他の洋服と同じように洗濯しているはずなのに、汗の臭いが染みついていると悩んでいる方も多いのではないでしょうか。洗濯後はできれば、爽やかな香りの洋服を着たいものです。
そこで今回は、洋服に染み付いた汗の臭いの落とし方についてご紹介していきます。現在、洋服の臭いに悩んでいる方は、ぜひ参考にしてくださいね。
汗臭さの正体
そもそも汗自体には臭いはありません。それではなぜ、洋服に汗の臭いが染みつくのかというと、繁殖した雑菌に理由があります。
雑菌は汗や人の皮脂、角質をエサとして好みます。これらをエサと雑菌が大繁殖することで臭いの元となる物質を作り、その物質が汗臭い原因となっています。
汗をかいた直後は臭いがしなくても、数時間後に洋服が汗臭くなっているのはこのためです。雑菌が繁殖し、汗臭い原因となる物質をつくるには1~2時間ほどといわれています。
しかし、雑菌は夏場など高温多湿を好むため雑菌が通常よりも繁殖しやすい環境になります。夏場に、洋服の汗の臭いが気になることが増えるのはこのためといえるでしょう。
臭いが落ちない理由
洗濯するまで時間があきすぎる
前述したとおり、汗をかいた洋服をそのままにしておくことで雑菌が繁殖し、汗の臭いが染みつきます。そのため、汗をかいた洋服を洗濯するまでの時間が長くなれば長くなるほど、汗の臭いが染みついてしまいます。
汗をかいて汚れた洋服はその日のうちに洗濯するのが理想です。一人暮らしの方やどうしても当日に洗濯ができないという場合は、雑菌の繁殖を防ぐために除菌スプレーを利用してみるのも良いかもしれません。
しかし、スプレーはあくまで雑菌の繁殖を防ぐためのもので、汚れは落ちません。できるだけ当日に洗濯するように心がけましょうね。
洗剤を入れすぎている
洋服に染みついた汗の臭いを落とそうと通常よりも洗剤の量を増やしている場合は、逆効果になる場合があるのでやめましょう。
洗剤は洗濯物の量に対して使用量があり、量を増やしたからといって洋服がきれいになるというわけではありません。それどころか、量が多すぎることで洗剤が全て溶けなかったり、すすぎをしても洗剤が残ってしまう可能性があります。
洋服に洗剤が残った場合、その残った洗剤が雑菌を増やす原因となりその洋服を着ることでさらに、汗の臭いと混ざり悪循環となってしまいます。
洗濯後、すぐに干さない
忙しいからといって洗濯が終わったあと、そのまま放置しているのであれば、洗濯後すぐに干すようにしましょう。
せっかく洗濯をしてきれいになってもそのまま洗濯機やカゴの中にいれたままだと、その状態から洋服が蒸れ雑菌が繁殖してしまいます。
雑菌が繁殖しないようにするためにも、洗濯後はすぐに干すことが大切ですよ。
臭いの落とし方
粉末洗剤を使ってみる
洋服に染み付く汗の臭いとなる皮脂やタンパク質汚れは、弱酸性の性質を持ちます。洗濯用の液体洗剤は中性や弱酸性のものが多いため、汚れ落ちをよくするために弱アルカリ性の粉末洗剤の使用はおすすめです。
粉末洗剤は液体洗剤よりも洗浄力が強いため、汗の臭いも取りやすいというメリットがありますがその分色落ちに注意が必要です。
また、粉末洗剤の量が多すぎても衣類に残りカスとして付着し、そこから雑菌が繁殖する可能性があるため使用量には気をつけましょう。
酸素系漂白剤を入れて洗う
粉末洗剤の使用に抵抗がある場合は、酸素系漂白剤を使用してみるのも良いでしょう。ドラッグストアなどで簡単に購入でき、色柄ものの洋服にも使えるので便利です。
使い方も簡単で、いつも使用している洗剤と一緒に入れて洗濯をするだけです。漂白剤には汗や汗の臭いの原因となる雑菌を分解してくれる効果があります。
臭いがまだ取れない場合は、30分ほどつけ置きするとさらに高い効果があります。しかし、つけ置きすると洋服によっては色落ちする場合があるため十分注意してくださいね。
重曹を使う
重曹も汗の臭い取りに有効な方法です。重曹は弱アルカリ性の性質を持つため、皮脂などのタンパク質汚れの除去に高い効果が期待できます。
使い方も簡単で、小さじ5杯ほどの重曹に水1リットルを混ぜ、重曹水を作りその中に汗の臭いが染みついた洗濯物をつけ込むだけです。つけ込む時間は30分ほどを目安とし、その後は普通に洗濯しましょう。
色落ちが気になる洗濯物は、十分注意して行うようにしてくださいね。
熱湯で洗う
汗の臭いが染みついてどうしても取れないという時の最終手段が、熱湯で洗う煮洗いです。この方法はクリーニング店や医療関係者の衣類の除菌にも使われており、80~100度の熱湯で臭いが気になる洗濯物を煮ます。
煮沸消毒のようなもので、10分ほどを目安に煮込み、その後しっかりとすすぐだけですがやけどには十分注意しましょう。
汚れがある場合は洗剤を入れて煮込むことで、さらに効果がアップします。しかし、色落ちは避けることができないため、煮込む洋服は十分選ぶことをおすすめします。
洋服に汗の臭いをつけない予防方法
肌着を着用する
汗の臭いは洋服に汗がしみこんでしまうことで起こります。お気に入りの洋服に臭いが染みつくのを防ぐために、日頃から肌着を着用しましょう。
肌着は汗を吸収してくれる働きがあります。そのため、大切な洋服に直接汗がしみこむことを防ぐため、安心できます。また、体温調整の働きもあるため、冷房が気になる夏場の室内でも効果的ですよ。
除菌・抗菌効果がある洗剤を使う
普段使用する洗剤を除菌・抗菌効果があるものへと変えてみるのもおすすめです。除菌・抗菌効果で洗濯後の雑菌の繁殖を予防してくれます。
また、紫外線には雑菌の繁殖を防ぐ効果があるため、天気が良い日はできるだけ洗濯物を日光に当てるように心がけましょう。
洗濯機も定期的にクリーニングを
汚れをきれいにしてくれる洗濯機ですが、毎回の洗濯で洗濯槽の裏側には洗濯で残った皮脂が蓄積され、汚れている場合があります。
雑菌の繁殖を防ぐためにも、洗濯機も定期的にクリーニングすることをおすすめします。最近ではスーパーなどで簡単に洗濯機の洗浄剤が販売されています。自宅の洗濯機で使えるかどうかを確認して、定期的にクリーニングしていきましょう。
また、洗濯後もフタを閉めた状態にしておおくと庫内に雑菌が繁殖しやすくなります。洗濯後はすぐにフタを閉めずに、中を十分乾燥させることも重要ですよ。
人の汗には本来、臭いはなく洋服に汗が染みこみ雑菌が繁殖することで汗の臭いが染みついていきます。汗の臭いを取るには、洗浄力の強い粉末洗剤や重曹・酸素系漂白剤の使用、煮洗いといった方法があります。
洗浄力の強い方法はその分、洗濯物にダメージを与える可能性が強いため、色落ちが気になる洋服は十分注意しましょう。