普通に話をしていても何度も聞き返さないといけない、小さな声の人がいます。反対に、はきはきと大きな声で話す人もいます。
どちらも個性なので一概に『良い』『悪い』の判断はできませんが、社会生活の中では大きな声を出す人の方が能力が高く評価される傾向があります。逆を言えば声の小さい人は声を大きくする少しの努力をするだけで、社会的な評価を上げることができるのです。
今回は声を大きくしたいと願う「声の小さい人」に、声が小さくなる原因と声を大きくするための方法をご紹介します。
声が小さくなる原因・心理
声が小さくなる心理的な原因の根本は、マイナス思考にあります。
例えば「相手に嫌われたくない」「相手に怒られたくない」という恐怖の気持ちから、大きな声が出にくくなるのです。相手の反応を過剰に気にすることで気持ちが委縮してしまうためです。
また「恥をかきたくない」という自信のなさや、「こんなことを言うとどう思われるか」といった取り越し苦労、「以前こんなことを言ったらひどい目に合った」というトラウマなども、声を小さくしてしまう心理的原因となります。
他の物理的原因としては、肺活量の少なさがあげられます。普段から呼吸が浅いと呼吸筋が弱くなり、それにより肺活量が低下します。少量の息しか吐けないため声が小さくなるのです。
声が小さい人の特徴・性格
声が小さい人の特徴でよくみられるのが、消極的性です。
わかりやすいのが姿勢です。胸を張って堂々としている積極的な人は腹からのどにかけて真直ぐ息が通るため、声の小さい人が少ないです。反対に消極的な人は猫背であったりうつむき加減の人が多く、背中が曲がっているために喉が詰まる姿勢になり、息が細く声が出にくいです。声は腹からのどにかけて真直ぐでないと音がこもり、聞き取りも難しくなってしまいます。
また消極的な性格の人は口の開きが小さい場合も多く、これも声を大きく出せない原因になります。この話し方でも声が口の中でこもるので、聞き取りにくさも加わるのです。
声が大きくなるとこんなに良いことが
声を大きくしたい場合、これまで説明した原因や特徴を克服する必要があります。まずは声が大きくなることのメリットを知り、ポジティブななりたい自分のイメージを明確にしましょう。
実験でわかった、声の大きさによるイメージの違い
心理学者Y・ローズは、声の大きさで相手に与えるイメージが違うことを実験で示しています。
実験でわかったことが、声の小さい人は(68デシベル以下)相手に「臆病」なイメージを与え、声が少し大きめの人は(76~85デシベル)相手に「前向き」なイメージを与え、声が大きすぎる人は(86デシベル以上)相手に「攻撃的過ぎ」なイメージを与えるというものです。
TPOを考えない大きな声を出す必要はありませんが、やはり声が適度に大きければ相手にプラスのイメージを与えるようです。
コミュニケーション能力が高い
挨拶の場面で相手にきちんと伝わるような適度に大きな声で話すことで、相手への信用度が上がります。特にビジネスシーンなどの、相手とのコミュニケーションを構築する場面では、声の大きさは極めて重要です。
また企業のトップや政治家には声が大きい人が多いです。適度に大きな声は相手を信用させやすい側面も持っているのです。
声を大きくする方法
相手の信用を得て良いコミュニケーションを構築するためにも、大きな声で話せる方法を実践しましょう。ここでは心理的に克服する方法ではなく、わかりやすい物理的な実践法をご紹介します。
背筋を伸ばして胸を張る・腹式呼吸
背筋を伸ばすことでおなかから声を出せるようになります。背筋を伸ばすとは、背中を真直ぐにするのではなく、まず腹筋に軽く力を入れて骨盤を立て、胸を数センチメートル上に引き上げて、顎を斜め上後ろに押すようにます。この姿勢で鼻から息を吸いながらおなかを膨らませ、口から息を吐きながらおなかをへこませると、しっかり吸って吐く腹式呼吸で呼吸筋が鍛えられ、大きな声が自然と出せる様になるのです。
また背筋を伸ばす姿勢は、心の面にも変化を与えます。例えば胸を張って弱気な小さな声を出す、また猫背で自信のある大きな声を出す人はあまりいません。背筋を伸ばした姿勢では自然と自信がわき、それに伴って大きな声が出しやすくなります。
口を大きく開ける
口を大きく開けて話すことを心がけるだけで、大きな声が出しやすくなります。また口を大きく開けてはっきり話すことで聞き返されることも減るため、気持ち的にも堂々とできるようになります。とても簡単な事なので、実践しやすいですね。
カラオケで大きな声で歌う
大きな声で歌うことは、大きな声を出すための肺活量の強化につながります。複数人でカラオケに行くと人前で歌うことで自信がつくという効果もありますが、抵抗のある人は一人カラオケから始めることをお勧めします。
適度に大きな声で話すと、人からの信用を得たりコミュニケーションが円滑になるなどメリットが多いです。声の小さい人は自分の消極性を否定するのではなく、背筋を伸ばすなど行動を変えながら前向きに大きな声が出せるよう取り組んでください。