食後に胃周辺がムカムカして気分が悪くなるという症状をお持ちの方必見です。胸焼けの原因と効果的な対処法をご紹介いたします。
胸焼けが起こる原因
胸焼けの原因として考えられる病気は胃食道逆流症(GERD)です。逆流性食道炎や胃腸炎という名前を耳にしたことがある方もおられるかと思います。これは口から入った食べ物の内容物や胃液などが腸に送られず食道に逆流してしまう病気です。ムカムカ感だけでなくゲップを伴うこともあります。
また、胃食道逆流症は身体的及び精神的なストレスなどの疲れによって誘発されると考えられています。実際に胃の中でどのような異常が起こっているのかを確認しましょう。
1. 胃酸過多
食べ物を消化する際、胃の中では胃酸が分泌されます。しかし、胃酸が必要以上に出てしまうとゲップなどを伴う食道への逆流が起こってしまいます。特に消化に時間を要するお肉や油ものを多く食べる方は脂肪摂取が増えてしまうので胃酸の過剰分泌が見られます。
2. 食道の知覚過敏
食道が胃酸に対して過剰に反応する知覚過敏を起こしているケースがあります。胃酸などによる胃の粘膜に障害などは認められないものの、胸焼けの症状を訴えており、食道に対して過敏に反応している可能性が高くなります。
3. 下部食道括約筋の機能低下
食道と胃の間にある下部食道括約筋の機能低下が原因になるケースもあります。下部食道括約筋は、胃の内容物が逆流しないように防ぐ働きを持っています。この筋肉はゲップが出る時にのみ開きますが、機能低下で緩んでしまうと逆流を誘発するのです。
上記でご紹介したような胃における異常を引き起こす生活習慣には、主に4つの理由があり、暴飲暴食で食べ過ぎなどによるもの、ストレスによるもの、薬の成分が胃酸を誘発するもの、肥満や妊娠が原因で胃酸が逆流するケースがあります。
牛乳を飲むと効果的
胸焼けがあると、食欲が低下したり体のだるさなどの様々な不調を引き起こしてしまいます。しかし胸焼けをかかえながらも、お仕事をしたり、家事をしたり、お子さんの世話もしないといけません。そこで応急処置としておすすめなのが「牛乳」を飲む方法です。より効果を出す為の飲み方をご紹介します。
まず牛乳が胸焼けに効果を表すメカニズムを簡単に確認しておきましょう。牛乳は膜を作る働きを持っています。つまり胃の粘膜に膜をはることで、胃酸が食道に与える負担を軽くすることができます。
ただ、冷蔵庫から出したばかりの冷たい牛乳は避けましょう。冷たさが食道や胃を刺激してしまう為です。ベストなのは、人肌程度に温めた牛乳を飲むことです。ただし、牛乳を飲むとお腹を壊してしまう方や、お腹が弱い方は下痢などをすることがありますのでこの方法はお勧めできません。
別の飲み物で胸焼け防止をしたい方は、同じ乳製品である飲むヨーグルトがいいでしょう。常温に戻しておいたものを飲んで下さいね。
お茶やコーヒーなどカフェインを含んでいるものは、胃酸の分泌を促進してしまうので逆効果です。
ツボを刺激して胸焼けを抑える
次に胸焼けを抑える効果があるツボをご紹介しますね。
まず1つ目は中脘(ちゅうかん)というツボです。おへその真ん中から指の幅で4本分程度上にあります。胃の不快感を抑えることでも有名です。ツボに左右の中指を重ねて息をゆっくりと吐きながら押していきます。気持ちいいと感じる程度の強さで2~3分程度行うのがポイントです。
2つ目のツボは胃腸点(いちょうてん)です。手にあるツボで手のひら中央部から約2センチ程度下の位置です。ムカムカ感を抑えるツボで、割と強めに刺激を与えるといいでしょう。
3つ目のツボは内観(ないかん)と呼ばれ、手首側から肘に向けて指3本程度下に位置します。食道に起きている炎症を抑えてくれ、つわりにも効果があるツボです。7秒程度強めに押してくださいね。
胸やけ時の注意点
最後に、胸やけがあるときに悪化させない為にも注意したいことをご紹介しますね。
1. 姿勢を正す
食道と胃の位置関係を逆にしてしまう、前かがみの姿勢を避けましょう。特に、ネットサーフィンをしていたりテレビを見ているときに、前かがみになっていると自ら胸やけを促進しているようなものです。また、家事などでも前かがみの姿勢が続く際は、途中で背中をのばすなどして食道と胃の関係を正常に戻してあげてくださいね。
2. お腹の圧迫を避ける
お腹が圧迫されることでその中にある胃も圧迫を受けてしまいます。そして胃液の逆流を生んでしまいます。またベルトやコルセットなどを巻いている方は食後は緩めてあげましょう。
3. 横になるとき注意したい事
寝転ぶと胃と食道の位置関係が同じになります。その為、胃の逆流が起きやすいのです。そこで、食後すぐは横にならないようにしてください。
また睡眠時にも上体を少し高くして眠るのがお勧めです。目安としては15~20センチ程度高めがいいでしょう。首だけでなく上半身全体を傾斜させるのがポイントですよ。
胸やけの緊急対策としての回避法をご紹介しました。ただし、あまり胸やけが続くときは一度医療機関の受診も考えた方がいいですよ。