家族でのお出かけや遠足など、車に乗ったときに気になるのが子供の車酔い。酔って吐いてしまうと折角の楽しみが台無しに…。何より子供が一番辛いので何とかしてあげたいですよね。子供の車酔いを改善するために親ができる方法をご紹介します。
子供の車酔いの原因は?
子供の車酔いは一体どうして起こるのでしょうか。その原因を探ってみます。
三半規管の平衡感覚を刺激
人間の耳にある三半規管は、揺れを察知してバランスをとります。車に乗って大きな揺れを体感することで、この三半規管が刺激を受け、バランスを取ることができなくなってしまい気分が悪くなる症状、つまり車酔いとなって表れます。
2歳ぐらいの子供はほとんど平衡感覚が発達していないので車酔いはあまりありませんが、3歳を過ぎると平衡感覚が取れるようになるため、車酔いの症状が起きやすくなります。
視覚や嗅覚、精神面が原因のことも
耳の平衡感覚だけではなく、視覚や嗅覚が刺激されることも車酔いの原因となることがあります。また身体が疲れていたり睡眠不足の場合や、不安や心配など精神的に不安定な状態にも車酔いの症状が出やすくなると言われています。
車酔い対策として親ができること
子供が車酔いで吐いたり気分が悪くなっているのを見るのは、親としてとても辛いものです。何とかしてあげたいパパやママのために親ができる対策をご紹介しましょう。
(1)乗り物は揺れにくい席に座らせる
飛行機であれば翼の近くか前方の席に、船は中央あたりの席、バスであればタイヤの上を避けて、なるべく前方に座らせてあげましょう。幼稚園や学校の遠足のときにはあらかじめ先生にお願いしておくと安心です。
(2)空腹または満腹状態は避ける
朝ごはん抜きで車に乗ってしまうと、車酔いをした場合、胃が空っぽの状態のなので吐くものがなくとても辛い思いをします。逆にたくさん食べて満腹の状態では食べたものを大量に吐いてしまう可能性があります。車に乗る前の食事は消化が良い物を腹八分食べるよう、加減してあげてください。
(3)視覚への刺激を減らす
視覚への刺激も車酔いの引き金になるので、車内では手元や近くのものを見ず、なるべく遠くの景色を眺めるよう子供に優しく教えてあげてください。車内でスマホのゲームをするのは絶対におすすめできません。
(4)楽しい会話をして気持ちを明るく
度々車酔いをする子供は、酔ったらどうしよう…と不安に思い続けているので、余計に酔いやすい状態になっています。車の中で楽しい会話やしりとりなどをして気分を紛らわせてあげましょう。好きな音楽をかけて一緒に歌うのもいいですね。
(5)車酔いに効くツボを押してあげる
手の平にある手心(しゅしん)というツボや、手首の小指側にある神門(しんもん)というツボは車酔いに効くと言われています。親指で10回ほどツボを押してあげると、車酔いが少し改善するかもしれません。
何より「ここを押すと治るよ。」と優しく声をかけながらツボ押しをしてやることで、子供の安心感につながりますし、子供が自分でも覚えておまじないのようにツボ押しすることで車酔いがなくなるかもしれません。
(6)前日はしっかり睡眠を
身体が疲れていたり睡眠不足の状態では、車酔いになるリスクがとても高いです。家族でのお出かけや学校の遠足などの前日は疲れをためずに早めに休ませてあげてください。早起きの習慣をつけておくと夜は早めに寝るようになるので、数日前からリズムを作っておくといいですね。
(7)車内にニオイがきつい物は避ける
強いニオイがする車の芳香剤を入れていたり、親自身が香水を多くつけていると、密室である車内はそれだけで香りまみれの状態になります。ニオイによる嗅覚への刺激も車酔いの原因のひとつ。子供が快適に過ごせるよう無臭にするか、香りは控えめにしてください。
もし酔ってしまった場合は…?
酔ってしまった場合の対策や準備も親としての大切な役目。万が一のことを考えてしっかり把握しておきましょう。
衣服をゆるめて楽にしてあげる
身体をリラックスしてあげることが先決。ベルトやリボンなど身体をしめつけているものを外したり、衣類のボタンを開けるなどして、楽に過ごせるようにしてあげます。
シートを倒して横にさせる
座った状態では身体を休めづらいので、一度シートを倒して横にし、子供が楽な姿勢になるように工夫してください。
車を止めて一度降りる
狭い車内では車酔いの症状が改善されないことがあります。一旦車を止めて外の空気を吸わせることも大切。気分転換になって症状がおさまることがあるので試してみてください。
無理にガマンさせずに吐かせる
子供は一度吐いてしまうと後はケロッとしていることが多いもの。あそこに着くまではガマンして!などと言って子供を追い詰めずに、思いきって吐かせてあげてください。吐いてしまえば車酔いで苦しんでいたのがウソのように笑顔で過ごすことができるかもしれません。
酔い止めの薬を上手に活用
車に乗る度に酔う体質の子供には、酔い止めの薬を飲ませて安心させてあげるのもおすすめです。事前に飲んで車酔いを予防したり、酔った場合に飲んで症状を軽くすることもできます。
3歳から飲める薬もあり、形態もドロップタイプやシロップタイプなどいろいろ。薬を飲むことで車酔いに対する恐怖心が和らぐのもメリットです。
車酔いのストレスをなくして楽しいドライブを
大人でも苦しい車酔いは、小さな子供にとってはとても大変で大きなストレスになります。車酔いをしない工夫や対策を親がしてあげることで、かなり改善されるはずです。何よりも子供を安心させてあげるのが一番。車酔いをしない快適な環境を作って、家族みんなで楽しいひとときを過ごしてくださいね。