たくさんあるダイエット方法の中でも、糖質カットダイエットが一時期ブームとなりました。ですが、糖質をカットしすぎるのは、健康上よくありません。敬遠されがちな糖質ですが、摂り方に少し気をつけるだけでダイエットの味方となります。
糖質にはどんな役割があるのか、1日にどれくらい摂るのがいいのかをご紹介いたします。また、ダイエットの味方となる糖質の摂り方のポイントも併せてご紹介いたします。
糖質の役割って何?
糖質は、人間が生きていく為に必要な3大栄養素の中の一つです。糖質はさらに
・単糖類(グルコース・フルクトースなど)
・二糖類(ショ糖・乳糖・麦芽糖など)
・多糖類(デンプン・グリコーゲンなど
の3つの種類に大きく分類されます。
糖質は人間の体の中に入って消化吸収、分解され、最後はブドウ糖となって血液の中へ出ていきます。脳や筋肉、神経系などのエネルギー源となります。糖質は消化が早いので、即効性があることでも知られています。
さらに、筋肉を使う運動や体温調整など、身体を構成してくれる働きも担っています。
「糖質=太る」確かに過剰摂取はよくありませんが、カットしすぎることが危険であるということは、これらの役割からも想像できます。
糖質の1日の摂取量はどのくらい?
糖質の1日の摂取量は、1日に必要なエネルギー摂取量の約50~65%になります。1日の推奨エネルギー摂取量は男女によって違いますので、当然、糖質の量も違ってきます。
まずは女性を例にして考えてみましょう。
30~40代の女性で、主にデスクワークをされている方なら、1日のエネルギーが1750kcal必要となります。これの60%として計算すると、1日の糖質の量は、1050kcalとなります。砂糖1gが約4kcalとなるので、計算すると262.5となります。ですから、約260g程度が1日に必要な摂取量となります。
同じような年代で同じような仕事をしている男性の場合、1日に必要なエネルギーは2300kcalなので、その60%ですから1380kcalとなります。ここから糖質を計算すると、1日の摂取量は、345gということになります。
数字で表してもピンとこない方も多いかもしれません。わかりやすい例をあげると、ご飯(白米)1杯=約150gの中の糖質は、約55gになっています。ご飯だけで考えると、女性なら約4杯程度、男性なら約6杯程度になります。
糖質制限をされていない、健康な状態の男女の場合の1日の摂取量です。だいたいの目安として知っておいてください。
太りにくい糖質の摂り方のポイント
糖質は過剰摂取すると肥満の原因となります。食後の血糖値をあげない為に、糖の吸収を緩やかにすることが大切です。そうする為には、糖質の摂り方のポイントがあります。
まず基本の1日3食は規則正しく摂るようにしてください。これは絶対です。よく朝食抜きという方がいます。ですが、お腹が空いた時間が長時間になると、次の食事で糖が体に摂り込まれやすい状態となり、早食いや大食いの原因となってしまいます。
次に大切なのは、食事の食べる順序です。野菜を先に食べるといいと聞いたことがありませんか?これは、食物繊維を多く含む野菜を先に食べると、腸内は食物繊維でいっぱいになります。そのあとに入ってくるたんぱく質や炭水化物などの吸収を穏やかにすることができます。
また、野菜を先に食べると、ある程度満腹感が得られるので、食事の量を自然と控えることもできるようになります。
食べ方の他にも、調味料を工夫することで、糖の吸収を穏やかにする事もできます。お酢には、クエン酸が含まれており、糖の吸収を和らげてくれます。また、オリーブオイルには、血糖値をコントロールしてくれるホルモンを出してくれる働きがあります。
油はオリーブオイルに替えて、調味料でお酢などを使うようにするだけでも、糖の吸収を緩やかにすることができるのです。
太りにくい糖質の摂り方のポイントをまとめると
・ゆっくりとよく噛んで食べる(早食いはNG)
・食べ過ぎない(大食いNG)
・まず食事は食物繊維が豊富なものから食べる(野菜など)
・食後のデザートはなるべく控える
・油はオリーブオイルを使い調味料として酢を使用するようにする
・食事と食事の間は2~3時間以上あける(あけすぎるのもNG)
ということになります。
糖質が不足するとどうなるのか?
糖質は私たち人間が生きていく上で必要な栄養素です。それをカットしすぎて、体内の糖質が急激に不足するとどうなるのかをご紹介いたします。
リバウンドしやすくなる
糖質カットで炭水化物をぬいてしまうと、筋肉量が減り、代謝も悪くなり、脂肪が燃えにくくなります。せっかくダイエットしているのに、どんどん痩せにくい体質になっていってしまいます。
イライラ
糖質制限ダイエットをしている方に良く見られる症状の一つです。糖質が急激に不足すると、血糖値を上げないといけなくなります。体内では、アドレナリンやノルアドレナリンなどが分泌され、イライラすることが多くなります。
体の様々な不調
頭痛や冷え、便秘や倦怠感など、体に様々な不調が出始めます。女性の方の場合、無月経などになってしまうケースもあります。
頭が働かない
糖は、体内で最終的にブドウ糖に分解されます。ブドウ糖は脳のエネルギー源です。糖質制限をしてもいきなりブドウ糖が不足するということはありません。肝臓に蓄えられているグリコーゲンをブドウ糖に変換して、糖不足を補いますが、それもずっと続けられるわけではありません。それもなくなってしまうとエネルギーは不足し、脳が働かなくなってしまいます。
体臭や口臭
糖質が不足すると、体の中の脂肪を分解して、ケトン体がつくられてしまいます。この物質が体臭や口臭の原因となってしまいます。
悪玉コレステロールが増える
血液中の糖質不足によって、脂肪を分解するのに必要な、悪玉コレステロールが作られてしまいます。これがどんどん増えてしまうことによって、脂質異常症や、動脈硬化などを引き起こしてしまいます。
このように、ダイエットの為とはいえ、極端な糖質制限をすると、身体に様々な不調が現れてきてしまいます。
今回ご紹介した、太らない糖質の摂り方のポイントを参考にしていただいて、ダイエット中でも、上手に糖質も摂取するよう心がけて下さい。