断食の効果と正しいやり方

一定期間食事を摂らない断食は、宗教における修行としてとらえられることが多かったのですが、現代ではダイエットや医療行為としても行われるようになっています。ただし断食は、正しい方法で行わなければ生命に関わることもあるため、注意が必要です。そこで今回は、断食をすることで得られる効果と、知っておくべきやり方を詳しくご紹介します。

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断食の効果は?

断食とは、正式には3日以上食事を絶つことをいいます。修行などで長期にわたって断食を行うものもありますが、健康な体であっても何の準備もせずにいきなり食べることをやめてしまうのは危険です。そのため、ダイエットや医療として断食を行う際には、3日以上の断食の場合は、専門家や指導者のいる施設に行って適切な指導を受けながら行うのが安全だとされています。

一般的に家庭で行う断食としては、半日もしくは1日断食が安全でかつ効果があるとされています。その効果として、以下のようなものが挙げられます。

内臓を休ませる効果

断食をすると、胃腸に食べ物が入らなくなるため胃腸の働きを休ませることができます。そのため胃腸での消化活動に必要だったエネルギーが、体の代謝など他の働きに使われるようになり、結果的に体の老廃物などを排出することにつながります。

脂肪が分解されるダイエット効果

普段私たちの体の機能は、外から取り入れる食べ物を分解してエネルギーとして活動を行っています。断食をすると、食べ物が入ってこないため、体内の脂肪を分解しエネルギーへ変えるのでダイエットにつながります。

デトックスの効果

消化に必要とされていたエネルギーが、血液の循環や代謝に回り、老廃物が排出されるのと同時に、体内にたまっている有害物質も、脂肪が減っていくのと同時に排出されます。そのため体の中にある毒素が排出されるデトックスの効果につながります。

美容や健康の効果

日常生活を行う上で、エネルギーの生産の過程で体の中に活性酸素が発生します。活性酸素は普通に生活していても増えますが、ストレスや紫外線でも増え、蓄積すると老化が進み、健康にも影響を及ぼします。

断食をすると体内での活性酸素の生産量が減るため、美容効果や健康につながることになります。

断食をすることで、便秘が解消したり、また肩こりや腰痛が改善するといった効果もあります。これらも断食によって老廃物が排出され、血行が良くなり、体がリセットされることによる効果です。断食は正しく行うことで、健康を維持することにつながるのです。

断食の効果と正しいやり方

断食の正しいやり方

断食ダイエットを家庭で行う場合、半日、1日、3日と行うのがおすすめです。準備もなくするのは体もついていけませんので、だんだんに慣らしていきましょう。

半日の断食のやり方

朝食を抜く方法です。夕食から昼食まで、18時間空ければいいだけなので、夕食を昼食に合わせて調整しましょう。どうしても朝食を抜くのが辛い場合は、量を減らすことから始め、野菜ジュースに切り換え、水に切り換え、最終的に抜くようにしてもいいでしょう。また昼と夜は朝食を抜いたからといって、量を増やすと意味がありませんので、いつもの量よりも減らし、8割ほどにします。夕食は遅くとも夜9時半までに終えるようにします。

1日断食のやり方

土日の週末や休日を利用し、1日断食をします。朝起床してから夜寝るまでの間、水分以外は何も口にしないようにします。1日断食をした次の日には、復食を行います。1日かけて普段の食事に戻す方法です。

断食後の最初の食事は、おかゆに同量のお湯を加えた半かゆを食べます。その次の食事は普通のおかゆにします。その次の食事は普段食べている量の半分、とだんだんに戻していきます。この時の食事は、胃腸に負担をかける肉や魚、脂、砂糖などを使ったお菓子などは食べないようにしましょう。断食の後は食欲が出てきますが、急に大量の食事をしたり、先に挙げた食べ物を食べると、胃腸を痛めてしまいます。

3日断食のやり方

3日断食は、1日断食を3日間行い、この3日間は水だけしか飲まないようにして過ごします。ただし水だけの方法は専門家の指導を受けないと危険なので、3日間断食を行う場合は、酵素ドリンクを食事と置き換えるのがおすすめです。水と違って栄養が補給できますし、空腹を紛らわすこともできます。3日間置き換えを行った後は、1日断食と同じように、1日かけて復食して、戻していくようにしましょう。

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断食の注意点

断食は特別な道具などは必要なく、食事をしないことで胃腸の働きをリセットできる方法ですが、いきなり行うことはおすすめできません。体調などが悪い時にはしない方がいいですし、いきなり1日や2日、と断食をするとかえって体調を崩すこともあります。

まずは朝食を抜く半日断食から始めてみましょう。それに慣れてきたら月に1回、2回と1日断食にチャレンジしてみましょう。復食のやり方に慣れてきたら、3日断食にチャレンジしてみましょう。ただし断食をしている間に、眠くなったり空腹がひどくなることがあります。こういった時にはしっかり眠り、酵素ドリンクを飲むなどして対応しましょう。

断食の効果と正しいやり方

断食に向いていないタイミングやしない方がいい人は?

断食はすぐに健康の効果が出る方法ですが、減量やダイエットが第一目的ではありません。胃腸を休ませることで、体の自律神経を整え、体の中にある老廃物を出すことが目的です。そのため、以下に当てはまる人は断食はおすすめできません。

断食をしない方がいい人

・やせている人
・持病がある人
・定期的に薬を飲む必要がある人
・妊娠している人
・疲労やストレスがたまっている人
・生理中の女性
・子供(特に成長期)

断食ができなくても、夜遅くに食べる習慣がある人は、夕食を抜くことでも胃腸を休めることにつながります。断食は体調の良い時や、余裕のある時に行い、月に2回や3回でも毎月続けてみるようにしましょう。