ぴかぴかつるつるの肌が、実はダメージを受けてビニール肌となってしまっていることが多いことをご存じでしょうか。ビニール肌は一見綺麗に見えますが、肌トラブルのサインです。肌が敏感になり、痛みや炎症を伴って悪化します。毎日のケアが招いてしまうビニール肌の原因と改善方法について、みていきましょう。
「ビニール肌」ってどんな状態?
ビニール肌とは、ビニールのように皮膚が薄くなっている状態のことをいいます。その特徴として、次のような肌の状態があげられます。
ビニール肌に見られる状態
・肌の表面がつるつるで光っている
・きめがない
・洗顔した後の顔を鏡で見るとテカっている
・肌が赤みがかっている、また所々赤い
・化粧水などがしみる
・顔を洗うと肌がつっぱる
・触るとピリピリする
本当に綺麗な肌であれば、きめが細かくツヤもあるのですが、ビニール肌の場合は乾燥している部分や皮脂が多い部分があり、小じわが多いといった特徴もあります。ビニール肌は、一見つやつやに見えますが、実際には肌が不健康な状態にあるのです。
ビニール肌の原因
ビニール肌は、肌の角質層がはがれ落ちて薄い状態です。そうなってしまう原因には、以下のことが考えられます。
間違ったスキンケア
スクラブやピーリング剤は、角質を取る働きがあります。ただし過剰におこなってしまうと肌にとって必要な角質までもがはがれ、取り除かれてしまいます。毛穴パックも肌に負担をかけるため、肌の正常なターンオーバーを乱してしまい、乾燥や過剰な皮脂の分泌を招きます。
さらにウォータープルーフなど、専用のクレンジングが必要な化粧をしている場合、クレンジングで必要な油分が取れてしまうことも、肌の刺激になります。
肌への刺激
熱いお湯での洗顔、洗顔を1日に何度もする、またタオルで水気を取る際に、こすって拭くといったことも肌の刺激につながります。肌の表面を守る角質層が、これらの刺激によって剥ぎ取られ、ターンオーバーの正常な周期を狂わせてしまいます。
過剰なケア
化粧水や美容液をコットンに含ませ、肌を叩いてつける方法や、色々な化粧品を使うことも、肌に負担をかけてしまいます。
外部の影響
睡眠不足やストレス、紫外線の刺激やエアコンの乾燥といった外部からの肌への刺激も、ターンオーバーを乱し、ビニール肌につながります。
特に角質が気になる10代や20代は、皮脂の分泌が多く、角質ケアを繰り返しおこないがちで、それもビニール肌になる原因につながります。
カミソリでムダ毛の処理をすることの多い足も、服の摩擦などで刺激を受けやすく、ビニール肌になることがあります。ビニール肌は顔だけでなく、全身に起きる可能性があり、肌へのダメージがいつの間にか蓄積している可能性があるのです。
ビニール肌が肌に与える影響
ビニール肌を放置していると、肌に様々な悪影響を及ぼします。
ニキビが多くなる
ターンオーバーが乱れ、角質がしっかり育たない未熟な角質層が積み重なると、不要な角質をはがすための分解酵素がしっかり分泌されず、皮脂が肌に溜まってしまって毛穴を塞ぎ、ニキビを増やしてしまいます。ニキビを改善するために、角質を落とすケアが過剰だと、かえってニキビを増やしてしまうのです。
肌が乾燥する
肌の角質層が薄いため、水分が保持できずに乾燥しやすくなります。その結果すぐに皮がむけ、化粧水で痛みを感じるだけでなく、ファンデーションがうまくのらなくなります。
肌のかゆみが起きる
角質が薄いため、炎症が起きやすく、雑菌の繁殖がしやすい環境になってしまいます。かゆみだけでなく肌の痛みが頻繁に起きるようになります。
ビニール肌を放置していると、しわの原因になるだけでなく、肌のごわつきやくすみがひどくなり、毛穴もきちんと塞がらないので、肌表面が荒れてしまうことにもつながってしまいます。
ビニール肌の改善法
このような肌環境が悪化した状態であるビニール肌を改善するためには、いくつかの方法があります。
1.角質ケアをやめる
肌の刺激となっている角質ケアを、肌が回復するまでしないようにしましょう。肌のターンオーバーが正常に戻るまでは、3ヶ月ぐらいはかかると考えておきましょう。
2.正しい手順で洗顔をおこなう
肌の手入れをしすぎるのがビニール肌の原因ですが、何も手入れをしないとホコリや皮脂汚れが溜まりますので、正しい方法で洗顔をおこないましょう。洗顔料は刺激の少ない物を選ぶようにし、しっかり泡立てます。ぬるま湯を使い、拭くときにはタオルで肌をおさえるようにします。
3.保湿クリームを使う
ビニール肌は乾燥がひどい状態なので、化粧水に加え、保湿クリームで肌表面を覆い、刺激を防ぐようにします。
4.保湿成分が含まれたスキンケア化粧品を使う
保湿成分が配合された化粧水や美容液を使いましょう。ヒアルロン酸などが配合された物で、低刺激で無香料の物を選ぶようにします。
5.メイクは薄くする
メイクが厚いと、それを落とすためのクレンジングも、刺激の強い物が必要となります。肌が改善するまでは、メイクは薄くすることが必要です。
6.腸内環境を改善する
便秘気味だと、新陳代謝が低下して、肌のターンオーバーを招きます。普段の食事を見直し、腸内環境を改善する食事を取り入れましょう。納豆やヨーグルトなどに加え、食物繊維やビタミンが豊富な野菜を積極的に食べるようにし、油の多い食事や肉料理は控えめにしましょう。
7.肌ストレスを解消する
寝不足を改善し、ストレスを発散すると共に、エアコンなどの乾燥から肌を守るようにしましょう。さらに運動の習慣を取り入れ、しっかり汗をかくことも、新陳代謝を促進させることになるので、肌の改善につながります。
肌の元々ある回復する力を取り戻して、ビニール肌ではなく内側からツヤのある肌に改善することが必要です。