妊娠中はカフェインを控えるように言われるのが一般的ですが、コーヒーや紅茶が大好きな方にとって、カフェインを控えた生活をすることは結構辛く、ストレスになりがちです。ですが妊娠初期のカフェイン摂取は気をつけなければ、大切なお腹の赤ちゃんや妊婦さんとって悪い影響が出ることがあります。今回は、妊娠初期でカフェイン摂取することで、赤ちゃんにどんな悪影響があるのかをご紹介します。
カフェインを控える理由
そもそもカフェインとはどういうものかご存知でしょうか。実は「アルカロイド」という化合物なんです。
カフェインには解熱作用や鎮静作用、覚醒作用などがありますから、眠気を覚ましたり、疲れを取り除いたりする働きがあります。ですが大量に摂取してしまうと頻脈や興奮状態になったりすることがあります。
妊娠初期に妊婦さんが飲めるコーヒーの量に関する目安が日本にはありませんが、WHOだと1日コーヒーカップ3杯～4杯、イギリスだと一日200mg、アメリカだと一日300mgまでであれば、問題はないとされています。ですから、一日コップ一杯程度であれば、特に問題ありません。
妊娠中のカフェインは悪影響ばかりが言われていますが、少量であれば集中力をアップさせたり、リラックス効果を得ることができます。極端にカフェインを制限してストレスを感じてしまうようであれば、お腹の赤ちゃんにもよくありません。コップ一杯のカフェインの含有量はコーヒーよりもティーバックの紅茶の方が少ないので、カフェインが気になるなら紅茶に切り替えるのもおすすめです。
カフェインが含まれているもの
カフェインといえば、コーヒーや紅茶を思い浮かべる方も多いですが、実はそれ以外の食品にもカフェインが含まれているものがあります。妊娠初期にいくらコーヒーや紅茶を控えても、他の食品で過剰にカフェインを摂取していてはいけませんね。
コーヒーや紅茶以外では、コーラ、ココア、玉露、煎茶、烏龍茶、チョコレートにもカフェインが含まれています。特にチョコレートは、100gあたり61mgもカフェインが含まれていて、この含有量はレギュラーコーヒーとほぼ同量（100mlあたり60mg）ですから、控えるようにしたいですね。
赤ちゃんへの影響
妊娠初期にカフェインを摂取することで、流産や早産、死産のリスクが高まります。
原因としては、カフェイン摂取によって胎盤への血流が減ってしまうからです。また、カフェインは胎盤を通過して赤ちゃんに移行します。大人なら肝臓で処理できますが、肝機能が未熟な赤ちゃんは体内からカフェインを排出するのにとても時間がかかり負担がかかってしまいます。ですから発育に影響を与えてしまい、無事生まれてきても低体重の可能性があります。
また赤ちゃんだけでなく、妊婦さんもカフェインを大量に摂取することで、骨粗鬆症のリスクが高まりますから、赤ちゃんのためにも妊婦さんのためにも、妊娠中のカフェイン摂取は控えるべきでしょう。
驚くことにカフェインは母乳にも移行します。生まれたばかりの赤ちゃんはもちろんのこと、母乳を飲むくらいの赤ちゃんはカフェインに対する感受性も高いので、授乳中のカフェインにも十分な注意が必要です。
ノンカフェインでも気をつけたい飲み物
ノンカフェインだからといって、どんな飲み物でも安心して飲めるわけではありません。かと言ってあまり神経質になってしまうと赤ちゃんにも妊婦さんにも良い影響を与えませんが、飲む量には十分注意が必要です。
フルーツジュースや炭酸飲料は糖分やカロリーが高いので、飲み過ぎは避けたほうが良いでしょう。炭酸飲料はカルシウムの吸収を妨げてしまいますので、たまに飲む程度なら問題はありませんが、毎日飲むことは避けたほうが良いですね。
ハーブティも妊娠中に飲んで良いものと悪いものがありますから、注意が必要です。
妊娠中に避けるべきハーブティは、セージ、ジャスミン、レモングラスです。これらのハーブには、子宮を収縮させる作用があるからです。妊娠前には好んで飲んでいたとい方も、出産までは控えるようにしましょう。
ノンカフェインを楽しもう
赤ちゃんにも妊婦さんにも悪影響を与えてしまうカフェインは、妊娠が分かったと同時に控えるようにしたいものですね。授乳が終われば自由にコーヒーや紅茶を楽しむことができますから、妊娠中や授乳中はノンカフェインライフを楽しんでみませんか。
コーヒーが好きな方なら、たんぽぽコーヒーなど自然の味が楽しめる飲み物もおすすめですが、最近ではスーパーやネットで簡単にノンカフェインのインスタントコーヒーを購入することができます。ノンカフェインのインスタントコーヒーも味は普通のコーヒーとあまり変わりがありませんから、いろんなメーカーのノンカフェインコーヒーを味わってみるのも良いですね。
他にもルイボスティーはミネラルが豊富でクセがないので飲みやすいですし、流行りのデトックスウォーターやゆず茶、ローズヒップティーなどは香りが良いのでつわりの辛い時期にもおすすめです。
