子供の歯ぎしりは、年齢で原因や対処法が変わる

大人だけがするものだと思われている方も多い“歯ぎしり”。それを子供が突然し始めると、びっくりしてしまいますよね。大人ならストレスや肩こりからきているのだろうと対策を考えられますが、子供の場合はどう対処すればよいのでしょうか。

今日は、年齢別子供の歯ぎしりの原因や対処法についてご紹介するとともに、歯ぎしりをすることによるデメリットについてもお話していきたいと思います。

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子供の歯ぎしりのデメリット

成長とともに段々と治まってくるものと考えられていますが、酷い場合には歯や顎に悪い影響を与えてしまうこともあります。

1.歯周病になりやすくなる

歯の並びがよくないことで歯ぎしりが起こっている場合、磨き残しが発生し、大人になってから歯周病を引き起こしやすくなることもあります。

2.顎の骨に影響がでる

子供だとしても、長い間歯ぎしりによって強い刺激を与え続けると、顎関節症などを発症する恐れも。

3.痛み

乳歯の状態だと特にですが、歯がけずられてしまうことで痛みが発生します。

4.消化不良

かみ合わせが悪いタイプの歯ぎしりは、噛むこと自体がきちんとできていないことがあり、それが原因で消化不良を引き起こすケースもあるのです。

他にも、発音がうまくできなかったりと、性格の面においても影響を及ぼす可能性もあります。どのくらいの時間行っているのか、頻度などにもよりますが、良い影響を与えるものではないということは覚えておきましょう。

子供の歯ぎしりは、年齢で原因や対処法が変わる

就学前までの原因と対処法

それでは年齢別の原因と対処法についてみていきましょう。まずは就学前までのお子様の歯ぎしりについてです。

原因

2歳頃から乳臼歯という奥にある歯が生えてくるようになります。段々と乳歯が生えてくる時期で、顎も成長を始めるため、そのバランスを保とうと歯ぎしりをしているのです。

親御さんが気づき始めるのはこの頃ですが、顎の大きさにともない、噛み合わせの調整を行う目的であることがほとんどなので、ほとんどの場合心配はいりません。

対処法

よく噛んで食べることを教える

噛むということは顎の成長やかみ合わせに影響を及ぼします。しっかり噛んで食べることができていると、顎は発達し、かみ合わせも徐々に整っていきます。

一方早食いや、あまり噛まずに飲み込む習慣がついてしまうと歯ぎしりでバランスを整えようとし始めるのです。これが癖になってしまう前に、小さいころから噛んで食べるということを教えていく必要があるでしょう。

おすすめなのはご飯おかずのような丼ものではなく、お汁やおかず、ご飯といった一汁三菜のメニュー。また、ながら食べもやめさせ、お母さんもお父さんも一緒に会話しながらゆっくりと食事の時間を持つよう工夫していくこともポイントです。

姿勢を改善させる

背中が丸まった姿勢が癖になると、首の前側にある筋肉を緊張させてしまう状態が続きます。すると口を開ける動作がしにくくなり、顎の関節の動作がスムーズにいかなくなってしまうのです。

顎関節は歯ぎしりと密接な関係にあるため、改善させないと歯ぎしりが続くことになってしまいます。立ち姿勢、座り姿勢ともに普段から気をつけてみるようにしてあげて下さい。

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小学生以降の原因と対処法

原因

6歳を迎え、小学生になりたてのころは永久歯が生えそろう時期になります。上の歯や下の歯、どこかに抜けている歯があったりと、歯同士に隙間が生じていることもあるこの時期。

その隙間が原因でかみ合わせがうまくいかないため、歯ぎしりで調整をし始めます。乳歯の時とは異なり、大人と同じ丈夫な歯で行われるため、音も目立ち、歯ぎしりのピークといっても過言ではありません。

対処法

家ではリラックスさせてあげましょう

大人に多いのがストレスによる歯ぎしり。小学生にもなると子供にも当てはまることが多いので、なるべくお家ではリラックスできる時間を作るようにしてあげて下さい。

宿題やご飯の時間など、規則正しく時間通りにやらせることも大切ですが、リビングでゴロゴロしたり、学校から帰ってすぐは自由の時間を与えてあげることも必要です。

マウスピースをつける

あまりにも酷い場合には、マウスピースの作成も視野に入れておきましょう。将来大人になってからの影響も考えると、永久歯が生えそろい始めた頃に歯科医で診察を受けるのも手です。

保険が適用される状態であれば5千円程度で作成できます。はじめは嫌がるかもしれませんが、睡眠中の不快感がなくなりよく眠れるようになるお子さんもいらっしゃいます。

歯ぎしりをやめるタイミングを決める

親が寝ている時間帯に歯ぎしりをしているのなら中々気づくことは難しいですが、昼間でも何かに集中すると始まってしまったり、癖の一部のようになっているのなら止める“きっかけ”を作ってあげましょう。

歯科医で相談してから始めるとなお良いですが、まずは子供の目につくところ、普段集中して遊んでいる場所の見えるところに紙を貼ってください。

“歯ぎしりダメ!”などと、簡単な言葉でかまわないので、子供にハッとさせる瞬間を作るようにすると、長時間続けることを予防できます。

基本的には歯、顎の成長、バランスの調整目的のために行うことの多い歯ぎしりですが、歯の状態や症状次第では、お医者様にきちんと診せて判断してもらうことが大切ですよ。