生徒

ニキビみたいなブツブツがおでこにできてしまっています。これは何でしょうか?

先生

一見するとニキビに見えるのですが、それは「カビ」が原因かもしれません。ブツブツの正体と自宅でのケア方法をご紹介いたします。

誰もが憧れるのはツルツルとした綺麗なおでこですが、鏡を見たら額に謎のブツブツが沢山出来てしまったという経験はありませんか?

顔の中でも比較的広い面積ですので、他の人からも目に入りやすい額ですので、大切なイベント前にまさかの額にブツブツが発生してしまってはつらいですよね。

メイクで念入りに隠しても明るい場所や、ライトが当たって逆に目立ってしまったりと、なかなか上手く誤魔化せない事が多いです。

今回はそんな気になる額のぶつぶつの正体や、出来てしまう原因を明確にし、ツルツルの綺麗な額を取り戻しましょう。

額のブツブツの正体は?

額にブツブツが出来てしまうとなかなか治りにくく、悩んでしまいますよね。下手に隠してしまうと余計に目立ったり、ブツブツを悪化させてしまう事もあります。洗顔料やスキンケア方法、食生活を見直しているにも関わらず、一向に改善されないという方もいらっしゃるかと思います。

普段私たちが「ニキビ」と呼んでいるブツブツは、アクネ菌が繁殖したものです。アクネ菌は様々な場所に繁殖しますので顔の中でも頬や鼻と、特定した場所には出来ない為に、額に出来ているブツブツも「ニキビ」と認識していると思います。ところが額にできるブツブツは、マラセチア菌と呼ばれる肌に出来るカビの一種の可能性があります

マラセチア菌ってなに!?

額にできたあのブツブツはニキビではなく、正体がまさかカビだったなんて…。なかなか治らなかった原因は、まず正体を間違えていたからなのです。正体も違えば治療方法も変わっていきますので、通常のニキビとしての治療法では効果が出ずに症状が長引いていたのです。

この肌のカビと言われるマラセチア菌は、元々は誰の肌でも持ち合わせている常在菌です。そしてマラセチア菌は不衛生な環境になるとより活発に繁殖していきます。肌のカビとも言われているマラセチア菌は、異常繁殖すると皮膚疾患を引き起こしてしまいます。

このマラセチア菌は額だけでなく、頭皮や脇の下など汗をかきやすい所にも繁殖しやすいですので、繁殖させない為にも日々のケアが大切です。

マラセチア菌によるブツブツの特徴

マラセチア菌が原因で出来てしまったニキビは、小さな吹き出物が広範囲に渡って発生するのが特徴と言われています。

またアクネ菌が原因となって出来た通常のニキビの場合には、単体で出来るのが特徴です。吹き出物自体の大きさも、マラセチア菌よりも大きくぽっこりと盛り上がっている事が多いです。

この為小さいブツブツが大量に出来ていてお困りの方は、アクネ菌が原因のニキビとは治療の仕方も変わっていきます。

広告

マラセチア菌が引き起こす皮膚炎

マラセチア菌が異常に発生してしまい、症状がより酷くなってしまうと皮膚炎を引き起こしてしまいます。マラセチア菌が主な原因となる皮膚炎のご説明をします。

1.脂漏性皮膚炎

脂漏性皮膚炎はマラセチア菌が原因となって、皮脂が多い額や頭鼻の周りなどに出来る湿疹です。たまにフケに似ている白い付着物が出来てしまいます。

乳児も比較的脂漏性皮膚炎になりやすいと言われていますが、大人とは少し違った出方をします。大人の場合は冬場が悪化しやすいので注意が必要です。

2.癜風

癜風はシミのような白や褐色の斑点が出来きてしまいます。主に体幹である背中などに出来ます。春夏あたりに悪化しやすく斑点で色素が変色した箇所が目立たなくなるまでに、数年かかる場合があります。

3.マラセチア毛包炎

背中などに赤いプツプツした物が出来ます。大きさは数ミリ程度ですが、膿が中に溜まってしまう場合があります。このマラセチア毛包炎は自然治癒がなかなか難しいので、皮膚科の受診をおすすめします。

これらは皮膚科にかかった場合抗真菌薬を処方されます。処方された場合は正しく使用し早急に治るようにしていきましょう。

マセラチア菌が繁殖する理由

額の皮膚はとても乾燥しやすくなっており、その薄い皮膚を乾燥から守るために常に皮脂が分泌されています。この分泌された皮脂が間違ったケア方法やホルモンバランスの乱れなど、様々な理由で多く分泌されてしまうとマラセチア菌が大繁殖してしまいます。

マセラチア菌が繁殖しやすくなる原因を詳しくご説明していきます。

1.洗顔料をちゃんと落とせていない

急いでいる時や仕事で疲れていて早く寝たい時などは、洗顔料やメイク落とし、そしてシャンプーやコンディショナー早く流してしまいしっかり落とせてないという事はありませんか?

こういった洗い残しで汚れや油分が残ってしまった状態ですと、マラセチア菌が繁殖しやすくなります。ブツブツは洗髪料・洗顔料の洗い残しで起こりやすくなるので、髪の生え際や額などに発生しやすいのも特徴です。

洗い残しが原因で起こるマラセチア菌の繁殖を抑える方法として、先に髪の毛の洗ってから洗顔するようにしましょう。時間がない時は焦りがちになりますが、くれぐれも洗い残しにご注意ください。このシャンプーやコンディショナーの洗い残しは背中にも影響する場合がありますので、しっかり落としていきたいですね。

2.前髪が額に常に触れている

前髪が額や顔にかかっている方は良く額にブツブツが出来てしまう事はありませんか?毛先が常に肌に当たってしまっていると刺激になってしまい、汚れがついている髪の毛が不衛生な状態を生み出しやすくしているのです。

前髪や髪の毛が長い方はずっと顔にかかる状態にしないように気を付けていると、額のブツブツを予防することが可能ですのでぜひとも覚えておいてください。自宅にいる際は前髪をピンで留めたり、髪を結んでおくと良いですね。

3.ストレス

ストレスは様々な不調をもたらします。ストレスによりなかなか寝付けなくなってしまうと、ホルモンバランスも崩れてしまいます。肌の皮脂分泌にも影響するので、過剰に分泌してしまう事もあります。

健康な肌にする為には、ストレスをあまり溜めないように気を付けていきたいですね。

4.ペットにいる菌がうつってしまう

自宅で犬などのペットを飼っている方でしたら、仲良く夜は一緒に寝ているという方も多くいるのではないでしょうか?しかしマラセチア菌は人間だけが持っている訳ではなく動物も持っている菌なのですので注意が必要です。また頬を擦りよせたり舐められたりすると雑菌がついてしまい、そのままの状態ですと不衛生になってしまいます。

自分の肌のケアは入念にしていてもこういった今まで気にせず行なっていた行為が悪化させてしまう原因となり得ます。

5.湿気が多い

マラセチア菌は他のカビと同様に湿気などを好みます。ですので汗をかいて肌が湿っているのにそのままにしておくと、マラセチア菌が繁殖してしまいます。気温や湿気が高くジメジメしている所には長時間いないようにすると良いでしょう。汗をかきやすい方も清潔な状態に出来るように注意しましょう。

広告

自宅ケアの方法

いつものニキビだと思い、いつも通りのお手入れしてきたけれど、特に効果がなかった額のブツブツですが、マラセチア菌は正しいお手入れをする事で予防することが可能です。普段の生活の中でもすぐにでも始められるケア方法もありますので、ぜひ取り組んでみてください。

ただし、すでに発生してしまったマラセチア菌のブツブツに関しては自然治癒が難しいとされている為、薬の使用が必須になってくることを理解しておきましょう。

1.メイク道具などを清潔に保つ

基本中の基本として肌に触れるメイク道具などは常に清潔にする事が大切です。様々な肌トラブルの原因にもなりますし、肌を清潔にした後にマラセチア菌が付着しているメイク道具を使用しては清潔にした意味がなくなってしまいますよね。

メイクスポンジは使った後は洗ってしっかり乾かしたり、使い捨ての物を使うと良いでしょう。メイクブラシは専用のブラシクリーナーなどを使い定期的に清潔な状態にしましょう。

2.シーツや枕カバーをこまめに取り替える

タオルや枕カバーなど肌に触れる寝具類もこまめに取り換えて清潔にしていきましょう。肌はとても敏感なので、ちょっとした汚れでも敏感に反応してしまうのです。肌が弱っている状態ですと尚更症状が出やすくなってしまいます。

3.過剰に皮脂が分泌しないようにする

不規則な生活によってホルモンバランスが乱れたり、よかれと思って顔などを洗いすぎてしまった場合などに、過剰に皮脂が出てしまう事があります。また思春期などもホルモンバランスが乱れやすくなります。

生活リズムを整えたりバランスの良い食事を心がけると共に、必要以上に洗顔しないように気を付けましょう。また自分の肌質について理解しておくと、自分の肌にあったケアを行えますので過剰に皮脂を出さないようにする事が出来ます。

4.頭皮や顔を清潔にする

汗をかきやすい季節は身体や顔が汗でベタベタしてしまいます。汗で湿った肌にはマラセチア菌が繁殖しやすい環境になりますので、シャワーなどで洗い流し清潔に保つ事が大切です。なるべくこまめに汗を拭きとったり、汗拭きシートで拭いておくのもおすすめです。

5.睡眠をしっかりとる

睡眠をしっかりとることは健康上とても大切な事です。マラセチア菌は皮膚にいる菌になりますので基本的には悪さはしません。免疫力の低下などで菌が繁殖しやすくなってしまう可能性もありますので、規則正しい生活と睡眠を心がけてしっかりした身体つくりをしていく事が大切ですね。

6.ビタミン類を摂取する

健康や肌にも良いといわれているビタミン類は摂取するように意識していくと良いでしょう。

ビタミンB2は細胞の代謝を良くしてくれたり、肌荒れ予防に必要なビタミンです。ビタミンB2を多く含む食べ物は、鮭・鶏の卵・海苔・アーモンドなどです。

ビタミン B6は皮膚炎の予防をしてくれ 免疫力を正常な状態に保ち 健康の皮膚を作ってくれます。ビタミンB6を多く含む食べ物は、唐辛子・にんにく・まぐろ・鶏肉・ごまなどです。

普段よく食べるような食品に含まれていますので、バランスよく食事に摂り入れていきましょう。

7.皮膚科を受診する

マラセチア菌によるブツブツの症状がなかなか改善しない場合は、悪化する前に皮膚科を受診する事をおすすめします。専門家の医師に処方してもらった薬でしたら安心して使用する事が出来ますよね。処方してもらった薬と共に、マラセチア菌が大繁殖してしまわないように日頃から気をつけて行くと良いでしょう。

薬剤師さんがいる薬局などで市販薬を購入する事も可能ですが、購入した薬ではあまり改善しない場合もあります。そうなると最初から病院を受診した方が結果として時間と費用が安く収まる事も実際にありますよね。なかなか時間が取れないという方も多いと思いますが、なるべく医師に診てもらうと安心出来ます。

先生

まずは肌をキレイに保つことを意識してください。ブツブツがたくさん出ている場合は、なかなか自然治癒しにくにので、病院で受診をしてください。

正しいケアをしよう

肌をなるべく清潔に保つ事や変に刺激を与え続けない事、そして肌のお手入れを毎日きちんと続けることで、額のブツブツの原因となるマラセチア菌の予防は可能です。

発生してしまった場合でも皮膚科にかかり治療薬を使用することで症状は改善する事が出来ます。自分で出来る事は積極的に行い、ツルツルした綺麗な額をキープしていきましょう。