればいいというわけではありません。確かに歯磨きをすれば虫歯を予防することができ、口臭予防もできるので大切なことですが、多くの方が「舌」の掃除を忘れています。舌ブラシを使用したことのある方は意外と少なく、この黒毛舌症と言う病気もあまり知られていません。
特に、喫煙される方ですでに黒毛舌症になっていても、これが病気だという認識がなく、何も対処せずにいる方もたくさんいらっしゃいます。確かに、直接命に関わる重病ではありませんが、何もせずに放置するのはよくありません。症状が進行すれば、確実に口臭に悩まされることになります。そうなってからあわててうがいをしたりしても、すぐには改善されずに、それがストレスになってしまうこともあります。
また、いつまでも症状が改善されない場合、何らかの病気の可能性もあります。今、自分のお口の中をみて、黒毛舌症ではないかと不安になられた方は、早めに病院で診てもらうことをおすすめします。