「セカンドミール効果」を意識した食生活の3つのメリット

食事をする際に、野菜から食べると体にいいと聞いたことはないでしょうか。野菜は消化に時間がかかることから、急激な血糖値の上昇を抑え、ダイエットにはもちろん、健康にも良いことから、食事の際に食べる順番は大切だとされています。

さらに食後血糖値の上昇度を示すGIに注意して食べるものを意識することは、糖尿病を予防するためにも大切なことです。このことから、1日の最初に食べる食事が、2回目の食事、つまりセカンドミールの血糖値に深く関係することが分かってきました。この効果とは一体どんなものなのか、健康を意識した食生活について、詳しくご紹介します。

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「セカンドミール効果」とは?

食べたものによる血糖値の上昇値を、GIという値で示すことを提唱した、カナダのトロント大学のジェンキンス博士によって発表されたのが「セカンドミール効果」です。

食事の際に、野菜を先に食べると血糖値が上がりにくくなるため、太りにくいとされ、これは「ベジファースト」と呼ばれています。ただしこれは1回の食事についての方法です。これに加え、セカンドミール効果とは、1日の最初の食事が2回目の食事に影響を与えるとする理論です。

具体的には、ファーストミール(朝食もしくは1日の1回目の食事)で、食後の血糖値の上昇を抑える食物繊維の多い食べ物、そして低GI値の食事を摂ることで、その日の2度目の食事を食べた後まで、血糖値上昇抑制効果があるということです。

「セカンドミール効果」を意識した食生活の3つのメリット

セカンドミール効果を意識した食生活のメリット

セカンドミール効果を意識した食事を摂ることで、以下のようなメリットがあります。

糖尿病の予防

通常、食事をすると血糖値は上がります。健康な人の体の場合は、血糖値を下げるためにインスリンが膵臓から分泌されますが、血糖値が常に高い状態が続くと、血管が痛み、膵臓の働きも低下してしまいます。その結果かかってしまうのが糖尿病です。

ただしセカンドミール効果を意識した食生活をしていれば、急激な血糖値の上昇を抑えることができるため、結果的に糖尿病の予防につながります。

ダイエット効果

高GI食品も、低GI食品も、摂取すればすぐに血糖値は上がります。ただし高GI食品はすぐに血糖値が下がります。そのため空腹をすぐに感じてしまい、食事や間食を繰り返し、短時間で血糖値が上下するため、カロリーの消費が追いつかず、肥満の原因となるのです。

セカンドミール効果を意識した食事を心がけると満腹感が持続します。適切な量を摂取すれば、高GI食品や低GI食品を制限する必要もありませんし、間食で余分な糖質や脂質を取り込むことなく、食事で取り入れた糖質がエネルギーとなって消費されるため、代謝が正常に行われます。そのためダイエット効果につながるのです。

食事のバランスが取れる

生活習慣病の原因の一つに、不規則な食事があげられます。朝食を抜く、また夕食のドカ食いなどがこれにあたります。仕事が忙しい、またゆっくり食べる時間がないといった理由から、昼食がしっかり食べられないと必要な栄養を摂取できず、偏った食事になりがちです。

セカンドミール効果を意識した食事をすることで、昼食で栄養バランスの良い食事が取れなくても、カバーすることができます。つまりファーストミールはその日1日の体のための食事ともいえるのです。

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セカンドミール効果を意識した食事の摂り方

効果を得るための具体的な食事は、今までの食事で高GIの食品を低GIの食品に置き換え、さらに水溶性食物繊維を意識して取り込むことが基本です。特に水溶性食物繊維は、脂質や糖質の吸収を抑える働きがあるため、血糖値の上昇をゆるやかにしてくれます。

高GI食品であるパンを朝食に食べている場合は、全粒粉パンにする、もしくはさらにGI値の低い玄米や五穀米、もち米といったご飯を主食にするといいでしょう。一緒に食べる副食も、野菜を中心に食物繊維を取り入れます。

さらに昼食や夕食でも、高GI食品を低GI食品に置き換えることを意識することで、ダイエット効果を上げることが可能となります。

「セカンドミール効果」を意識した食生活の3つのメリット

セカンドミール効果のある食べ物は?

セカンドミール効果のある、朝食に食べたい成分を含む食べ物について、詳しくご紹介します。

ベータグルカンを含む食べ物

糖質の吸収を抑え、内臓脂肪を減らす働きのあるベータグルカンは、キノコ類や大麦、玄米、大豆製品に含まれています。

アルギン酸を含む食べ物

コレステロールを下げる働きのあるアルギン酸は、海藻類に多く含まれています。わかめやひじき、昆布、もずくなどです。

ペクチンを含む食べ物

悪玉コレステロールを減らし、整腸作用の働きに関わるペクチンは、リンゴを始め、大根やアボカド、みかんなどに含まれています。

ムチンを含む食べ物

タンパク質を分解する酵素を持ち、粘膜を保護し、細胞を活性化させる働きのあるムチンを摂るには、ネバネバした食べ物である山芋や里芋、オクラ、レンコン、なめこや納豆などがおすすめ。

食物繊維は水溶性と不溶性に分かれますが、両方をバランス良く摂取することで、腸内環境が改善されるため、両方がバランス良く含まれているゴボウやオクラ、納豆を食べましょう。

これらの食べ物は、朝食・昼食・夕食すべてに取り入れると血糖値の上昇を防ぎ、健康や美容効果のアップになりますよ。