切迫早産の原因は様々あります。母体側ではストレス、絨毛膜用膜炎という感染症、糖尿病・心臓病・腎臓病などの合併症、妊娠高血圧症候群、子宮頸管無力症、子宮筋腫、子宮奇形などが考えられます。
赤ちゃん側では多胎妊娠、羊水過多や過少、胎児機能不全などが考えられます。防ぎようもないことがほとんどですが、ストレスによる切迫早産も見過ごすことが出来ません。
今回はストレスが切迫早産の原因になることに注目します。
切迫早産とは
妊娠22~37週未満の時期に出産になってしまうことを「早産」といいます。「切迫早産」とは、早産になる一歩手前の状態をいいます。全妊娠の5~7%が早産の確率があります。
規則的な子宮収縮(お腹の張り)、出血、痛み、水様のオリモノが出た際に切迫早産を疑います。出来るなら1日でも多く、母体にいられるようにしたいものです。
切迫早産とストレスの関係
切迫早産には母体側と赤ちゃん側と様々な原因があります。中でも最近ではストレスによる切迫早産も増えてきました。妊娠中は普段よりもストレスの元になることが発生しやすく、それに加えて妊娠中はホルモンバランスが変わる影響で、感情のコントロールが難しくなったり、ストレスの影響を受けやすいのです。
ストレスや仕事の疲れなどで子宮収縮がおきやすくなり、早産の原因にもなります。
妊娠中はストレスが溜まりやすい
妊娠中はストレスが多く、コントロールが難しくなります。涙もろくなったり、普段何とも思わないことが悲しく思えたり。ホルモンバランスの影響でストレスの影響を受けやすくなるので、普段より注意が必要です。妊婦に受けるストレスには様々なものがあります。
1.職場ストレス
最近では女性の社会進出が増え、女性も社会で活躍するようになりました。それに伴い、出産のギリギリまで働いたり、周りに迷惑をかけまいと、体調が優れなくても無理して働く人も増えています。理解のない上司、周りからのプレッシャー、最近ではマタハラなんてこともあります。
2.妊娠中の体調や体の変化
つわり、体重増加、マイナートラブル、妊娠線、むくみ、抜け毛、腰痛他、挙げればきりがないくらいたくさんあります。女性にとって、短期間で体重が増えることや特に抜け毛や妊娠線などは気になることだと思います。
3.今後の不安
子供を産むのが怖い、お金がない、育てていいけるか、仕事の不安、入院中上の子どうしようとかこれから先たくさん不安に思うことも。
4.家庭内のこと
夫との生活、親との同居などもストレスの1つとして挙げられます。慣れない新婚生活、嫁姑問題でストレスを受けることも多いです。
5.行動が制限されること
妊娠中は、走ってはダメ、うつ伏せになってはダメ、これは食べない方がいい、あれはダメ、これもダメなど避けなければならないことも多く、それがストレスになることも。
6.暇すぎる
お仕事を辞めて専業主婦の方は、特にこの暇すぎることも苦痛になることもあります。今までは働いていたりして人と話したり、社会で活躍していたのに、仕事を辞めてからは日中は誰とも話さない時間が出来たり、仕事で活躍している友人が羨ましく思えてしまうことも。妊娠中は無理が出来ない、行動も制限されるのでぼんやり過ごすことも多くなります。
7.自分の体調や赤ちゃんの発育の不安
無事に産めるかなという不安、つわりの体調不良、赤ちゃんに問題があると言われたなど、これも不安材料になります。
8.切迫早産で入院中のストレス
切迫早産で入院すると、それもストレスになる方とても多いです。トイレ以外は動いてはいけない、家族の心配、自分自身の不安、ベッドでの生活などが嫌になってしまこともあります。
結構、妊娠中のストレスって挙げてみると多いことに気づきます。
切迫早産の症状
多くは定期健診で判断されることが多いですが、定期健診までに気になる症状があったら即診察を受けて下さい。
切迫早産の症状として・・・
1.お腹の張り
お腹の張りは多くの妊婦が週数が増すほど経験するので、切迫早産と気付かないことも。
すぐに治まる程度の張りなら問題なく、安静状態で規則的にお腹が張ったり、10分間隔より短く張るようでは要注意です。
2.下腹部痛や背部痛
張りを伴った痛みや、痛みが強くなる時は子宮収縮が始まっていることも。
3.出血
出産前の「おしるし」が始まっていることもあります。
4.破水
尿の様な感じで、ポタポタと垂れてきたり、ジャーと出てきたりと様々ですが、これも緊急を要します。破水してしまうと、雑菌が入りやすくなります。
切迫早産の予防法
最初にも述べましたが、切迫早産には様々な原因があります。
今回はその中でもストレスによる切迫早産を防ぐ方法をご紹介します。ストレスを溜めないように、または上手に発散する方法を集めてみました。
1.発想を変える
(1)出産の怖さ
出産は遅かれ早かれやってきます。誰だって怖いです。いつ何があるか分からないものです。それでも世のお母さんは乗り越えていけてます。産むしかない、何とかなる!と腹をくくることも必要です。
(2)体の変化
妊娠中は様々な体の変化があります。ああ・・・と思わず嘆いてしまいたくなることも。
赤ちゃんが無事お腹の中で成長している証だと今は考え、この時を乗り切りましょう。出産が終わればきっと良くなる、赤ちゃんのいる楽しい生活の為にと前向きに考えましょう。
2.音楽を聴いたり、DVDを観る
出産してからは育児が大変で、なかなかのんびり音楽を聴いたりDVDを観てる余裕も暇もないです。今のうちに観ておきましょう!
3.散歩をして気分転換
専業主婦の方は予定がない時以外、案外家に閉じこもりっきりの方も少なくはないようです。毎日散歩に出掛けて、気分転換をしましょう。
4.誰かと話して、気持ちを吐き出す
つい不安なこと、愚痴、たくさんあると思います。特に育児経験者の先輩ママさん、同じ境遇の妊婦さんは心強い味方になってくれます。話すだけでもストレスが軽くなります。
5.1人じゃない!
切迫早産で入院してみると、ツライのは自分だけじゃないことに気付かされます。入院になった場合は、同室の方に積極的に話して情報交換してみるもの良いですね。こういう場でお友達が出来ることもあります。
6.赤ちゃんの為に頑張ろう
『お母さんの人生のたったの数ヶ月間、赤ちゃんの為にあげてください』といった産科の看護師さんがいました。ツライことも多いかもしれません。ですが、ずっと続くわけではありません。
切迫早産になってしまったら、早めに適切な治療や安静で、出来るだけ長く赤ちゃんをお腹にいさせてあげられるよう、ストレスには気を付けましょう。