ヨーグルトは安価で手に入り、手軽に乳酸菌が摂取できる食品として知られています。腸内の環境を健やかにし、便秘改善にも効果があるとして取り入れている方も多いでしょう。しかしどのヨーグルトにも同じ乳酸菌が配合されているのかというと、そうではありません。
じゃあどの商品を選べば効果的なの?と疑問に感じてしまいますね。どの製品、どのメーカーを選べば良いのかは、あなたの腸内菌と相性の良い乳酸菌を見つけることが大切です。これは、相性が合わないものを摂り続けても効能が実感できないためです。
そこで知っておきたいのがあなただけに適した乳酸菌の種類です。便秘を改善するためには、まずここから始めることがもっとも効果的といえるでしょう。今回は、本気で便秘を治したい方のために、便秘の基礎知識から乳酸菌についてまで、詳しくお話していきます。
便秘に関する基礎知識
便秘といわれる状態には、2つのポイントがあります。
・3日を超える期間便が出ていない
・1日の排便回数や排便頻度に関係なく、残便感を感じる
このどちらかに当てはまる場合は便秘の状態であるといえます。毎日きちんと排便習慣があっても、便が残っているような違和感があるのなら便秘とみて間違いないでしょう。単に便が出ないことだけではなく、便の形状や残便感によっては便秘とされるのです。
便秘の種類
便が体内で作成される過程、排便されるまでの仕組みなどに異変が生じてしまい、便がつまってしまうものを機能性便秘といいます。特に大腸に炎症などが見られず、手術経験もないという方は、基本的にこの機能性のものと考えて下さい。
一方、腸自体に何か障害が起きている場合には器質性便秘を疑う必要があります。こちらは出血を伴う場合もあるため、早急に診察を受け、原因を突き止めることが大切でしょう。
便秘が及ぼす影響
便が排出されないと、腐敗物が体内にとどまるだけでなく、吸収される恐れもあるのです。肌荒れや肌が再生する周期を狂わせる原因にもなり、深刻な肌疾患を起こす場合もあります。
便秘とはどういったもので、その種類や影響についてもお話してきましたが、乳酸菌の摂取でなぜ改善されるのか、次はその仕組みについてみていきましょう。
自分の体に合う乳酸菌を探す必要がある!
乳酸菌は、腸内で悪玉菌を減らす働きをしたり、環境を改善して善玉菌が住みよい状態を作り出してくれます。この働きによって腸内の菌バランスが整い、正常な排便習慣を作る手助けになってくれるのです。
ただ、先にもお話した通り、私たち人間の腸内バランスはひとりひとり異なっています。そして乳酸菌と呼ばれる菌はおよそ350種類存在することも分かっています。つまり、どの菌があなたに効果をもたらしてくれるのかどうかは、その中から見つけなくてはならないということです。
そんな数の中から見つけ出すなんて不可能のように感じてしまいますが、人間に役立つと注目されている菌は見つけられており、おもに市販されているヨーグルトなどにはそれらの菌が含まれています。
ガセリ
ピロリ菌の減少や動きを抑える働きを持ち、効率的な働きが注目されている菌です。胃炎などの炎症を起こさせない強い胃腸を作る働きもあり、健康効果が高いヒト乳酸菌ともいわれています。
プロバイオティクス
大腸まで行きつくことのできる乳酸菌で、この菌を主成分としたヨーグルトも販売されています。整腸作用はもちろん、アレルギーを緩和させる働きもあることから、現代人が悩まされる花粉症の辛い症状にも効果があることがわかっています。
ブルガリカス
市販されているプレーンタイプのヨーグルトにはこの乳酸菌が多く配合されており、腸のバリア機能向上効果やバランスを整えてくれることで知られています。腸自体の免疫細胞にじかに作用し、整腸作用が高いことも特徴のひとつでしょう。
自分の体に合う乳酸菌の探し方
ではこれらの乳酸菌の中から、自分に合ったものを探し出すにはどうすれば良いのでしょうか。
1.自分の体で確かめる
まずは普通にヨーグルトを購入し、食べることから始めていきます。どのヨーグルトでも問題ありませんが、同じものを食べ続けてください。そして、便にどんな変化があらわれたか、おならの回数や臭いに変化はみられるか、あなたの体でチェックするのです。
もしあなたと相性の良い菌であれば、腸内の環境は改善され、便や排便頻度、残便感がなくなるなどの変化を実感することができるでしょう。
2.摂取は食後に
せっかく乳酸菌を摂取しても、空腹の状態では胃酸によって殺菌されてしまうこともあります。食後なら胃酸に影響されることなく腸へ届けることが出来るので、必ず食事をしてから摂るようにして下さい。
また、摂取量は1日100gを目安に3食の食事の後とるようにしましょう。無糖や無脂肪のヨーグルトを選ぶようにすればカロリーも抑えることが出来ます。食べられる方は300g程度までなら1日に摂取しても問題ありませんが、一気に大量に食べるよりは、分けて食べるようにすると良いですね。
3.期間は最低でも14日間
同じ製品を食べ続け、体に起こる変化を見て探し出す必要があるため、その期間は最低でも14日以上もうけましょう。1度や2度摂取したところで、改善には至りません。人によってはその作用を実感するまでに長くかかる場合もあります。
見つけ出すためには、それなりに期間と根気が必要になるということだけは覚えておいてくださいね。
乳酸菌だけに頼らないことも大切
もう二度と便秘に悩まされたくないと願うのであれば、乳酸菌の力だけに頼るのではなく、食生活の見直しや運動不足の解消などを心がけることも必要です。
せっかく腸内菌のバランスが整っても、自分自身がそのバランスを崩すような生活をしていては、せっかく探し出した乳酸菌の働きも弱まり、妨害してしまう恐れもあります。便秘だけでなく健康においてもそうですが、食べたものから私たちの体は作られ、肌や髪、爪までもが形成されていることは知っておきたいですね。
乳酸気を見つけ出すとともに、今の生活を見直す良い機会だと考え、ぜひ14日間続けるとともに、簡単なエクササイズなども取り入れてみてはいかがでしょうか。