気がつけば脇に汗染みができていて、腕を上げたり電車のつり革を持つことをためらった、ということはないでしょうか。汗のシミだけでなく、臭いや黄色くなって白い服が台無しになってしまうこともある脇の汗を止めたいものの、デオドラント剤を使っても効果がないこともあります。
そこで今回は、脇に汗をかく原因と止める方法について詳しくご紹介します。
脇汗が増える原因は?
脇には汗腺が多く集まっているため、汗を多くかく場所です。汗をかくのは体温調節のためで、1日に脇から出る汗の量はスプーン1杯程度で、これは体全体で汗をかく量から考えて1%ほどとなっています。
ただし、それは通常の場合であり、以下のような理由でたくさんの脇汗をかくことがあります。
緊張やストレスによるもの
人前で話をするなど極度の緊張やストレスがかかる環境におかれた場合に、脇汗の量が増えます。また「脇に汗をかいてしまったらどうしよう」といったこともストレスになり、脇の汗を引き起こす原因となります。
食生活の影響
食生活や食べるものの影響によって、脇の汗が大量に出ます。
・脂肪を多く含む肉料理を食べることが多い
・香辛料を多く含む、辛い食べ物が好き
・インスタント食品を食べることが多い
・お酒やコーヒーをよく飲む
これらの食事の偏りは、体を冷やし、自律神経を乱すために大量の発汗を引き起こします。
運動不足によるもの
運動をすると、体温調節のために汗をかきますが、運動をしないでいると汗腺は休眠状態となり、汗をかく量が減ってしまいます。そのため体温調節をする際、脇でかく汗の量が増えてしまいます。
肥満によるもの
肥満となると皮下脂肪が厚くなるため、熱を発散させることができず体の内部で熱がこもり、体温が上昇してしまうことから脇や顔などから大量の汗が出てしまいます。
ホルモンバランスの乱れ
加齢や睡眠不足、ストレスからホルモンバランスが乱れると、汗の量が変化します。特に女性の場合は、更年期に大量の汗が顔や首、脇などから噴きだすことがあります。
気温の変化によるもの
夏に暑い場所からエアコンで冷えた場所に入ったり、冬に寒い場所から暖かい場所に入ったりしたときにも急激な温度変化に汗腺が反応できず、顔や脇から汗が出ます。特に冬は水分を摂ることが減ることで汗が濃くなり、服を着込むことから、蒸れて汗の臭いも強くなります。
これ以外にも、病気が原因で汗を大量にかくことがあるため汗以外にも気になる症状がある場合は、病院で診察を受ける必要があります。
多汗症のチェック方法は?
日常生活に支障が出るほど大量の汗をかく場合、多汗症の可能性があります。多汗症は原因が分からないものと、病気が原因であるものとがあり、塗り薬や内服薬で治療を行います。以下のチェックで思い当たる点が多ければ、病院での治療が必要になります。
多汗症セルフチェック
・脇の汗がひどくて人目が気になる
・脇の汗がひどく、ぴったりした服を着ることができない
・シャツを着替える必要があるほど汗をかく
・下着や白いシャツの脇の部分が黄色くなってしまう
・脇の汗が気になって仕事や勉強に集中できない
このほか、1日に何度も制汗剤やデオドラント剤を塗り直すが、改善される様子がないといった場合にも多汗症の可能性があります。
多汗症の診察や治療は、皮膚科や形成外科、麻酔科で行われていますが、すべての病院で多汗症に対応しているわけではないので、事前に診察をしてもらえるかどうか確認するようにしましょう。
脇汗を止める・抑える方法~体の外側からのケア~
多汗症ではなく、一時的に脇の汗が大量に出る場合は、自分でケアをすることで汗を止めたり抑えたりすることが可能です。
体温を下げる
汗をかくのは体温が上昇することが原因なので、リンパ節を冷やすことで上昇を抑えることができます。冷感ジェルシートや凍らせたペットボトルなどを、首の後ろや鎖骨の下、脇、膝裏や太ももの付け根に当てるようにしましょう。
反側発汗を行う
胸回りを締め付けることで、胸より上の部分からの発汗を押さえる方法です。帯やベルトを使う方法のほか、ブラジャーのホックを一つ狭めることでも効果があります。ただし大量の発汗を止めることは難しい方法です。
ミョウバン水をスプレーする
水にミョウバンを溶かして作るミョウバン水をスプレーすることで、汗を抑え、消臭することもできます。小さじ1杯のミョウバンを500mlの水に良く溶かし、スプレー容器に入れて使います。冷蔵庫で冷やすと冷感効果もありますし、服の上からでも使えます。長期保存はできませんので、1週間程度を目安に使い切るようにしましょう。
汗止めのスプレーなどの制汗剤も多くありますが、使いすぎると体調を崩すこともあります。あくまでも一時的なものと考え、適量を守るようにしましょう。
脇汗を止める・抑える方法~体の内側からのケア~
脇の汗を止めるためには、普段の生活で体の内面からケアをすることも必要です。
体の冷えを改善する
体が冷えると、汗が正常に出ないため、急激な温度変化や食事の刺激などで汗腺が多くある脇や顔から一気に汗が出ることになります。入浴するときには湯船にしっかりつかり、体を温めるようにしましょう。半身浴で発汗をうながすとさらに効果的です。
食事に注意する
肉料理や香辛料が多く使われた料理を食べることが多い場合、汗の量が増えるだけでなく臭いを強くする原因になります。肉料理や油を使った料理は控えめにし、野菜や果物を多めに摂り、タンパク質は大豆を使った食品で摂るようにしましょう。
ストレスをためないようにする
汗がまた出るかもしれない、周りの人に迷惑になっていたらどうしよう、そういった考えが自律神経を乱し、汗の量をかえって増やしてしまいます。汗を吸い取る脇用のパッドを使い、着替えるといった対応をしながら、ストレスをためないよう深呼吸をするなどして、落ち着くことが大切です。
また脇に汗をかく原因として、飲酒や喫煙、甘いものの食べ過ぎもあげられます。これらの摂取は体を冷やす元になり、脇に汗が大量に出ることにつながります。運動と食事、睡眠のバランスに注意して、脇汗を少なくする体に改善していきましょう。