キレた子供の事件、ニュースでもよく耳にすることがあると思います。キレる子供は育て方に問題があるのでは?とはみんなが思うことですから、親としてキレない子供を育てたいですね。キレない子供は心よりも脳を育てることが大切なようです。そこで今回は、キレない子供の脳の育て方をご紹介いたします。
「キレる」とは?
そもそもキレるとはどういうことなのでしょうか?キレるとは、対人関係において相手の言動に過剰に反応して怒りを露わにし、暴言を吐いたり、物に当たったり、相手に対して暴力をふるったりすることです。
子供であれば、親や兄弟、友達、学校の先生などに対してキレることがほとんどで、注意されたことに腹が立ったり、自分の思い通りに動いてくれないことに腹が立ったりしてキレます。
そもそもどうして子供がキレてしまうのでしょうか?キレてしまう子供は年々増加傾向にあるといわれています。
子供がキレる原因は、いろいろな要因が複雑に絡み合っているので、ひとつに断定することは難しいです。ですが多くは、日常生活において自分の感情や意思を抑圧されてきた子供ほどキレやすい傾向にあります。
具体的にはやりたくない習い事を強制的にやらされていたり、友達と遊びたいのに遊びに行かせてもらえない、自分の感情が親に拒否されたなど、本心を表に出せずに抑圧され本意でない生活を強いられることで、ちょっとしたきっかけにより感情が爆発し、キレてしまうのです。
子供はいいたいことを自由にいっているイメージがありますが、素直な感情を親に話して怒られた、悲しい顔をされたなどの経験から、本心を内側に隠して親に従ってきた子供がキレやすいのです。
心より脳が大事なのはなぜ?
キレない子供を育てるには、心が大事だといわれています。もちろん心を育てることも大切ですが、キレることと脳には深い関係があります。ですから、キレない子供に育てるには、子供の脳を育てることが大切です。それに最近の研究では、脳=心ということが解明されています。
キレることと脳の関係は医学的にははっきりと解明されていません。ですが、脳のいくつかの機能がぶつかることによってショートし、それによる脳の混乱だという説があります。
人間の脳は、生きていくために必要な大脳基底核と脳幹があり、その周りを大脳辺縁系、さらにその外側に大脳新皮質があり、大きく3つで構成されています。この3つはそれぞれに役割があり、それぞれが役割を果たしてバランスを取っているのです。
ところが、脳のバランスが崩れたとき、自分の感情がうまくセーブできなくなります。これがキレた状態です。
キレるという状態をセーブする役割があるのが大脳の前頭前野といわれる部分です。通常10歳頃に完成する脳ですが、前頭前野は25歳ごろまで成長を続けます。この部分は子供同士の遊びの中で成長するといわれています。
前頭前野をしっかり成長させて、キレる感情をセーブできるようにすることが大切です。
キレない子供に育てるためには?
キレない子どもに育てるには、脳を育てることが大切です。
キレる感情をセーブする大脳の前頭前野。その活動を支えているのは、脳の中心にある大脳辺縁系です。記憶を司る海馬や生き物としての危険性などにかかわる扁桃体がある部分です。
扁桃体は好き嫌いの感情も決定し、衝動的な攻撃を生じさせてしまいます。扁桃体を増やし攻撃性をコントロールすることが大切です。
キレない子供に育てるには、幼児期にやりたいことを尊重しやらせてあげることです。親からするとハラハラするようなこともありますが、子供のやりたい気持ちを尊重してあげましょう。
また、早寝早起きもキレない子供にするために効果的です。太陽の光を浴びることで、脳のセロトニン神経が刺激されます。これが活発に働くと、攻撃性が抑えられることがわかっています。もっとも活発に働くのは朝なので、朝日をしっかり浴びる規則正しい生活をさせましょう。
子供がキレたときの対処法
子供がキレたとき、親として対応に困ることもあるのではないでしょうか?ついこちらも怒ってしまうのはNGです。キレたときに大切なのは、親の対応です。
やってはいけないのは、頭ごなしに叱ることです。子供がイライラしたり、キレたりすると、つい頭ごなしに叱ってしまいがちですが、キレた理由を聞いてあげることが大切です。子供がキレるのには理由があります。子供に考えさせることで自分がやっていることが良いことなのか悪いことなのかを考えて反省し、キレにくくなります。
子供の感情を認めてあげると、子供も本音を打ち明けやすくなります。
キレない子供に育てるためには、大脳の前頭前野を育てることが大切です。家にこもってテレビやDVDを見たり、ゲームをしたりするよりも、公園などで短時間でも良いので、他の子供たちと一緒にわいわいがやがやと体を動かして遊ぶことが大切です。
他の脳の部分よりも成長がゆっくりなので、25歳頃までであれば手遅れということはありません。早寝早起きといった規則正しい生活を意識し、キレない穏やかな子供に育てましょう。