やつれて見られて損!「顔のくすみ」を取るマッサージのやり方

鏡を見て、顔色が悪い、また疲れて見えたことはないでしょうか。顔のくすみは、顔色を悪く見せるだけでなく、やつれた顔にもなってしまうため、年齢以上に見られがちです。そんなくすみを隠そうと化粧をすると、厚塗りになり、逆効果になりかねません。そこでくすみを根本的に解決するために、おすすめしたいマッサージをご紹介します。

こちらの記事のポイント

  • くすみとターンオーバーの関係
  • くすみの5つの原因とは
  • くすみを取るマッサージ方法
  • くすみを隠す方法
  • くすみを予防する方法

くすみとターンオーバーの関係

くすみとは

肌がくすんでいる状態というのは、肌の透明感や明るさがなく、肌が暗く見えているようなことを指します。

顔の肌がくすんでいれば肌の柔らかさも損なわれていますので、顔色は冴えずに疲れていたり不健康だったりする様子に見えますし、肌のごわつきが表情を硬く見せてしまうので、かなり印象が悪くなります。

実年齢より老けて見えたり、不機嫌に見えたりと良いことはありませんよね。やはり避けて通りたい状態だと言えます。

ターンオーバーとは

健康的に維持されている肌ではターンオーバーが正常に働いていることで、このようなくすみに悩まされないはずなのです。

肌のターンオーバーとは、「入れ替わる」という意味で、お肌で考えれば表皮の生まれ変わりのことを指します。

私たちのお肌は基底層というところで表皮細胞が生まれ、これがどんどん表皮に近い部分へ押し上げられていきます。表面に一番近い部分が角質層で、基底層から角化しながら角質層に押し上げられていった表皮細胞は、やがて垢となります。

この一連の流れがターンオーバーで、通常28日くらいのペースで表皮細胞は常に入れ替わっていくというのが、健康的な肌の姿です。

肌にとって大切なターンオーバー。正常に働くことでたとえ肌がダメージを受けても再生していくことができます。

しかしこの周期は、加齢とともに速度が落ちます。40代になると40日ほどかかるようになってくるとされています。

すると肌はシミができやすくなったり、角質層が厚くなったり、傷が治りにくくなったりという変化を感じやすい状態になります。これにより肌のくすみが生じるのです。

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顔のくすみの5つの原因

くすみとは、肌の透明感や明るさ、そして柔らかさが失われた状態です。くすんだ顔色は化粧品でもカバーするのが難しいばかりか、逆効果にもなってしまいます。くすみを解決するためには、まずその原因を取り除くことが必要なのです。

1.角質によるくすみ

肌は通常、ターンオーバーにより古い角質がはがれ落ちていきます。しかしこの肌の再生が上手くいかないと、角質がはがれず、肌の表面にこびりつき、肌がくすんでしまいます。

このタイプのくすみでは、正しい洗顔を身に着けて、さらにピーリングなどのスペシャルケアをプラスしていくのが効果的です。

2.肌の乾燥によるくすみ

肌の水分が不足し皮膚がかさつくと、角質が毛羽立ったような状態になります。そこにはがれ落ちるはずの古い角質が引っかかり、肌をくすんで見せます。また皮膚が水分を逃がさないように角質を厚くするため、角質がはがれ落ちにくくなることもくすみの原因となります。

乾燥には、やはり保湿することが大切。水分だけを与えたのでは不十分ですから、基礎化粧品を見直しましょう。

3.血行が悪いことによるくすみ

冷えなどで血行の循環が悪くなると、体は生命維持のために体の中心の臓器に血を送るようになり、それ以外の場所にはなかなか血が届かないようになります。血液の循環が悪くなると、肌の老廃物や疲労物質が排出されずにたまってしまいます。またきれいな血が行き届かないため、顔色も悪くなりくすんで見えてしまいます。

簡易的には蒸しタオルなどを使って、血液の循環を促すのが効果的。でもやはり根本からの解決が求められます。

マッサージは効果的ですから、ぜひ取り入れたいところ。さらには、貧血はないか、体調を振り返ってみましょう。

貧血では青っぽくくすんだ顔色になっているかもしれません。鉄分の多い赤身のお魚類や貝類などはきちんと食べられていますか?女性は月経もありますから、貧血にもなりやすいのです。「生理中だから肌の調子がイマイチでも仕方ない」などとあきらめず、食生活も見直してみましょう。

4.蓄積したメラニンによるくすみ

紫外線や摩擦を受けると、肌の内部でメラニンが発生します。本来ならターンオーバーによって排出されるものですが、紫外線を浴び続けるなど、肌に負担をかけ続けると排出が間に合わなくなり、くすみの原因となります。また血液中の中性脂肪の分解が上手く進まないと遊離脂肪酸が増え、これがメラニンを作るメラノサイトを刺激し、メラニンを増やしてしまいます。遊離脂肪酸が増える原因として、ストレスや喫煙、カフェインの過剰摂取などがあります。

蓄積したメラニンを解消するには少し時間がかかります。その間に新たにメラニン色素が生成されることがないように、日頃から紫外線対策をしっかりおこなうことも大切。

日焼け止め、日傘、帽子などの物理的対策も合わせておこないましょう。

5.黄色くくすむ黄ぐすみによるくすみ

脂質の過剰摂取で、脂肪とたんぱく質が結びついて起きるカルボニル化や、糖質の過剰摂取により、糖質とたんぱく質が結びついて起きる糖化によって起きるくすみとがあり、どちらも肌が黄色く見えるくすみです。加齢やストレス、また紫外線といった原因が組み合わさって起きます。

このタイプのくすみには、食生活の改善が効果的。糖質の摂取量は多くないですか?朝は忙しくてパンだけ、おにぎりだけ、ランチはパスタ、おやつに甘い物…なんて食生活では、糖化が起こりやすくなってしまいますよ。

抗酸化作用を持つ成分を多く含む、野菜や果物の摂取量を増やして、改善していきましょう。

くすみの原因はこちらの5つです。自分のタイプを把握してみてください。
1.角質によるくすみ
2.肌の乾燥によるくすみ
3.血行が悪いことによるくすみ
4.蓄積したメラニンによるくすみ
5.黄ぐすみによるくすみ

顔のくすみを取るマッサージ

くすみに共通する原因は、ターンオーバーが正常におこなわれていないことにあります。血液やリンパの流れが滞ることで、老廃物や古い角質が排出されないだけでなく、必要な酸素や栄養分も十分に行き渡らなくなります。

顔のくすみを取るには、顔の血行を改善し、リンパがスムーズに流れるよう、首や頭も合わせてマッサージすることで効果を上げることができます。

顔の血行をよくするマッサージ

  1. マッサージをおこなう前に、コップ一杯の水を飲みましょう。
  2. マッサージをおこなう際には、クリームやオイルを用意します。何もつけないとしわなどの原因となります。
  3. 顔の中心からこめかみの方向にさすり上げ、こめかみから耳の脇、鎖骨へとマッサージします。
  4. 額からこめかみへ、目の周りからこめかみ、小鼻から耳の脇、あごの下から耳の脇、と順番にリンパを流していきましょう。同じ所を何回もマッサージすると逆効果なので、2回か3回ほど、なでるようにさすります。特に目の周りの皮膚は柔らかいので注意しましょう。

日中疲れがたまることもくすみの原因となります。化粧をしていない耳の下から鎖骨までリンパが流れるようにさすり、鎖骨のくぼみを刺激して、血行を改善しましょう。

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くすみを取るための頭皮マッサージ

顔のマッサージと同時に、おこないたいのが頭皮のマッサージです。百会という、頭の一番上にあるツボがあります。左右の耳を線で結んだ中心にあります。シャンプーをする前に、このツボを押し、刺激してからお湯で汚れを洗い流しましょう。

頭皮のマッサージ方法

  1. 首の付け根にそろえた指をあて、下から上に向かってゆっくり押す
  2. 耳の下にあるくぼみに指をあて、頭の中心に向かってゆっくり押す
  3. 5本の指で頭をつかむようにし、上に向かってゆっくり押す
  4. 両手の手のひらで、頭をつかむようにし、ゆっくり中心に向かって押す
  5. 頭全体を包んだ手を、そのまま下げ、首筋まで下ろす

入浴中など、体がリラックスしているときにおこなうのが効果的です。このほかブラシを使って同じようにマッサージする方法もありますが、力を入れすぎると逆に刺激が強すぎて抜け毛の原因ともなりますので、注意しましょう。

やつれて見られて損!「顔のくすみ」を取るマッサージのやり方

日々の洗顔を見直しましょう

クレンジングや洗顔は肌の状態を良好に維持するために、欠かせない基本のスキンケアです。

誤った洗顔は、肌のくすみはもちろん、乾燥によるシワや毛穴詰まりの原因ともなりますので、正しい方法を知っておきましょう。

洗顔の前に

洗顔を始める前に、まず手を洗ってきれいにします。洗顔は手で優しく行なっていくので、万が一手が汚れていると、雑菌が顔に移ってしまいます。

またクレンジング料や洗顔料の泡立ちを悪くしてしまうこともあります。

化粧品は適量を使う

クレンジング料や洗顔料は適量を使います。パッケージに記載されている使用量を守りましょう。

足りないと効果が充分に得られないということはわかりますが、多い分には良いのでは?と思いがちです。

過剰な量を使ったからと言って、その分汚れが多く落ちるわけではありません。むしろ充分に落としきれなかったクレンジング料や洗顔料が肌に残って、別のトラブルの原因にもなりかねません。

化粧品を優しくなじませる

くすみが気になると、汚れを落とそうとしてゴシゴシこすりがちです。肌を強くこすると摩擦が生じて、肌に負担を与えます。

乾燥の原因となるほか、肌が外部刺激から守ろうとしてかえって角質層を厚くしてしまう原因となることも。クレンジング料や洗顔料は指の腹を使って、優しくなじませるように使っていきましょう。

すすぎはぬるま湯で

熱いお湯で洗顔をするとサッパリしますし、汚れもしっかり落とせるような気がしますが、熱いお湯での洗顔はおすすめできません。理由は、肌に必要な油分や水分を取り除きすぎてしまうからです。

クレンジングや洗顔の際には30度から32度くらいのぬるま湯で洗い流すようにしましょう。

ピーリング剤について

ターンオーバーサイクルが遅くなって肌が硬くごわついてくるようであれば、ピーリング剤の使用も有効です。

ピーリング剤を使うと、皮膚は早く修復しようとして細胞分裂が活発になり、基底層から角質層まで上がってくる速度が上がります。

ただしピーリング剤は角化の悪循環をリセットする目的で使用するスペシャルケアですので、週に一回程度の使用にとどめておきましょう。

洗顔後にはしっかり保湿

肌のごわつきを取り除いた後には、しっかり保湿をして柔らかい肌をキープしましょう。乾いた肌には水分を与えるだけでは不十分です。肌の水分はセラミドと結合することで肌に維持されやすくなります。

セラミドは角質層の細胞間にある脂質の主成分です。化粧水の後に、セラミドが配合されている美容液などで保湿をすることを忘れないようにしてください。洗顔やピーリングの効果が高まります。

洗顔のポイントはこちらです。

  • クレンジング料や洗顔料は適量を守る
  • 手で優しく洗う
  • ぬるま湯でゆっくり洗い流します
  • 洗顔後の保湿も大切です

メイクでくすみを隠す

肌にはターンオーバーがあるとお話した通り、お肌の状態を改善しようと思っても、結果が実感できるようになるまでには、少し時間が必要です。

今あるくすみをとりあえず、あまり目立たないようにしたければ、上手にカバーするメイク法も知っておきましょう。

気をつけたいのは、くすみを隠そうとし過ぎて厚塗りになってしまうこと。厚塗りしているとかえって粗が目立ってしまいます。薄付きメイクでぼんやりと隠すのがポイントです。

ポイントメイク

ポイントメイクを利用して肌のくすみをカバーします。

ハイライトを入れると肌のトーンが明るくなるので、くすみが感じられにくくなります。ハイライトはTゾーンをなぞるようにして入れたり、眼の下あたりに薄く入れたりすると顔が引き締まって見えます。

またチークの色味を健康的な色を意識して使うようにすると、肌が明るく見えます。

コントロールカラー

肌の色ムラを調整してくれるコントロールカラーは、厚塗りにならずに顔色を良く見せてくれる、お役立ちアイテムです。気になるくすみの様子によって、コントロールカラーの色をチョイスします。

  • ターンオーバーが鈍化して角質層がごわついていたり、乾燥していたりする肌には、イエロー系のコントロールカラーを使います。
  • 血色が悪いためにくすんでいる肌には、ピンク系のコントロールカラーを使います。
  • メラニンの蓄積が原因のくすみには、オレンジ系のコントロールカラーで、茶色くくすんだ色味を明るく健康的に見せます。
  • 黄ぐすみによるくすみでは、パープル系のコントロールカラーがおすすめ。黄色味が抑えられて、透明感が出てきます。

顔のくすみの予防方法

くすみを取るにはマッサージが効果的ですが、普段の生活からくすみをためない過ごし方をすることも大切です。

入浴で冷えを改善する

38度から40度ぐらいの少しぬるめのお湯に、20分ほど浸かるようにしましょう。手や足を冷たい水とお湯に交互に入れる交互浴も血行を改善するために効果的です。

軽い運動をおこなう

少し汗ばむ程度の運動を毎日おこなうことで、血行が改善されます。激しい運動ではなく、ウォーキングやストレッチなど、短時間でも毎日続けてみてください。

登場人物A

加齢などで肌のくすみは進みがちですが、毎日の肌の手入れをきちんとおこなうことで、くすみを改善し、加齢による肌のトラブルをおさえることも可能です。日中マッサージができなくても、軽くストレッチをするなど、血行を改善するよう努力することも大切です。