楽しい海外旅行に行ったとき、また帰ってきてから悩まされることの一つに時差ボケがあります。体がだるい、寝込んでしまうなど、そういった症状が何日も続くこともあり、できれば時差ボケにならずに済ませたいもの。しかし時差ボケにならないためにはどうすればいいのでしょうか。時差ボケにならないための効果的な解消方法についてご紹介します。
時差ボケの原因と特徴
時差ボケとは睡眠障害の一つで、医学的には時差障害と呼ばれています。私たちの体の中には、眠る、目覚めるといった体のリズムが約24時間周期で刻まれていて、目から光を感じること、そして通勤や通学などの社会的な関わりなどによってそのリズムがリセットされます。そのリズムが狂ってしまうのが時差ボケなのです。
時差ボケは、時差が5時間以上ある場所に高速で移動したときに最も起こりやすいとされています。さらに、時差が大きい場所へ向かう飛行機に短時間しか乗っていない場合、時差ボケは起こりやすくなります。症状としては不眠や眠気のほか、頭痛やめまい、疲労感、目の疲れなどといった症状から、重いものになると消化器の不調による食欲不振や心身の不調から寝込む人もいます。
体内時計が現地の時間とずれることで起こる時差ボケですが、現地に着いてから体が現地の時計に合わせようとすると、今度は睡眠や覚醒のリズムが合わせられても、体温やホルモンの分泌がそれについて行けず、自律神経が混乱します。そのため、現地について治まったかのように感じていた時差ボケが、2,3日後にぶり返すこともあります。
軽く済む場合と重くなる場合とがある!
飛行機で高速移動をすることができるようになってから、時差ボケに悩まされる人も増えましたが、実は時差ボケが軽く済む場合と重くなる場合、また時差ボケに悩む人が多い中で、全く悩まされない人もいます。その違いとはどういうものなのでしょうか。
東回りの方が西回りより症状が重くなる
日本からハワイ、アメリカなどに向かうフライトを東回り、ヨーロッパなどに向かうフライトは西回りといわれます。飛行機に乗っている時間が長い西回りの方が時差ボケは起こりやすいですが、症状は軽いとされているのです。
これは、東回りより西回りの搭乗時間の方が長くなるので、体内時計が調節されすいこともありますが、アメリカなど東回りのフライトでは、時差の関係で夜が短くなってしまうことが関係しています。つまり、東回りで時差を合わせるためには早く寝て朝も早く起きる必要があり、体が辛くなるのです。
朝型の人より夜型の人の方が時差ボケは軽い
西回りのフライトの場合、時差ボケは夜更かしをして体内リズムを合わせる必要が出てきますが、これには夜型の人の方が合わせやすいといえます。朝型の人は午前中に活動のピークがあり、夜更かしに体を合わせることが難しいことから時差ボケの症状は重くなります。
時差ボケは年齢でも症状が変わる
加齢により睡眠時間が短くなり、また体力も落ちている中高年は、若い人よりも時差ボケの症状が重く、なかなか回復することができなくなります。
神経質な人や内向的な人は時差ボケが治りにくい
時差ボケの症状があっても、現地で人と会話をしたり、歩き回るなどすれば体内時計のリズムも整うため、時差ボケが解消されます。しかし神経質であったり内向的な人は、外部との接触を嫌い、閉じこもってしまうためなかなか回復できないのです。
時差ボケを解消する方法
時差ボケは体内時計のリズムが狂うことから起こりますので、事前に時差ボケにならないよう体のリズムを整えるか、また乗っている飛行機の中で対策を立てる方法があります。特に長期に渡って滞在するのであれば、事前に対策をしっかりしておくことをおすすめします。
しかし逆に2,3日ほどの短期間の滞在であれば、無理に対策をしない方が日本に帰国した後、時差ボケからすぐ回復できます。
時差ボケを防ぐために事前にやっておきたいこと
出発前は慌ただしく準備が難しいかもしれませんが、寝る時間を調節し睡眠時間を確保するようにしましょう。睡眠不足は時差ボケを悪化させる原因ともなります。
できれば出発の数日前ぐらいから、東回りなら早めに寝て、朝は4時か5時に起きるようにします。すこし睡眠不足に感じるかもしれませんが、飛行機で寝て、到着するときに起きるようにすれば体内リズムが合わせやすくなります。逆に西回りの場合は、寝る時間と起きる時間をだんだん遅くしていくようにします。
飛行機でできる時差ボケ対策とは
飛行機では、まず現地の時間に時計を合わせ、現地の時間に合わせて睡眠を取ることが大切です。食事も現地時間に合わせて出されるので、出されたそのときに食べることで、体を現地時間に合わせることができます。さらに体内時計のリズムを狂わせないために以下のことを心がけましょう。
・飛行機に乗る前に日差しを浴びないようにする
・アイマスクをして睡眠を促す
・耳栓をして騒音をシャットアウトする
・ブルーライトを発するスマホ、PCなどは見ないようにする
・機内での映画鑑賞はしない
・体を暖める
・機内を歩くなど体を動かす
・眠るためのアルコール、起きておくためのカフェインは控えめにし、ほかの方法と合わせておこなう
対策を取っても、現地で眠い場合は無理せず2,3時間仮眠を取るようにしましょう。ただし長く寝過ぎると逆に夜眠れず、体内時計が狂ってしまいますので、無理をしてでも起き、現地の時間に合わせて睡眠、起床すると時差ボケが解消しやすくなります。