妊娠中に嗅覚が敏感になる「匂いつわり」とは

妊娠するとすぐにやってくる体調の変化の一つが「つわり」です。「妊娠=つわり」というイメージが強いですが、症状は人によって異なります。その中の一つに「匂いつわり」というものがあります。

この「匂いつわり」とはいったいどんなつわりなのかを詳しくご紹介いたします。また妊婦さんが苦手になる匂いや、このつわりの症状を抑える方法なども併せてご紹介いたします。

広告

「匂いつわり」とは?

妊娠すると、それまで気にならなかった匂いがとても気になるようになります。また、匂いを嗅いだだけで気持ち悪くなったりと、吐き気にも悩まされます。

妊娠する前から苦手だった、「タバコ」「ゴミ」などといった匂いだけではありません。今までは良い匂いと思っていた匂いでさえもダメになってしまいます。美味しそうな料理や大好きなアロマの香りなど、ダメになる匂いは妊婦さんにとって様々です。

このように匂いに敏感になり、ムカつきや嘔吐といった症状に悩まされることを「匂いつわり」と呼んでいます。このようなことが起こる原因はいろんな説があります。最もポピュラーな説は二つです。

ホルモンバランスの変化

妊娠すると女性ホルモンのバランスが変化します。エストロゲンという女性ホルモンが急激に増加します。このホルモンは臭覚を敏感にするため、匂いつわりにつながってしまうのです。

母体と胎児をガード

妊娠すると体は、ママと胎児をガードする為の一つの変化として、外部刺激に対して非常に敏感になります。匂いに敏感になるのはそのせいだという説も。

妊娠中に嗅覚が敏感になる「匂いつわり」とは

妊婦さんが苦手になる匂いはコレ

匂いつわりを訴えられる方の妊婦さんが苦手となる匂いはたくさんあります。人によって違いもありますが、匂いつわりを経験された方の声を元に、苦手になってしまった匂いをご紹介いたします。

タバコ

タバコを吸わない方は、妊娠する前から苦手な方が多いです。妊娠するとさらに今まで以上に気になります。そもそもタバコは、妊娠するとNGとなります。妊婦さんが吸うのは当然ダメですが、タバコの煙を吸い込むこともよくありません。

最近はいろんなお店で禁煙となってきましたが、まだまだ一歩自宅を出ればどこでタバコの匂いに襲われるのかわかりません。外出時は注意が必要です。

炊飯の匂い

これはかなり多くの妊婦さんが苦しんでいる匂いです。いつも通り食事の支度をして、炊飯器のスイッチをON。ごはんが炊き上がるまでに炊飯器から登る湯気や、炊飯器を開けたときに立ち上る湯気で体調を崩される方が多いです。

歯磨き粉

歯磨き粉にはいろんな匂いがあります。気に入っていたものさえ匂いつわりの原因となってしまいます。

台所

台所にはいろんな匂いがあります。誰もが苦手な生ごみの匂いや、料理中の匂い、先にも書いている通り炊飯の匂いなど、とにかくどこを向いても匂いに囲まれているといっても過言ではありません。

匂いがダメだからといって台所に入らないというわけにはいきません。匂いつわりに苦しめられている妊婦さんにとっては、かなり過酷な場所となります。

スーパー

スーパーも台所とおなじようなもので、魚の匂いやお肉の匂い、総菜の匂いなど、様々な匂いに囲まれた空間です。買い物がとてもツライという声が多く上がっています。

香水

いつもつけていた香水の匂いでさえもNGになります。街を歩いていると、いろんな香水の匂いが鼻についてしまいます。

化粧品

スキンケアコスメには無香料のものも多くありますが、ほのかに香るものもあります。そういった匂いでさえもダメになる妊婦さんが多いです。

排気ガスはもちろんですが、いつも使っている車の車内の匂いが苦手になります。芳香剤が原因である場合もありますが、芳香剤をおいていない車内の匂いがダメという妊婦さんもいらっしゃいます。

全部

「匂い」というもの全部が苦手になってしまう妊婦さんもいます。このレベルになると、重度の匂いつわりということになり、普通に生活することさえも困難で苦しくなってしまうことがあります。

広告

症状を抑える方法

マスクをする

これは匂いつわりが軽い方におすすめの方法です。自宅で料理をする時などにマスクをすることで、少し匂いを軽減させることが可能です。また携帯しておけば外出先での匂いの対策にも使えます。

アロマ

妊娠中のアロマの使用は注意が必要ですが、ユーカリオイルなら出産するまでOKです。また妊娠中も使える他のオイルを使ってアロマスプレーを作ります。お部屋や自分の衣類などにスプレーすれば、好きな香りにつつまれつわりの症状を軽減できます。

換気

お部屋の換気はしっかりと行ってください。換気扇をつけるだけではなく、窓を開けて、風が通るようにしましょう。また、空気清浄機などを利用するのもおすすめです。

ガム

キシリトールが入っているガムをかむと、お口の中もスッキリするだけでなく、鼻にもすっきりとした香りが広がります。虫歯予防にもなるので妊婦さんにはおすすめです。ただし食べ過ぎはお腹が緩くなるので注意してください。

ネットスーパー

スーパーでのお買い物が困難な場合は、ネットスーパーの利用も検討してみましょう。重い物も自宅まで届けてくれるので妊娠中はとても便利です。

湯気が出るような料理は冷ましてから

湯気にはいろんな匂いがあり、その匂いもとても強いものとなってしまいます。できるだけ冷ましてから食べるようにしましょう。

ゴミ処理は旦那様担当に

特に生ごみの処理は旦那様にお願いします。また、ゴミ出しも妊婦さんにとってはかなり重労働となります。妊娠を機に簡単な家事は旦那様担当にするのもいいのではないでしょうか。仮に他に大きなお子さんがいたりご近所に親が住んでいたりするなら、つわりが落ち着くまでだけでもお願いしてみてください。

排水溝の掃除

台所だけでなく、お風呂場などの排水溝の掃除は日ごろからこまめにしておくことで、匂いの発生を防ぐことができます。すでにつわりがはじまってしまったなら、旦那様にお願いしましょう。

鼻に栓をする

いわゆる「鼻栓」というものです。鼻から匂いが入ってこなければ匂いを感じることもありません。お仕事を続けられているなら、通勤電車内は匂いの宝庫なので、かなり厳しい空間です。マスクだけでは到底対処することができません。

そんな時は、鼻栓をしてからマスクをつけます。そうすれば完璧です。

妊娠中に嗅覚が敏感になる「匂いつわり」とは

いつまで続くのか?

つわりの始まりと終わりには個人差があります。一般的には妊娠4~6週目頃から症状が出始めます。ピークになるのが、妊娠8~11週目です。それを過ぎて多くの妊婦さんが16週目くらいには症状もおさまります。

ただしこれには本当に個人差があり、出産まで匂いつわりに苦しむ方もいれば、産後もまだ続いていた、という妊婦さんもいらっしゃいます。

まずは旦那様に理解してもらうことが大切です。話してもわかってもらえない旦那様もいます。そういった場合は、かかりつけの産婦人科の先生に相談して、先生から旦那様にお話してもらうのも一つの方法です。

自分でいろんな対策をしてみてもどうしても辛いという場合は、我慢せずに産婦人科で相談してみてくださいね。