昔は親に「猫背」と注意されていたのですが、大人になってからはどんどん猫背がひどくなっていってしまいました。
デスクワーク中心の方は猫背になりやすかったり、年齢と共に筋力が落ちたり、目が悪くてスマホを近くで見ようとしたなったりと、いろんな要因が考えられます。
猫背を治すのにおすすめな方法はないでしょうか?
猫背を治すには、日々のストレッチがおすすめです。今回は、猫背の原因や治し方についてご紹介しますね。
パソコンやスマホを覗いているときに、いつの間にか姿勢が前屈みになっていて、「猫背!」と注意されたことはありませんか。猫のように背中を丸めた姿勢から言われる猫背は、見た目だけでなく健康にも様々な影響を及ぼします。
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猫背とは?
背骨は重い頭を支えるため、健康な状態であれば横から見ると少し湾曲しSの字のようにカーブを描いています。猫背とはこの湾曲がひどくなり、頭が突き出したような格好になっている姿勢のことをいいます。その湾曲している状態により、猫背は4つのタイプに分けられます。
1.背中猫背
背中の中心から前に曲がっている猫背で、一般的にいわれる猫背とはこの姿勢のことをいいます。前屈みになって作業をする人、パソコンで作業する人などに多い猫背です。
2.腰猫背
腰の部分から前屈みになっている猫背で、高齢の方や農作業をする人、あぐらをかく人などによく見られます。机に向かうことの多い仕事の人にもよく見られます。
4.首猫背
首が曲がり、頭だけが前に突き出したような姿勢の猫背です。ストレートネックとも呼ばれ、下を向いてスマホを見ることの多い人によく見られます。
5.腹猫背
そり腰とも呼ばれ、腰が前にそってしまっている猫背のことをいいます。見た目には姿勢良く見えますが、お腹を突き出した姿勢で、隠れ猫背ともいわれます。骨盤が前に傾いており、ハイヒールを履くことの多い女性に見られる猫背です。
猫背になると、老けて見えることに加え、体を支えるべき背骨が歪んでいるので、体に様々な悪影響を及ぼします。猫背はお年寄りに多く見られる姿勢でしたが、スマホやタブレットの普及などから、若い世代にも増えており、日本人の約7割の人が猫背に当てはまるともいわれています。
「猫背」と一言で言っても、いろんな種類があるんですね。
猫背によるデメリット
猫背になると、どのようなデメリットがあるのかを詳しくご紹介します。
1.見た目が悪い
猫背は元の身長より低く見え、老けて見える、表情が暗く見えるといった印象を与えてしまいます。初めて会った人への印象も悪くなりがちです。
2.気持ちが落ち込む
猫背になると背骨が曲がり、神経の集まる脛骨が圧迫され、血液の循環が悪くなる、神経に影響を与えるといったことが起こります。仕事で同じ姿勢をしていると猫背になりやすく、そこからストレスや疲労を経て、気持ちが落ち込むなどうつ病などの精神的な病気を起こす原因になることがあります。
3.肩こりや腰痛、頭痛などの体の不調
猫背になると、首回りの筋肉が固くなり、血液の循環が悪くなります。首や肩の血行が悪くなると、頭に十分な血液が行き届かず、頭痛の原因となることがあります。猫背になると首を突き出した姿勢や、腰を曲げた姿勢になり、腰痛など痛みを引き起こします。
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4.内臓への影響
猫背で首や頭を突き出した姿勢でいると、神経が集まっている首の頸椎にも影響を及ぼし、自律神経が乱れる原因になります。自律神経が乱れると、血行が悪くなり、冷えやこりの原因となります。また不自然に体が曲がった状態でいると、内臓を圧迫することになり、胃のもたれや腸の働きの低下など、内臓にも悪影響を与えます。
背中が丸くなることで、胸やお腹が圧迫され、十分な呼吸ができない、また代謝が低下するなど、猫背は体のあちこちに症状を引き起こす原因となるのです。
猫背になる原因
猫背になる原因としては、日々の生活習慣によるものや、背中の筋肉などが考えられます。
1.猫背になりやすい生活習慣
- 1日中座って机に向かっている
- 椅子に座るときに浅く腰掛けている
- 体をあまり動かさない
- スマホやタブレットに触る時間が長い
- 1人で色々考えてしまう
悩みがあっても自分で抱え込んでしまう人は、いつもうつむいてしまい、それが猫背につながります。何気なくしている行動が、猫背の原因になっていることがあるのです。
さらに猫背の原因として考えられるのが、筋力の低下などによるものです。
2.身体の状態
- 筋力が低下していることによるもの
- 筋肉が固くなっていることによるもの
- 背骨を支えている靱帯の不調によるもの
- 椎間板の機能の低下によるもの
加齢により、人の関節の可動域はだんだんと狭まっていきます。猫背を引き起こしている原因が、椎間板や靱帯に何らかの問題がある場合は、運動で筋肉を鍛えても根本的な解決にはなりません。この場合は病院で診察を受け、治療が必要となります。
ただし若い世代にも増えている猫背は、背中や骨盤を支える筋肉の力が低下している、また固くなっていることが原因で起きていることがあります。この場合は、筋肉をほぐし、きちんと鍛えていく必要があります。
筋肉を鍛えることで、代謝が改善し、血行も良くなります。姿勢を正すと共に、背骨や骨盤を支える筋肉を、ストレッチでほぐすことが必要です。
猫背は日本の「国民病」とも言われるほどメジャーな症状です。悪化すると身体の不調も引き起こすことにもなりますので、きちんと身体のメンテナンスを行っていきましょう!
猫背を治すストレッチ
猫背を治すためにほぐす筋肉は、胸の筋肉である大胸筋と、背中の筋肉である大菱形筋です。基本的には、姿勢を正し、深呼吸をするだけでもストレッチになります。時間がないときなどは、休憩の合間に姿勢をまっすぐにし、深呼吸するようにしましょう。さらに毎日の習慣として、以下のストレッチをリラックスしているときにおこないましょう。
1.肩甲骨のストレッチ
椅子に座る、また立ったままでもできるストレッチです。
- 椅子に座る、もしくは立って、肩の力を抜きます。
- 背中に両手を回し、手のひらを合わせて組みます。
- ゆっくりと合わせた手をひっくり返し、伸ばします。
胸の筋肉が伸びていることを意識しながらおこなってください。
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2.背骨伸ばしのストレッチ
床に座っておこなうストレッチです。
- 正座をし、両手を前に伸ばして手のひらを付けます。
- おしりを上げ、猫が伸びをするようなポーズをとります。
- 伸ばしきれるところまでで、そのままの姿勢をキープします。
腕から肩、背中までがまっすぐになっているかどうか、家族などに見てもらいながらおこないましょう。
3.タオルを使った筋肉ほぐし
タオルを使ったストレッチです。両手でタオルを持ち、背中の筋肉や胸の筋肉を意識しながらストレッチをしましょう。首回りの筋肉をほぐすことにもつながります。体が固い場合には、できる範囲で伸ばし、無理をしないようにしましょう。
4.ヨガ
ご自宅で簡単にできるヨガもご紹介します。
- 四つん這いになって、腕と身体で90度の角度を作ります。腕は肩幅くらいに広げます。
- 息を吸って、吐きながら肘を外側に少し横に曲げます。
- 肘を曲げたまま、脇を締めます。
- 床を押すように、腕を真っ直ぐに元の状態に戻します。
- 息を吸って、吐きながら、片方の腕を真っ直ぐ前に伸ばします。肩の高さまで上げて、床と並行になるようにします。腕を上げた時、骨盤が動かないように注意します。
- 息を吸って、吐きながら、元の四つん這いの体勢に戻ります。
- 左右各3回を目安に行ってみて下さい。
- 息を吸って、吐きながら片足を腰の高さ位まで上げます。(腕のときと同じように動かします)
- 息を吸って、吐きながら、元の四つん這いの体勢に戻ります。
- 左右各3回を目安に行ってみて下さい。
猫背を解消するためには、簡単なストレッチでも毎日続けることが必要です。お風呂上がりなど体が柔らかくなっているときにぜひ取り入れていきましょう。