決して少なくない子宮外妊娠の原因や症状

受精した受精卵は、通常は子宮の内膜に着床するのですが、子宮の内膜以外のところに着床してしまう子宮外妊娠は決して珍しいことではなく、他人事ではありません。妊娠初期はいろいろなトラブルが起こりやすく、子宮外妊娠もその一つです。今回は決して少ないくない子宮外妊娠の原因や症状などをご紹介します。

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子宮外妊娠の原因

子宮内膜以外に受精卵が着床してしまう子宮外妊娠は、妊娠検査薬で陽性反応が出るので、病院で子宮外妊娠と言われショックを受ける方も多いです。子宮外妊娠のほとんどが、卵管への着床です。卵管以外には腹腔内に着床する場合もありますが、ごくわずかです。

子宮外妊娠が起こってしまう原因は、卵管異常です。

性感染症(クラミジア等)を経験したり、中絶、虫垂炎や腹膜炎などで過去に手術をした経験が影響している場合が多く、特に腹部の手術では、卵管の周囲を手術することによって、卵管が癒着してしまう場合もあります。

やっかいなことにこの癒着は、手術以外でも起こる可能性があります。例えば虫垂炎で手術をせずに薬での治療を行った場合でも、卵管が癒着していたというケースがありますから、「手術していない=癒着はない」とはなりませんので注意が必要です。

他にも、遺伝的に卵管機能に何らかの障害がある場合にも子宮外妊娠を起こす可能性があります。

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子宮外妊娠の兆候や症状

子宮外妊娠は残念ながら自覚症状がでないことがほとんどです。子宮外妊娠の明らかな兆候としては、「出血」や「下痢」があります。ただし、出血は子宮外妊娠でなく、正常に妊娠していても起こることがありますから、出血があるからといって、必ずしも子宮外妊娠に結びつくわけではありません。下痢も正常な妊娠でも起こりますから、出血の場合と同じように、必ずしも子宮外妊娠に結びつくわけではありません。

子宮外妊娠は生命に関わる場合もありますから、出血した場合は子宮外妊娠の可能性を考えて、すぐに病院を受診するようにしましょう。

次に子宮外妊娠の症状ですが、無症状の方もいれば、頭痛や軽い吐き気、腹痛などが起こる方もいます。これらはつわりの症状とも似ていますから、症状だけで子宮外妊娠を判断することは非常に難しいです。

ただ、子宮外妊娠が進行すると、卵管で赤ちゃんが成長するので、腹痛が起こったり、赤ちゃんの大きさに耐えられず卵管破裂を起こすことがあります。

決して少なくない子宮外妊娠の原因や症状

命に関わる卵管破裂とは

子宮外妊娠によって起こる卵管破裂は非常に危険なものです。

受精卵が卵管に着床すると、子宮内膜ではありませんが成長します。当然卵管でそのまま赤ちゃんが成長を続けることはできませんから、早い段階で流産したり卵管破裂を起こしたりします。卵管破裂は、大量出血を起こす可能性が高く、命に関わることもあるとても恐ろしいものです。

万が一卵管破裂が起きた場合は、早急に開腹手術で卵管を取り除かなければなりません。ですから、卵管破裂を起こさないためにも、子宮外妊娠の兆候や症状を見逃さないことが重要です。

子宮外妊娠の治療法

子宮外妊娠の治療法には、「薬物療法」「待機療法」「手術」があります。

薬物療法は、現在の日本ではあまり普及されていないので、受けられる病院と受けられない病院があります。この薬物療法では、「mtx」という抗がん剤を使用します。日本での普及率は高くありませんが、欧米では一般的な方法です。薬物療法では、卵管や卵巣を切除せずに残すことができるのが最大のメリットです。卵管や卵巣が残るので、妊娠出産することが可能です。

薬物療法の副作用として、吐き気や白血球減少などの症状があらわれる場合もあります。

待機療法は、赤ちゃんが組織に自然に吸収されたり、流産するのを待つ、いわゆる経過観察する方法です。じっくり経過観察を行いながら、その経過によっては急な手術が必要になることもあります。経過が良ければ、3つの治療法の中ではもっとも体への負担が少ない治療法です。

手術は子宮外妊娠の治療としては一般的で、開腹し妊娠組織を切除します。以前は帝王切開のような開腹手術が一般的でしたが、最近では腹腔鏡手術が一般的になっています。

子宮外妊娠は卵管への着床がほとんどなので、卵管自体を切除してしまいます。卵管を切除しても、もうひとつの卵巣と卵管に異常がなければ、この先妊娠することは可能です。

決して少なくない子宮外妊娠の原因や症状

子宮外妊娠後の妊娠や再発率

子宮外妊娠を経験すると、次の妊娠も子宮外妊娠だったら・・・と怖くなってしまい、中には妊娠を諦めてしまう方もいます。

再度子宮外妊娠をする確率は、約10%~20%でそう高くはないのではないでしょうか。卵管の切除手術を行った場合でも、約70%~80%の方が自然妊娠していますので、子宮外妊娠を経験したからといって、次の妊娠に対して悲観的になる必要はないでしょう。

多くの女性が子宮外妊娠後、自然分娩で出産しています。しっかりパートナーと話し合いをすることが大切ですね。

再発を防ぐために、性感染症の検査を受けるなどのリスク管理を行うことが大切です。