満腹で寝るのは気持ち良いんだけど、健康への悪影響も大きいんですよ

「寝る前に食べるのは良くない」「食べてすぐ寝ると牛になる」と言われていますが、その理由はご存知ですか?

「太るから?」もちろんですが、それだけではないんです。

実は、満腹の状態で寝てしまうことで、恐ろしい健康被害や病気を引き起こしてしまう恐れがあるんです。

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満腹になると眠くなる理由

満腹になったら眠たくなってきたという経験は多くの方がされていますが、その理由は大きく3つあると言われています。

1.脳に血液が回らなくなるから

満腹になるということは、それだけたくさんの食べ物が胃腸に入っているということです。

その食べ物を消化するために胃を中心とした消化器官に血液が集中し、脳の血液が少なく
なってエネルギー不足に陥り、活動が低下するために眠たくなってしまうというものです。

2.自律神経のはたらきでリラックスするから

自律神経は身体を活発に動かすときにはたらく交感神経と、睡眠中など身体を休めているときにはたらく副交感神経の二つからできています。

食事は気分を落ち着けて行うものであるため、食事を行うと副交感神経が活発にはたらくようになり、心身ともにリラックスした状態になり、心臓の機能も抑制されてゆっくりと動くようになります。

食事の量が増えれば増えた分副交感神経が活発にはたらくようになるため、眠たくなってしまいます。

3.血糖値の上昇

お米やパンなどの炭水化物や砂糖は消化するとブドウ糖に変化します。

ブドウ糖は血糖値を上昇させ、上昇した血糖値を下げて正常な状態に戻すために膵臓(すいぞう)よりインスリンが分泌されます。

インスリンは脳内物質に影響を与え、睡眠ホルモンとも呼ばれているメラトニンを分泌させます。このメラトニンのはたらきで眠たくなってしまうんです。

満腹で寝るのは気持ち良いんだけど、健康への悪影響も大きいんです

健康への悪影響とは

仕事の都合などで夕食が遅い時間になってしまったり、寝る前にどうしてもお腹が空いてつまみ食いをしてしまうということもあるかと思います。

しかし、胃に食べ物が残った状態で眠ろうとしても、消化活動のために胃腸がはたらき続けているため寝付きが悪くなり、熟睡もできなくなって睡眠の質が低下してしまいます。

睡眠の質が低下すると、美容と健康に欠かせない成長ホルモンが十分に分泌されず、肌荒れや太りやすい体質の原因になってしまいます。

また、睡眠中の消化は起きている時よりも胃腸への負担が大きくなってしまいます。それにより腸内環境が悪化したり、代謝も下がってしまいます。

腸内環境が悪化すると、以下のような症状が現れます。

・便秘
・肌荒れ
・お腹が張る
・病気になりやすく治りにくい

また、代謝が下がると以下のような症状が現れます。

・翌日になっても疲れが取れない
・身体がだるい
・肩こりや腰痛

お腹の中に食べ物が残った状態で眠ることは、お肌にも身体にも良くないことがわかりますよね。

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食べてすぐ寝ることが引き起こす恐ろしい病気

食べてすぐ寝ることで引き起こされるのは、代謝の低下や腸内環境の悪化だけではありません。

食事をするとインスリンが分泌され、血糖値を正常に戻そうとするということは先述の通りですが、食べてすぐに寝るとこれが行われなくなってしまい、血糖値がなかなか下がらなくなってしまいます。

これを繰り返すことで、糖尿病のリスクが高まってしまうんです。

また、眠った状態では胃酸も上手く分泌できず慢性胃炎や胃潰瘍などのリスクが、横になることで胃酸が逆流が起こりやすくなり逆流性食道炎のリスクが高まります。

満腹による眠気の対策方法

満腹になっても眠たくならないようにするために、次の4つの対策方法が挙げられます。

満腹になるまで食べない

昔から「腹八分目」と言いますよね。

食べる量が増えれば増えるだけ消化にエネルギーが必要になり、体中の血液が消化器官に集まって眠たくなってしまいます。

腹八分目を心掛けて、普段よりも食べる量を抑えるようにしましょう。

食事の内容を見直す

白いご飯やパン、パスタ、砂糖など精白加工された食品や加工食品、人工甘味料は人間の消化器官への負担が大きい食品です。血糖値も急激に上昇するため、それを抑えるためにインスリンも大量に分泌され、眠気や低血糖を招いてしまいます。

精白加工された食品を完全に断つことは難しいと思いますが、加工食品や人工甘味料は避けて玄米や全粒粉、きび砂糖などの精白されていない食品を意識して摂るようにしましょう。

また、食べる順番としては

お腹に溜まりやすい汁物→食物繊維の豊富な野菜や果物→肉や魚、豆類や芋類といったたんぱく質→米やパンなどの炭水化物

という順番で食事を行うことで、血糖値の上昇を緩やかにすることができます。

よく噛んでゆっくり食べる

食事はよく噛んで食べるようにしましょう。よく噛むことで満腹中枢が刺激されて腹八分目で食事を終えることができますし、急激な血糖値の上昇も防ぐこともできます。さらに、きちんと咀嚼しておくことで胃腸への負担も減らすことができて一石三鳥です。

ガムを噛む

眠たくなったのが朝食・昼食後であれば、ガムを噛んで脳を覚醒させる方法がおすすめです。歯磨きをするのもいいですね。

夕飯は就寝の3〜4時間前までに済ます

睡眠時にお腹の中が空っぽの状態にするためには、就寝の3〜4時間前には食事を済ませておく必要があります。22時に就寝する方であれば、18〜19時には食事を済ませておく計算になりますね。

仕事の都合などでどうしても夕食が遅くなりそうなときは、夕方におにぎりやバナナなどで小腹を満たしておき、帰宅後にはスープやヨーグルトなど消化に良いものを少しだけ食べるようにしましょう。

満腹で寝るのは気持ち良いんだけど、健康への悪影響も大きいんですよ

就寝前に控えたいもの

どうしても夕食が遅くなりそうなときは、夕方に小腹を満たして、夜は消化に良いものをと言いましたが、逆に就寝前には控えるべき食べ物もあります。

・カフェイン
・アルコール
・揚げ物やスナック菓子、肉類など脂っぽいもの
・スイーツなど糖分の多いもの
・胃腸に刺激となるスパイシーなもの

こういった覚醒効果のある食べ物や消化の悪い食べ物は睡眠の質を悪くしてしまうので、就寝前には避けるようにしましょう。

食べてすぐに寝ると「エネルギーが消費されずに脂肪になってしまう」というだけでなく、恐ろしい悪影響や病気を引き起こしてしまいます。就寝3〜4時間前までには食事を終え、お腹が空っぽの状態で眠るようにしましょう。