赤ちゃんの食事は、お母さんの母乳から始まります。今一人の子の母となったあなたも、かつてはお母さんが与えてくれた栄養たっぷりの母乳で育ってきたのです。しかし、母乳育児が推奨される一方、出の悪さに悩まされるママも増えてきました。
一体何が原因で出の良し悪しは変わってきてしまうのでしょうか。今回は、お乳が出にくいと感じたら摂取すべき食べ物・飲み物について詳しくご紹介していきます。
まずは、母乳が何から作られているのか、母乳をたっぷり出すためには仕組みを知ることから始めていきましょう。
母乳は血液から作られるもの
そもそも母乳は何でできているかご存知でしょうか。その正体は、私たちの体を流れる血液です。つまり、血液量が少ないといわれる貧血の状態や、血液循環が悪い状態では母乳を作ることが難しくなってしまうのです。
血液の質
質の良い血液はサラサラなだけではなく、酸素や栄養といった必要不可欠な成分がたっぷり含まれていること。また、赤血球が十分に含まれており毒素が少量であることがポイントとなります。
この質の良さを左右するのは腸であり、腸内の環境が健やかであれば、血の質も良くなると考えられています。
血液の量
人間の体内では、血液が循環を繰り返しています。体重が60キロ程度の方であれば、約5リットルもの血液が毎日循環していることになります。そしてその循環回数が多いほど血液の量は高いといえ、健康的と考えられます。
血液から作られる母乳にとってこの差はとても大きく、出やすい人と出にくい人との違いの一つといえるでしょう。
母乳が出る食べ物
母乳の出に血液の質と量が大きく関係していることが分かりましたね。ではそれらを改善し、母乳の出をよくする食べ物をご紹介していきましょう。
鉄分が豊富なもの
鉄分が豊富な卵黄、レバー、しじみやはまぐりなどは、摂取しておきたい食材といえます。血液の量が少ない貧血の状態では、母乳はあまり作られず、出にくくなってしまいます。
野菜では小松菜や枝豆などもおすすめな食材ですが、玉子の卵黄に含まれる鉄分はとっても豊富なので、毎日の献立に加えるようにしてみましょう。
タンパク質とカルシウム
タンパク質は筋肉・臓器をつくる成分として欠かせないものですが、母乳にとっても大切な栄養素です。焼きたらこや春がつお、赤身のほんまぐろやいわしなどの魚介類が良いでしょう。
また、生ハムや鶏ささみもおすすめです。
カルシウムは血液の凝固・心機能に関わる大切な成分です。プロセスチーズやカマンベールなど、チーズからの摂取で簡単に取り入れることが出来るでしょう。
主食の炭水化物
白米は母乳の味の素となります。毎食きちんと白米を食べることで母乳に甘みが生じ、赤ちゃんが飲みやすくなるだけでなく、栄養満点な母乳を与えることが出来ますよ。
コラーゲン
産後ケアにコラーゲンの摂取を推奨している産科もあります。お手軽なのは鶏がらスープの素で作った簡単スープです。
卵やわかめなど、お好きな食材を入れるだけで簡単に作ることが出来ますし、忙しい育児の合間でも飲みやすく食べやすい一品といえます。時間がある時は、手羽元の煮込みを作りおきしておくのもおすすめです。
体を温める作用のあるもの
冷えは血液循環の妨げになります。夏場は辛いかもしれませんが、なるべく温かい食事を心掛けるようにして下さい。
根菜類や冬野菜は、体を芯からポカポカと温めてくれる作用があるため、夏野菜などの冷やす食材ではなく、温める食材を選ぶと良いでしょう。
母乳を出すためには飲み物も大事
血液が循環する回数を増やすためには、水分の摂取がカギを握っています。食事から摂る水分とは別に、最低でも2リットルは水を飲むようにしてください。
もちろん、冷たい水ではなく常温のものや、白湯にして飲むことで体を冷やさない効果も得ることができるため、工夫は必要となってきます。季節によっても飲める量には差が生じるかと思いますが、汗をかく量や運動量によっては増やしたりしながら様子を見るようにするとよいですね。
おすすめの飲み物
・ハーブティー
カフェインが配合されているものは、授乳中だけでなく妊娠中でも過度な摂取は控えるようにといわれています。そんな中でおすすめしたいのがハーブティーです。授乳中でも飲むことができるものはたくさんありますし、何より香りと風味がリラックス効果をもたらしてくれます。
お母さんの精神状態、ストレスや疲労からも血液に影響を与える恐れがあります。食事からのケアも大切ですが、飲み物で精神面を上手にサポートしてあげるのも効果的です。
・甘酒
アルコール成分が含まれていないものに限りますが、米麹から作られた甘酒で砂糖不使用のものが好ましいです。甘酒にはアミノ酸やビタミンB群が豊富に含まれ、点滴に匹敵する力があることも分かっています。
ほのかな甘みが育児の不安を解消し、気持ちを静めてくれる効果も期待できます。
ママにいいこと、子供にいいこと始めよう!
母乳の出に関係なく、食事や飲み物に気をつけることはとっても大切なことです。出産で酷使した体の回復にも関わってきますし、赤ちゃんの成長にも関係してきます。
今、母乳の出が悪いことで悩んでいるママも、これをきっかけに食事や栄養を見直してみましょう。あなたが口にしたものが子供の体を作るということをきちんと理解できれば、子供が成長し、離乳食を食べるようになった時には、その知識がきっと役立ってくれます。
ママの体の健康も子供にとって大切なこと。たまにはゆっくりと眠る時間を作らせてもらったり、悩みから少し解放される時間を作ることも必要です。出が悪いからと自分だけのせいにせず、パートナーと協力しながら子育てしていきましょう。
授乳期の栄養不足解消におすすめなレシピ動画もぜひ参考にしてみて下さいね。