肩こりって、辛いですよね。まれに肩こりの自覚症状を感じないという方がいらっしゃいますが、肩こりを感じずに過ごせるなんて幸せなことだと、心底うらやましくなります。
肩こりはマッサージ屋さんなどで念入りにケアしてもらうと一時的には解消しますが、数日経てばまたすぐに症状を感じるようになってきてしまいますし、何より費用面も気になって、いつもマッサージ屋さんに駆け込むというわけにもいきませんよね。
ご自身でケアできれば、もう少し肩こりと上手に付き合えますので、日頃から手軽にできるセルフマッサージの方法をご紹介したいと思います。
肩こりの原因は?
肩こりは肩まわりの筋肉が硬くなって痛みやだるさを感じたり、筋肉にある血管や神経が圧迫されていたりするような状態のこと。肩こりだと思っていても、不具合は肩だけにとどまらず首や背中側の肩甲骨まわりの筋肉にまで及んでいる場合もあります。このような状態になる原因は一つではありません。
筋肉が疲労している
運動不足や日常生活の影響によって、全身の筋肉のうち、いくつかの筋肉だけを偏って使うことで筋肉が疲れてしまって肩こりとして現れたというパターン。肩こりで多く見られる原因です。
心のストレス
日々の生活で感じているストレスが精神的な緊張状態を作ってしまい、結果的に肩こりとして現れるパターン。
眼の疲れが影響
長時間のパソコン作業や眼鏡などの視力矯正がうまくいっておらず眼が疲れ、その影響で無理な姿勢などを取ることで肩まわりの筋肉がこるパターン。
病気が関係していることも
頭痛と肩こりをセットで感じる方も多くいらっしゃいます。また頸椎変形やヘルニア、ホルモンバランスの乱れ、結石などを原因に肩こりとなって現れる場合もあります。
気をつけたいのは、いつもより頭痛が激しく伴うパターン。めまいなどが伴う場合もあるでしょう。このような症状は、ひどい場合には脳梗塞の危険性もありますから、あまり楽観視せずきちんとお医者様に相談しましょう。いつもよりもひどい頭痛を感じているのに自己判断でセルフマッサージをしてしまうのは、大変危険です。
肩こりを和らげるマッサージのやり方
ご自身でできるマッサージの方法をご紹介します。自分の身体の痛みを探りながら、じんわり温かさが浸透するように、ゆっくりと行ってください。以下の工程をだいたい5分くらいかけて行うイメージです。首を動かすところなどは、コキコキと激しく動かすのではなく、ゆっくりと傾けていくようにしましょう。
- 手をこすりあわせて温める。
- 首の付け根に手を当てて、深呼吸しながら手前に手を引きながら伸ばす。背骨の横の筋肉を左右に広げていくイメージ。この動作を繰り返しながら、少しずつ手は肩から首の方へ上がっていき、耳のところに来るまで繰り返す。
- 背骨の延長にある首の後ろのくぼみを5回くらい押す。その後、頭の付け根を通って下に手を降ろしてきて、両手それぞれ小さな円を描くようにマッサージ。
- 手を首の後ろで組んで、親指は首の横に置き、手の重みを感じながらゆっくりあごを引いていく。深呼吸しながら手で押し、あごを胸に近づけていくように行う。
- 右手を左の首の付け根に置き、自分で硬いと思うところを押しながら、首を右にゆっくり倒す。耳を肩につけるイメージでいったん左に傾けたあと、ゆっくり右へ倒していくように行う。数回繰り返したら、左手を右肩に置いて同様に行う。
- 再び3の動作を繰り返す
- 二本の指で耳のまわりをこする。最後は指を前に送り、こりを流すイメージ。
- 左回り、右回りと首をゆっくり回して、セルフマッサージ終了。
マッサージの効果を上げる方法
セルフマッサージを行う場合には、より効果が得られるように気をつけて行いたいですよね。
姿勢を意識する
肩こりの原因が猫背にある場合も。日頃から姿勢を意識することはもちろん、セルフマッサージの時にも、良い姿勢で行いましょう。椅子に座ってマッサージをする場合には背もたれから少し離れたところで腰かけ、骨盤を立てて胸を張っているような姿勢をとります。身体が前に倒れていないかを気をつけながらマッサージをしていきましょう。
オイルやローションを使う
首や肩まわりをスムーズに流れるようにマッサージしたいのであれば、マッサージオイルやローションを使うのも良いでしょう。滑りが良くなりますし、お気に入りの香りのものを選べばリラックス効果も期待できますね。保湿効果のあるものを使えば、マッサージで血行が良くなるので、肌がしっとりなめらかになります。
温めてから行う
セルフマッサージの方法では、手をこすり合わせて温かくするようにご紹介しましたが、事前に首まわりを温めてからマッサージをするのも良いでしょう。蒸しタオルなどを巻くだけでも簡単にできますし、電子レンジで温めるタイプのグッズもあります。
マッサージ以外でできることは?
日頃から温める
血行を良くすることでコリがほぐれる効果が期待できるため、むち打ちのように主たる強い痛みなどを持たない場合には、温めることは有効です。温め方はカイロや蒸しタオルなどを載せる方法や入浴時に湯船にしっかり浸かるというのも効果的です。またショウガのように、身体を温めてくれる食べ物を取り入れると、内側からぽかぽかしてきます。
日頃から運動不足に注意
肩まわりの筋肉が緊張状態なのは、重い頭を支えているのに首・肩まわりの筋肉が頼りなく、支えきれていないことも考えられます。筋トレではなく、日頃からいろいろな筋肉がスムーズに動くようなストレッチを取り入れてください。「普段あまり動かせていないな」と感じる部分が動くようなストレッチを取り入れるのがポイントです。
食事の見直し
肩こりは血行不良とのかかわりが深いため、日頃のお食事の見直しによって血行改善を試みてはいかがでしょうか。
血行の改善が期待できるのがビタミンE。植物性食品に多く含まれている、脂溶性ビタミンの一種です。ナッツ類などを間食に取り入れるとビタミンEが補強しやすいでしょう。
造血効果のあるビタミンをしっかりとって、血流改善を目指すのも良いでしょう。ビタミンB12や葉酸には造血作用があります。ビタミンB12は魚介類など動物性食品に豊富に含まれますが、植物性食品にはあまり含まれていませんので食材の組合せを工夫しましょう。葉酸は葉物野菜などからの摂取ができます。
造血作用といえば、忘れてはならないのが鉄分ですよね。レバーや赤身のお魚などから摂取しましょう。そして銅を一緒に摂るとさらに造血には効率的に働きますので、銅を含むゴマなどをトッピングに活用していきましょう。
マッサージ器の活用
手軽なマッサージ器などを利用する方法もあります。セルフマッサージでは左右の力の入り方が違ってしまうとか、自分ではどのくらいの強さでマッサージしたら良いのか加減がつかめない方は、マッサージ器を併用すると楽に行えるでしょう。
マッサージ器は自分で試してみて気持ちが良いと感じたものを自由に選んで良いと思いますが、肩こりのマッサージはただ強い力でグイグイ押せば良いということでもありませんし、首まわりなどは血管や神経も多くデリケートな部位なので、じんわりほぐしてくれるようなものを選ぶと良いでしょう。
まとめ
肩こりの予防改善には、対処療法と予防の両面から対策を行う必要があります。今とりあえず辛い肩こりにはセルフマッサージでケアをして、今後も肩が凝りにくい体質になれるように、食事や入浴など生活習慣の見直しも、ぜひ行ってみてください。普段の姿勢にこそ、注意してくださいね。