腹筋をきれいに見せるために、シックスパックを作ることがブームになりましたが、今アブクラックスという腹筋の縦線をきれいに見せることがブームになっています。腹筋を鍛えるためにすぐに始めたいトレーニングについて、詳しくご紹介します。
「アブクラックス」とは?
アブクラックスとは、「腹筋」であるAbsと「溝」のCrackを組み合わせた造語で、お腹の真ん中と左右に縦の線が入った腹筋のことをいいます。海外のセレブやモデルたちがSNSなどで写真を投稿し、話題になりました。
きれいなボディラインというと、痩せた体を連想しがちですが、ただ痩せるだけでは不健康に見えてしまいます。そこから筋肉を鍛えてきれいな体を作るブームが起きましたが、男性のようなシックスパックの腹筋は、もともと脂肪が多い女性の体ではハードなトレーニングをしても難しいのが現状です。そこまでハードなトレーニングをしなくても、ほどよく体を引き締めれば作ることのできるアブクラックスは、女性らしい腹筋としても注目されているのです。
アブクラックスにこだわると危険な場合も
腹筋は縦に分かれていて、いわゆるシックスパックは、腹直筋という筋肉からできています。腹直筋は肋骨下~恥骨まで真っ直ぐお腹を覆う左右に2本ある筋肉です。この筋肉を横に区切っている腱画という腱によって、腹直筋は細かな動きができるようになっています。
さらに2本の腹直筋の左右両側にある筋膜線維が縦の線を作っていて、これは白線と呼ばれます。アブクラックスは、この白線が表面に出ている状態のことを指します。
シックスパックは横の腱画の数は人それぞれで、必ず腹筋が6つに分かれるという訳ではなく、8つに分かれる人や4つしか分かれない人もいます。さらに腹直筋を鍛え、体脂肪をかなり落とさないと、シックスパックスを表面に出すことは難しいため、腹直筋をつなぐ線維である白線をくっきりと出すことは、トレーニングをしっかりすれば比較的簡単なのです。
ただしこの白線の幅やその深さは、遺伝子によって決まるため、トレーニングをして腹筋を鍛えても、皆同じようにはなりません。「モデルの人はあんなにくっきり線が出てるのに」と無茶なトレーニングをしたり、痩せようとして食事を抜くようなハードなダイエットをするのは、逆効果にしかならないということも覚えておきましょう。
アブクラックスが手に入らなくても、腹筋を鍛えることは無駄ではありません。きれいなボディラインを手に入れるためにも、健康的なトレーニングにチャレンジしましょう。
アブクラックスを作る筋トレ
アブクラックスを手に入れるために、まず行いたいのが腹筋の筋トレです。腹直筋を緊張させ、緩めるというトレーニングを繰り返すことで、筋肉に刺激を与えることになります。
1.横になって行う筋トレ
1.仰向けに横になり、膝を立てます。
2.両手を伸ばし、ももの上に置きます。
3.息を吐きながら、上半身を起こしていきます。
4.手のひらが膝のところまで来たら、そのままキープします。
5.息を吸いながら上半身を戻していき、肩甲骨が床についたらそのまま頭を付けずにキープします。
慣れるまではゆっくりでも構いませんが、起きるまでに3秒、戻すまで4秒を心掛けてリズム良く繰り返してみましょう。
2.キープクランチ
1.仰向けに横になり、足を真上に上げます。
2.そのまま膝を曲げて床に対して90度になるようにして足をキープします。
3.両腕を頭の後ろで組み、上半身を持ち上げます。
4.ちょっときつい感覚のところまで頭を持ち上げたまま、10秒ほどキープします。
5.ゆっくり頭を下ろします。
こちらの動画を参考にしてみてください。
他に2種類トレーニングがありますが、クランチに慣れてきたらやってみましょう。
3.椅子に座ってできる筋トレ
1.背筋を伸ばして椅子に座り、足を腰より上に上げます。
2.膝を曲げてふくらはぎと床を平行に伸ばします。
3.両手をつま先の方にまっすぐ伸ばし、膝を胸に引き寄せます。
4.足を引き寄せる動作を繰り返します。足がキープできる間は繰り返しやってみましょう。
こちらの動画を参考にしてみてください
筋トレ以外に必要なこと
シックスパックを作るためには、体脂肪は10%程度落とす必要があるとされています。ただし女性の場合はここまで体を絞るのはかなりハードな筋トレが必要になってしまいます。
アブクラックスの場合は、腹筋を鍛えることに加え、有酸素運動で全身を引き締めることも効果があります。以下のことをアブクラックスの筋トレと共に、毎日行うようにしましょう。
有酸素運動で体脂肪を落とす
筋トレは筋肉を鍛えることができますが、体脂肪を落とすためには有酸素運動を行う必要があります。ウォーキングやマラソン、水泳など、20分から30分以上行うことで効果が出ます。さらに毎日続けることが必要です。家でできる有酸素運動にはヨガがあります。ハードな動きはしませんが、じっくり取り組めるためストレス解消にもなります。
栄養バランスの取れた食事をする
食事を制限することは、一時的な体重を減らすことにはつながっても、筋肉まで落ちてしまい逆効果です。筋肉を作るたんぱく質のほか、ビタミンやミネラルを含む野菜も食べるようにし、体の代謝機能を上げるようにしましょう。
規則正しい生活をする
筋トレや運動で負荷をかけた筋肉は、しっかり休ませることでさらに鍛えられます。入浴で体をしっかり温め、睡眠時間をしっかり取るようにしましょう。質のよい深い眠りにつくことで、成長ホルモンが分泌され、筋肉がしっかりと補修されます。
アブクラックスの溝の深さや幅は、遺伝子によって決まるため、トレーニングをしても線が出ない場合もあります。しかしお腹についた余計な脂肪を落とすことは、体をきれいに見せるだけでなく、筋肉をしっかり動かすことで内臓の働きもアップさせますので、無理をしないようじっくりと筋トレを行いましょう。