子育ての大変さがクローズアップされるようになりました。今一番問題視されているのは「ワンオペ育児」の問題です。夫婦どちらか一方に育児や家事などの負担が集中してしまい、最悪のケースとしては「離婚」を選択する夫婦もいらっしゃいます。
まずは「ワンオペ育児」というのはどういったものなのかということからご紹介いたします。また、ワンオペ育児がどうして大変なのか、どんな風に大変なのか、その問題を解消するにはどうすればいいのかなどをご紹介いたします。
「ワンオペ育児」とは?
「ワンオペ」は「ワンオペレーション」の略語です。夫婦やパートナーどちらか一方が単身赴任などの仕事の都合や病気など、何らかの理由で一人で育児や家事、仕事を行うことです。たいていはママが負担を背負うケースが多く「ワンオペ育児ママ」という言葉で呼ばれています。
子供が生まれる前までは、「子育ては二人で分担しよう」と話していたのに、産後の現実は、ママが一人で育児や家事を行っているご家庭が非常に多いです。また、今は子育てをしながら仕事をする方も多く、負担はいっそう大きなものとなっています。
「イクメン」という言葉がすっかりメジャーとなっていますが、確かに育児に参加してくれる男性は増えています。ですが、共働き家庭が増えている今、どうしてもママ側の負担が大きくなってしまっているという現実があります。
諸外国と比較すると、男性が育児に参加する時間はまだまだ少なく、近くに頼れる身内や知人もいない。家事や育児や仕事。全てを一人でこなすワンオペ育児は、まさに孤独との闘いで、心身ともに疲れ切ってしまっているママが増えています。
ワンオペ育児の大変さ
お風呂
お風呂は子供にとって危険がいっぱいの場所です。ちょっと目を離しただけでシャンプーを出して遊んだり、それを口に入れたり、湯船の中で溺れてしまうこともあります。ママは髪を洗うこともできない、そんな声も聞こえてきます。
さらに大変なのはお風呂から出てからです。自分の体をふく間もなく、子供の体を拭き、着替えさせ、水分補給をさせる。これを一人でしなければいけないのです。
子供が一人でも大変なのに、年の近いお子様が二人、三人といらっしゃるご家庭のお母さんはさらに大変になります。ワンオペ育児の中で一番大変だという声もあります。
夜中の発熱
子供は夜中に発熱することが多いです。こういう時にパパが不在の場合、夜間救急病院に子供をつれていかないといけなくなることがあります。お子さんが二人、三人といらっしゃるご家庭の場合、寝入っている兄弟姉妹を起こして一緒に連れていかなければならなくなります。
翌日は、体調を崩しているお子さん以外のお子さんも睡眠不足なので、結局幼稚園や保育園などを休ませるということが多いです。いつもの育児と家事に看病というのがプラスされ、心身ともに疲れ切ってしまいます。
自分の体調が悪くても休めない
少し体調が悪くても、発熱していても、ひどい頭痛に襲われても、ママは休むことができません。病院に行く時間もなく、市販薬に頼るしか方法がありません。パパ不在のワンオペ育児の場合、この悩みはとても深刻なものとなっています。
一人ホッとできる時間がない
子供が寝たら一人時間・・・そんなふうに考えていたのに、現実は子供を寝かしつけながら自分も疲れすぎて一緒に寝てしまう、という方が多いです。一人でホッと息抜きする時間もありません。
そういった毎日がずっと続いてしまうと、体だけでなく心も病んでしまうのも当然ではないでしょうか。
寝かしつけ
家事は後回しにして、寝かしつけを先にしてしまおう。そう考える方は多いです。でもママも疲れているので一緒に寝てしまい、目覚めたら夜中だった、朝だったということはよくあります。
必死で寝かしつけようとしても、一向に寝てくれず、そうこうしているうちにパパが帰ってきてさらに子供のテンションはアップ。これが一番ワンオペ育児ママがパパに腹を立てる瞬間かもしれませんね。
このようにワンオペ育児というのは、想像以上に大変なことがたくさんあります。ここにあげた以外にも、子供の人数が多いほど大変なことも増えていきます。こういった現実を、パパやパートナー、周囲の方はもっと理解すべきなのではないでしょうか。
この問題を解消するには?
家族で役割分担をする
共働きの家庭でも専業主婦の方の家庭でも、家族で役割分担をすることで、ワンオペ育児の大変さは軽減されていきます。全てを分担することができなくても、休日のお風呂や歯磨き、仕事帰りに買ってこれるちょっとした買い物などはパパやパートナーの方にお願いするだけでもいいのではないでしょうか。
共働きのご家庭なら、先に帰った方ができることをやっておく。お子さんのお迎えに行くなど、お互いできることは何なのかを出し合って、上手に分担していくことが大切です。
外部にヘルプを頼む
ワンオペ育児が問題になっている中、育児の負担を少しでも軽減するためのサービスが増えてきています。昔からある「ファミリーサポート」や「家政婦」「ベビーシッター」「一時預かり施設」などを利用するという方法があります。
ママも息抜きが必要です。パパやパートナーにどうしても頼めないなら、こういった外部にヘルプを依頼するのもいいのではないでしょうか。そうやって自分の時間を少しでも作ることで、日々のイライラを少しずつ軽減することができるはずです。
他のママと交流する
「ママ友」、ちょっと怖いイメージを持たれている方も多いですが、育児をしているうえでこのママ友の存在がとても心強い物となることがあります。同じように育児をしている方と話しをすることで、心のモヤモヤをスッキリとさせることができます。
また、いろんな育児や地域の子育てに関する情報を入手できる場でもあります。人と話すのが苦手な方でも、今はブログやSNSという便利なツールがあります。そういった物を上手に利用することも一つの方法方です。
完璧でなくていい
育児も家事も仕事も、すべてにおいて完璧にこなそうとするのは無理です。ストレスやイライラがたまり、いつか爆発してしまいます。食事など手を抜けるところは抜いてしまえばいいのです。
離乳食一つにしても、すべてを手作りでしないといけないわけではありません。ちょっと疲れたなと思ったら、市販のものを上手に利用すればいいのです。少しの手抜きが心の余裕をつくってくれます。
子供は笑顔のママが好き
ワンオペ育児に苦しんでいるママは、どうしても笑顔が少なくなっていきます。お子さんの前で疲れた顔や怖い顔をすることが多くなってしまいがちなので、子供にとってもよくありません。
子供は笑顔のママが大好きです。その笑顔を絶やさないために、なんでも一人で抱え込まないようにしましょう。完璧にしようとせず、程よく手を抜き、自分の時間を作るようにしてください。
各自治体には、育児ママをサポートするサービスがたくさんあるはずです。どうすればいいのかわからなくなったら、まずは一度窓口に相談に行ってみることをおすすめします。