厄介なくせ毛を改善したいと考えた時に、まず思い浮かぶのが矯正パーマなどではないでしょうか。薬品を使って矯正する方法は、確かにすぐに効果はあるのですが、永久ではないので何度もかけ直さなくてはいけませんし、高温で髪を伸ばすためどうしても髪の毛が傷んでしまいます。

またそこまでひどくなくても、雨の日や梅雨の時期になると髪の毛がいうことをきいてくれないといったことがあり、髪の毛がまとまらないといったことも起こります。この厄介なくせ毛を髪の毛を傷めることなく改善する方法をご紹介します。

日本人のほとんどはくせ毛?

くせ毛とは、本来真っ直ぐに生えてくるはずだった毛根が何らかの原因で曲がっていて、うねった状態で髪の毛が伸びている状態をいいます。ただし日本人の7割は何らかのくせ毛で、真っ直ぐな髪の毛の人はほとんどいないのが実情だといわれています。そのくせ毛の程度が違うだけで、朝ヘアセットがうまくいかなかったり、湿気が多い日に髪の毛がまとまらないといったことが起きるのです。

きれいなストレートヘアになりたい、ということから、美容室で縮毛矯正をおこなう人が多くいましたが、強い薬品を使い、高熱で髪を伸ばすことから、縮毛矯正がかえって髪の毛や頭皮にダメージを与えてしまうこともいわれるようになりました。ただしくせ毛は毎日のお手入れやヘアケアの方法によって、今の状態より改善することは可能なのです。

広告

くせ毛にもタイプがある

くせ毛というと、髪の毛が縮んでいる状態のことをいうと考えがちですが、実は毛根の形が曲がっていて、そこから伸びる髪の毛の形状によって大きく4つのタイプに分けられます。直毛の場合、毛根がまっすぐで、そこから生える髪の毛も真っ直ぐです。くせ毛の人は毛根が、くの字、もしくは傘の柄のように曲がっており、伸びる髪の毛もねじれてしまいます。

波状毛タイプ

日本人に最も多くあるくせ毛のタイプです。ゆるくウェーブがかかっていたり、強くくせがついていることもあり、また左右が別々の方向にねじれているといったこともあるなど様々です。このタイプの特徴は湿気に弱く、雨の日や梅雨などの時期には髪の毛がふくらみます。

縮毛タイプ

一番くせが強く出ているくせ毛で、チリチリと縮れていることからチリ毛とも呼ばれます。日本人だとこの縮毛に捻転や波状タイプなどが組み合わさっていることもあります。

捻転毛タイプ

ねじれた状態のくせ毛で、髪質が柔らかい人に多く見られるくせ毛です。一定の間隔で髪の毛が表裏交互にねじれていて、ストレートヘアにも見えます。髪の毛が広がり、ボリュームが出てしまうため、まとめるのが難しいという特徴があります。先天性と後天性があり、先天性の場合は思春期に自然に改善されることがほとんどですが、後天性の場合は病気が原因のことも多く、病気の治療が必要です。

連球毛タイプ

膨らんだ部分と細くなった部分が交互に、数珠のように連なることから、連珠毛とも呼ばれます。肉眼では確認することが難しく、細い部分はもろいので脱毛の要因として見つかることもあります。原因ははっきりしていませんが、遺伝することが分かっています。

捻転毛と連球毛は、一般的にいわれるくせ毛とは違い、縮毛矯正をしても直すことはできません。逆に症状が悪化することもあるため、注意が必要です。

関連記事:「髪のうねり」を改善する方法

くせ毛の原因はたくさんある

くせ毛になる原因としては、以下のものがあります。

先天的要因・遺伝によるもの

くせ毛は先天性の遺伝によるものが多いとされています。両親がくせ毛の場合は9割、片方がくせ毛でも7割は遺伝するとされています。

後天的な要因によるもの

毛穴のつまりによるもの

シャンプーの洗い残しや整髪料、皮脂の過剰分泌、老廃物などで毛穴がつまると、髪の毛のターンオーバーが正常におこなわれず、真っ直ぐ髪の毛が伸びることができない環境であることからくせ毛になってしまいます。

髪の毛の乾燥によるもの

髪の毛はタンパク質でできていますが、ここに含まれる水分のバランスが崩れると髪の毛が真っ直ぐになりません。水分バランスが崩れる原因としては、シャンプーの成分や洗い方、ドライヤーの使い方などもあります。

加齢やホルモンバランスの乱れによるもの

成長などでホルモンバランスが乱れると、髪質が変化することがあります。特に女性は妊娠や出産、閉経など女性ホルモンが大きく変化することが多いため、髪の毛の質が大きく変化します。さらに加齢によって頭皮にたるみが起こり、毛穴の形が変わることもくせ毛につながります。

食生活の乱れやダイエットによるもの

脂質や糖質の多い食生活は、毛根のつまりなどを引き起こしますが、合わせて髪の毛に必要な栄養分が不足してしまうため、健康な髪の毛が成長できない原因になります。特にダイエットをしていると、髪の毛が痩せてしまい、リバウンドでまた髪の毛が膨らむを繰り返してしまい、くせ毛につながります。

この原因をきちんと把握していないと、くせ毛を直すためと思ってしたり使ったシャンプーや髪の毛のクリームが、くせ毛を悪化させていることになっていることもあるのです。

広告

体の外側から改善する方法は?

髪の毛にダメージを与えないドライヤーを使う

髪の毛を乾かす際には、早くしっかり乾かすこと、そして高温で長時間ダメージを与えないことが必要となってきます。もちろん乾かす際に髪の毛から20cm以上離して使い、早く乾かすことが必要ですが、パワーのないドライヤーだとどうしても時間がかかってしまいます。風量の強いドライヤーを選びましょう。

関連記事:髪が痛まないドライヤーの使い方

傷みにくいヘアアイロンを使う

薬品を使う縮毛矯正をするよりも、自宅でヘアアイロンを使って髪の毛を伸ばすのがおすすめですが、熱を加えるため少なからずダメージはあります。できればダメージの少ない、ヘアアイロンを使いましょう。

髪の毛にダメージを与えないシャンプーを使う

くせ毛を直すシャンプーはそもそもありませんので、髪の毛自体にダメージを与えない、また頭皮のケアができるシャンプーを選びましょう。洗浄力の強いシャンプーだと、かえって髪の毛や頭皮の乾燥が進んでしまい、くせ毛が悪化することがあります。縮毛矯正を何度もしていて髪の毛にダメージをかなり受けている場合は、ダメージケア用のシャンプーを選ぶようにしましょう。

正しいシャンプーをおこない、髪の毛の拭き方にも注意する

髪の毛を洗う際にはしっかり湿らせ、手でシャンプーを泡立てるようにします。また熱すぎるお湯は髪の毛にダメージとなりますので、ぬるま湯を使い、すすぎもしっかりおこなうことが必要です。さらに髪の毛を拭く時にこするように拭くのは髪の毛に大きなダメージを与えます。タオルに水気を吸わせるよう、軽く叩くようにして拭くことが大切です。

保湿をする

くせ毛にとって乾燥は大敵です。外出する際にはスタイリング剤などで水分が奪われてしまわないよう予防も必要です。ただし髪の毛を洗う際にはきちんと落とさないと頭皮にダメージを与えてしまいますので、注意が必要です。

体の内側から改善する方法は?

くせ毛を直すには、外側だけでなく体の内側からのケアも必要です。

体を温めしっかり睡眠を取る

ホルモンバランスを乱れさせないためには、しっかり睡眠を取ることと体を冷やさないことが大切です。ウォーキングなど毎日続けられる運動をおこない、温かい食べ物や飲み物を摂るようにしましょう。

紫外線を浴びないようにする

紫外線は髪の毛に大きなダメージを与えます。水分を奪われることにもつながりますので、外出時はもちろん、家にいる時にも髪の毛に紫外線が当たらないよう注意しましょう。

食事に気をつける

健康な髪の毛を育てるためには、偏った食事は大敵です。食事制限などはせず、バランスのとれた食事を心がけることが必要です。またインスタント食品や甘いものの摂りすぎにも注意が必要です。

くせ毛は程度の違いはあれ、誰にもあり、また起こり得ます。それ以上悪化させることのないよう、毎日のヘアケアに注意すると共に、生活改善も合わせておこなっていきましょう。