昔と今とでは、子供の育て方もずいぶんと変わってしまいました。昔は悪いことをしたら叱るのが当たり前でしたが、最近は叱らないママが増えているのをご存知ですか?外出先などで子供を叱っているママを見かけることも、少なくなりましたよね。
最近「いいママ症候群」のママが増えています。この「いいママ症候群」とは一体何なのでしょうか?いいママ症候群になりやすい人はどんな人なのかをご紹介いたします。また、そうならない為にはどうすればいいのか、なども併せてご紹介いたします。
「いいママ症候群」って何?
子供は親に好かれたい、愛されたいと思い、いい子になろうとがんばります。それと同じように、子供に好かれたいと思い、いいママであろうとするママが増えています。そんなママを「いいママ症候群」と呼んでいます。
いいママとはどんなママのことなのでしょうか?育児に関する情報はあふれかえっています。そんな中で、いいママというのは、
・子供を叱らない
・子供に対するNGワードは言わない
・とにかく褒める
ということを過剰に意識して、上辺だけのいいママを作り上げている方が非常に多くなっています。子供を叱ることができない=もし何か間違ったことをしても、しっかりとその場で注意してあげることができないのです。
命に関わる危険な事でも、叱ることがありません。声を荒げるような事もなく、ただただ静かに、まるで諭すかのように穏やかな表情で子供に話します。ですが、これでは子供自身が大切なことを学べないまま成長してしまう恐れもあります。
叱ると子供に嫌われる。とにかく子供にとっていいママでいなければならない、と強く思いこんでしまい、ノイローゼになってしまうというケースも少なくありません。
いいママ症候群になりやすい人
真面目な人
育児に関する情報をたくさん集めて、それを真面目に真っすぐとらえ、いいママにならなければいけないと強く思ってしまいます。真面目であるがゆえに、それらの情報通りにできなかったとき、自分が悪いと深く落ち込んでしまう傾向があります。
完璧主義者
仕事をしていてもそうですが、何でも完璧でないと気がすまない完璧主義者の方はたくさんいます。そういった方がママになると、育児も完璧でないと気がすまなくなります。育児書などに書かれてある通りに、完璧にしようとしてしまいがちです。
ですが、育児というのは、ママだけが完璧を求めてその通りに事が運ぶというものではありません。自分が思うようにできないと、それがストレスとなってしまいます。
思いこみが激しく妄想好きな人
「これはこうする!」「この方法が正しい!」そう思いこんでしまうと、他にどれだけいい方法があっても試そうともしません。正しいと思った方法をとれば、子供も育児書通りに成長すると思っている所があります。それができないと、子供に「どうしてできないの」などと、子供のせいにしてしまう傾向があります。
育児1年生の人
初めての育児です。当然、自分の親や年配の方のアドバイスも聞きますが、やはり育児書やネットなどの情報通りに育児をしようとしがちになります。育児1年生のママの多くは、いいママにならなければいけないという思いが強くなってしまいがちです。
いいママ症候群に陥らないためには?
いいママ症候群は、知らず知らずのうちに陥ってしまいます。そうならない為に一番大切なことは、「情報に振り回されない」ということです。育児書に書かれた通りの育児をすれば、いいママになれるのではありません。
叱らないのがいいママ、確かにそういう場合もありますが、全ての場面においてそれが正しいわけではありません。時と場合によっては、叱ることも必要なのです。叱ることが、子供の命を守るケースもあります。悪いことをしたら叱る、それもとても大切なことなのです。
子供にはそれぞれ個性があり、一人一人違う人間です。全ての子供が育児書通りに育児を行えば、その通りに育つわけではありません。その子その子にあった育児というのがあります。育児書やネットの情報などは、あくまでも参考にするという程度にしておきましょう。
完璧にならなくてもいいのです。親は子を育て、子は親を育てるといいます。肩の力を抜いて、子供と一緒に成長していくという気持ちを持つようにしましょう。
いいママ症候群は子供に悪影響!?
叱らないことがいいママであると思いこんでいるのは非常に危険です。
・危ないことをしても叱らない
・友達を傷つけても叱らない
・悪いことをしても叱らない
こういった育て方をしてしまうと、危険を予測するという能力がつかなくなります。また、当然ですが、いい人間関係を築くこともできません。
叱られないで育って大人になってしまうと、社会にでてから苦労することになります。働けば、怒鳴られたり、注意されたりすることはあります。叱られることに慣れていない人は、落ち込み自信をなくしてしまいます。
本当に子供のことを思うなら、悪い時、危険な時は叱ってあげないといけないのです。叱られることに対する免疫をつけてあげることも、大切なことだということを忘れないでください。
育児書は参考書のようなものだと考えておきましょう。子供にとっていいママとは、優しく、時には厳しく叱ってくれるママではないでしょうか。情報に振り回されず、世間体を気にせず、子供の事を第一に考えてあげてくださいね。