汗が増えたと感じる場合に考えられる、2種類の「多汗症」とは?

皆さんは汗で悩んだことはありますか?気温や季節に関係なく、汗をかきやすいことで、人前で恥ずかしい思いをしたことはありませんか?

実は多汗症には、その裏に病気が関わっていることもあるのです。汗をかきやすい体質を、一言で「汗っかき」と終わらせず、その内容をしっかりと確認して見てください。今回は、多汗症の種類とその原因を細かく紹介したいと思います。

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多汗症は2種類に分けられる

そもそも、多汗症とはどのような内容のことを指すのでしょうか。下記に、代表的な多汗症の症状を挙げてみます。

・運動などをしておらず、安静にしているのに汗をかいている状態
・汗のせいで日常生活に支障が出ている状態
・汗を継続的にかくため、その箇所の皮膚がふやけてしまっている状態
・汗をよくかく場所が、水虫になっていたり感染症になってしまっている状態

このような状態が、一般的には多汗症で悩んでいる人の症状と言えます。

多汗症と聞くと、単純に「汗がでやすい状態」を想像する方も多いのではないでしょうか。しかし、その多汗症も実は2種類に分けることができ、1つ目は原発性多汗症、そしてもう1つが連発性多汗症です。次の章では、2種類の多汗症に関して、詳しく説明します。

汗が増えたと感じる場合に考えられる、2種類の「多汗症」とは?

原発性多汗症の原因と特徴

多汗症で悩む多くの方は、この原発性多汗症だとされています。多汗症である以外、体はいたって健康なことが大きなポイントでしょう。

原因

原発性多汗症は、遺伝子的な要因が関わっていることが多く、発汗を引き起こす為の神経が過敏になってしまうことにより汗をかきやすくなっているのです。

特徴

・子供の頃から汗をかきやすかった
・就寝中は発汗せずに、起きている間に汗をかく
・汗を書く場所が体の中で左右対称(両脇、両手など)
・大量に汗を書く頻度は、少なくとも週に1回

このような発汗をする方は、原発性発汗症と言えるでしょう。先に説明した通り、汗をかきやすいこと以外、特に健康に問題がないことが特徴です。こちらは体質と言えますので、放置しても問題ないでしょう。

しかし、原発性多汗症に本気でお困りの方は、病院で発汗を抑える薬なども処方してもらえます。さらに、根本から汗を止めたいと希望がある方には、手術にて汗腺を破壊することも可能です。長い間発汗に悩んでいる方は、一度医師に相談してみてはいかがでしょうか。

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続発性多汗症の特徴と原因(病気)

連続性多汗症に関しては、様々な要因が関わっているとされています。下記に、その症状を細かく紹介します。ご自身に当てはまるものがあるかどうか、確認して見てください。

原因

色々な原因が関係している連続性多汗症ですが、その中でも精神的なストレス、薬の副作用や病気、疾患が絡んでいるケースがあります。

特徴

連続性多汗症は遺伝ではなく、何かしらの原因があるために多汗症になってる可能性があります。子供時代には多汗症に無縁だったのにも関わらず、大人になってから急に汗をかきやすくなった方は要注意です。さらに、就寝中にも汗をかき続けてしまったり、全身もしくは部分的に汗を書くようになった方も連続性多汗症を疑って良いでしょう。また、左右対称に汗をかく原発性多汗症に比べ、続発性多汗症は発汗箇所が左右非対称です。

連続性多汗症は、何かしらの体の異変に伴い発症している可能性があります。しっかりと原因を解明し、正しい治療を受ける必要があります。

汗が増えたと感じる場合に考えられる、2種類の「多汗症」とは?

自律神経失調症

体の自律神経のバランスが乱れてしまう病気です。このバランスが乱れることで汗をかきやすくなるのですが、それ以外にも下記の症状が挙げられます。

めまい
・耳鳴り
・頭痛
・吐き気
・しびれ
・のぼせ
・不整脈
・血圧が不安定
・下痢や便秘

症状にも個人差はあるものの、汗をかきやすくなった以外に、このような症状が気になる方は要注意です。

更年期障害

40代以降の女性にみられ、最近はよく耳にするようになった更年期障害ですが、20代でも同じ症状が見られるようになりつつあります。この更年期障害はホルモンのバランスが乱れることが原因だとされています。更年期障害は、女性ホルモンが減少することで発汗調整が難しくなり、結果として大量に汗をかいてしまうことが挙げられます。さらに、ホットフラッシュと呼ばれる体のほてりなども代表的な症状です。

糖尿病

糖尿病にかかると神経障害がおこるために、体の下半身で発汗できなくなってしまいます。その為に、代わりに上半身で発汗しようとするのです。上半身のみで汗をかきやすくなった方は、要注意と言えるでしょう。

パーキンソン病

パーキンソン病は、手や足が個人の意思とは関係なく、震えてしまう病気として有名です。40代から50代に多くみられるこのパーキンソン病は、脳内のドーパミンが減少することにより発病すると言われています。このパーキンソン病にかかると自律神経にも障害が出るとされていて、異常発汗もその対象になります。

発汗以外にも、震えが止まらなかったり、筋肉のこわばりを感じるような症状があるばあいには、内科や神経内科などを受診して見るのが良いでしょう。

甲状腺疾患

バセドウ病としても知られるこの疾患ですが、甲状腺ホルモンが増加することによって新陳代謝が活発になり、結果として汗をかきやすくなります。体重の増減、静かにしているのにも関わらず動悸や息切れ、倦怠感、手の震えなどの症状が一緒に出ている場合には、病院にて相談が必要になります。

汗が増えたと感じる場合に考えられる、2種類の「多汗症」とは?

正しい治療方法を

一言で汗をかきやすいといっても、その裏には怖い病気が隠されているケースがあることを忘れてはいけません。大人になってから汗をかきやすくなった方は要注意でしょう。あなたの多汗症は体からのSOSかもしれません。少しでも発汗異常を感じる方は、一度医師に相談してみても損はないでしょう。