ダイエットの運動や食事療法はたくさんありますが、何をやっても効果が得られなかった方は、基礎代謝に注目してみましょう。基礎代謝が上がると、特に激しい運動やカロリー制限をしていなくても痩せ体質に変わっていきます。基礎代謝がよくなる食べ物に注目しながら解説していきます。
そもそも「基礎代謝」って何?
人間は、運動や活動をしているときだけにエネルギーを使っているのではありません。生きていく上で内臓を動かしたり、体温調節をしたりするために、安静時にも身体はエネルギーを使っています。このように生命を維持するために使われるエネルギーのことを基礎代謝と言います。これは1日に占めるエネルギーの60~80%に当たると言われています。
基礎代謝は性別や年齢、体格、体温などによって人それぞれ異なっていて、20歳前後を境に減少していきます。男性では1日1500キロカロリー、男性より筋肉量が少ない女性は1日1200キロカロリーです。基礎代謝の中で最も高いエネルギーを使うのが筋肉なので、筋肉をつけることで代謝を上げることができます。
基礎代謝が低いとおこる症状
基礎代謝が落ちているかどうかのサインは自分でもチェックすることができます。頭痛や肩こり、腰痛がひどい、生理不順で生理痛がひどい、手や足の先がいつも冷たい、低血圧、低体温、汗をかきにくい、顔色が悪い…このような症状がある場合は基礎代謝が落ちていることを疑ってみてください。
基礎代謝が良くなる食べ物の特徴
代謝を上げるには身体を温めることが肝心です。体温が1度上がると代謝が13%ほどアップすることが分かっています。体温が低い人や冷え性の人は代謝が悪く、太っている人に多く見られます。基礎代謝を上げるために身体を温め、筋肉量を増やす食べ物を積極的に摂り入れましょう。
1.身体を温める食べ物
カプサイシン
身体を温める成分としてよく知られているのがカプサイシン。カプサイシンを多く含む食品は唐辛子やチリペッパー、ししとうなどがあります。
ショーガオール
ショーガオールは生姜に多く含まれています。料理に意識して使ったり、生姜はすって紅茶に入れるなど食べやすい工夫をして摂りいれてください。
ビタミンE
かぼちゃ、さつまいも、うなぎ、アーモンドはビタミンEが豊富な食品です。疲れを癒す効果も期待できます。
2.脂肪を燃焼させるアミノ酸
アルギニン、リジン、アラニン、プロリンは、脂肪燃焼効果が高いアミノ酸です。
アルギニン
豚肉や鶏肉、大豆など
リジン
肉や魚介類、牛乳、レバーなど。
アラニン
あさりやしじみなどの貝類、鶏肉など。
プロリン
カツオ、チーズ、ゼラチンなど
3.脂質や糖質の代謝を促すビタミンB
ビタミンB群のうちB1は糖質の代謝、B2は脂質の代謝を、そしてB6はタンパク質の代謝を上げると言われています。ビタミンB群を摂ることで、摂り過ぎると肥満につながる糖質や脂質の代謝を上げ、エネルギーに変えて消費してくれます。主な食品には青魚や豚肉、卵、レバー、納豆などが上げられます。
4.糖質・脂質・タンパク質の代謝促進にはヨウ素
ヨウ素は甲状腺ホルモンを作る元になるミネラル。ビタミンB群と同様に糖質や脂質、タンパク質の代謝を活発にしてくれます。昆布やわかめなどの海藻類や、ハマグリや牡蠣などの貝類、エビや鮭、いわしなどの魚類にも多く含まれています。
食べ物以外で基礎代謝を上げる方法
食べ物以外でも基礎代謝を上げる方法があります。食事とダブルで実践することで効果がアップします。
適度なトレーニング
おすすめはウォーキングやサイクリング、水泳などの有酸素運動。毎日続けることで少しずつ代謝がアップします。天気が悪い日には家の中でストレッチをするだけでも効果が期待できます。
入浴
入浴は身体を温めるためにとても大切です。シャワーだけで済まさず湯船に浸かるようにしてください。また半身浴や足湯も効果的ですが、上半身が冷えないよう工夫しながら行います。
身体を温める衣類
基礎代謝を上げるためには冷えは大敵です。靴下をはいたり、首にストールを巻いたり、腹巻などをして身体を冷えさせないことが大切。お腹や足元、首元を温めると身体全体が温まるのでおすすめです。
人間の身体にとって基礎代謝を上げることは痩せ体質を作るとともに、健康を維持するためにとても大切です。普段から代謝を上げる食べ物を摂り、身体を温める工夫をしながら健康的に痩せ体質を作っていきましょう。