悪化よりも発症を防ごう!幼児のあせもを予防する3つの方法

汗をかきやすい赤ちゃんや幼児は、夏だけでなく冬もあせもができやすくなります。自分で汗を拭いたり温度調節ができない赤ちゃんや幼児には、周りの大人が常に気をつける必要があります。
かきむしったりするととびひなどを引き起こす原因ともなるあせも。その症状や予防方法についてご紹介します。

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あせもの種類と症状

あせもは汗疹(かんしん)とも呼ばれ、皮膚病の一つです。通常、汗腺から分泌された汗は、汗管を通り皮膚の表面にある汗孔から排出されます。しかしたくさんの汗をかいたまま放っておいたり、また肌の表面が汚れたままになっていると、汗孔がふさがれてしまいます。
汗孔がふさがれると汗は外に出られず、皮膚の中で炎症を起こしてしまいます。この状態があせもなのです。

あせもは、汗腺の詰まっている部分によって3種類に分けられます。

1.水晶性汗疹

皮膚の表面に近い角質に汗が詰まり、透明な水疱ができるあせもで、白いあせもとも呼ばれます。かゆみが少なく、症状も数日で治まることがほとんどです。
日焼けをした後や病気で発熱したときなどになることの多いあせもです。

2.紅色汗疹

汗管が詰まることで表皮内の汗管が破れ、汗が表皮内にもれでることで炎症が起こります。これが原因となって皮膚の表面に赤い発疹が出るため、赤いあせもとも呼ばれます。局所的に汗をかき続けることが原因で起こります。
子供のあせもでもっとも見られるのがこの紅色汗疹です。背中や首回り、額、足のつけ根やひざの裏側、脇の下、またおしりの割れ目などにでき、強いかゆみや痛みを伴います。
幼児の場合は胸や背中全体、顔などにできることもあります。
発疹は大きなものだと米粒大ほどになり、密集した状態でできることが多く、かきむしったところから雑菌が入り込んで、とびひになることもあります。

3.深在性汗疹

熱帯気候の土地や、高温の環境で働き続けたときに起こる症状です。表皮と真皮の境界あたりにある汗管が詰まり、真皮に汗がたまって平たい発疹ができます。

このなかで幼児にできやすいあせもは紅色汗疹ですが、水晶様汗疹が混在することもあります。
特に乳幼児は頭部や顔にあせもができると、シーツや服などの摩擦で悪化し、「あせものより」と呼ばれる多発性汗腺腫瘍になってしまいます。
おできやしこりができ、痛みやかゆみが出るだけでなく発熱する場合もあります。跡が残る場合もありますので、あせもになっても悪化させない、またあせもにならないよう予防することが大切なのです。

悪化よりも発症を防ごう!幼児のあせもを予防する3つの方法

幼児にあせもができやすい理由

あせもは大人でもできる皮膚病ですが、特に乳幼児、幼児に多く見られる症状です。ではなぜ幼児に起こりやすいのでしょうか。

○幼児の汗腺の数は大人と同じ
汗腺の数が大人と同じであるにもかかわらず、体が小さいため、表面積に対して汗腺が集中している状態になっています。
○新陳代謝が活発で、体温が高い
幼児は大人の3倍近く汗をかきます。それは新陳代謝が活発で、体温が高いためちょっと動くだけでも汗をかいてしまうためです。
○体の機能が大人に比べ未発達
汗をコントロールする自律神経なども未発達であるため、体温調節が上手くできません。
○体が汚れやすい
常に体が湿っている状態であることが多く、大人よりもほこりや汚れが体につきやすくなります。また赤ちゃんは首や手首、足首などにしわが多く、汚れがたまりやすくなっています。

また赤ちゃんや幼児の場合は、自分で汗を拭いたりすることが上手くできません。これもあせもの原因となっているのです。

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気をつけよう!あせもと間違えやすい病気

あせもとよく似た症状が出る病気があります。間違った対処法では悪化する場合がありますので、よく症状を観察することが大切です。

コリン性蕁麻疹

お風呂上がりに背中などにできる蕁麻疹です。汗の刺激で一時的に出ますが、汗が引けば症状も治まり、治療も必要のない症状です。

蕁麻疹

数時間で引くことが多く、様子を見て判断しましょう。

水疱瘡

発熱と発疹の症状があります。体全体に発疹が広がり、水ぶくれになります。病院で治療を受ける必要があります。

アトピー性皮膚炎

強いかゆみがあります。あせもが重なると悪化する場合があります。皮膚科で治療が必要です。

とびひ

あせもが悪化したものですが、気がつかずに放置しておくと体中に広がるだけでなく、ほかの子供にうつることもあります。
 

このほか虫刺されでも発疹が広がる場合があります。夏場に外で刺されることも多く、あせもと間違えやすいことも多いのですが、早めに治療が必要となります。
かゆみや痛みがひどい、また発疹の様子が違う場合などは、皮膚科を受診しましょう。

悪化よりも発症を防ごう!幼児のあせもを予防する3つの方法

幼児のあせもを予防する方法

あせもは塗り薬などで一時的に症状を抑えることはできますが、きちんと予防をしなければまた繰り返してしまいます。
痛みやかゆみを我慢するのは、赤ちゃんには難しく、幼児にとっても辛い思いを強いることになってしまいます。
普段の生活から、予防をするように心がけたいですね。

あせもの予防に大切なポイントは、「清潔」「保湿」です。
そのためにも、
1.汗をかいたらこまめに拭き取る
2.毎日お風呂で汗を洗い流す、汗をたくさんかいたときはシャワーを浴びる
3.大人より1枚少ないコーディネートで、吸湿性のよい素材の服を選ぶ
ようにしましょう。

また汗を拭いたりお風呂に入った後は、保湿もしっかりしてあげましょう。汗がでやすい赤ちゃんや幼児は、清潔な服に着替えさせることだけでも予防になります。
夏だけでなく、冬にも汗をかきやすいので、部屋のエアコンの温度調節などにも気を配るようにしたいですね。