肌の水分量が不足することで起きる乾燥肌。手で触るとごわついたり、化粧がうまくのらないといったことだけでなく、どの化粧品を使っても改善しない、また化粧品の刺激が怖くて化粧ができないといったことも起こるため、改善が必要な状態です。また普段何気なくしている肌のお手入れが、乾燥肌を悪化させていることもあります。そこで今回は乾燥肌のスキンケアでしてはいけないことと共に、改善するためのスキンケアの方法について、詳しくご紹介します。
乾燥肌の原因は？
乾燥肌は見た目でもカサついていますが、実際には肌の内部の角質層で、水分を保持している成分が何らかの原因で減少してしまい、肌表面のバリア機能が低下した状態のことを指します。
角質層は外部の刺激から肌を守る働きをするのですが、バリア機能が弱まると、肌から水分が逃げやすくなってしまいます。この肌のバリア機能が弱まる原因には、以下のことが考えられます。
空気の乾燥によるもの
秋冬など外の空気が乾燥する季節には、乾燥肌になりやすい傾向にあります。また空調の効いた部屋で過ごす人も、乾燥肌になりやすいといえます。エアコンは空気中の水分を冷やしたり暖めることで温度調節をする仕組みになっているため、使用している間部屋の空気が乾燥しやすくなります。
紫外線のダメージによるもの
角質層は紫外線のダメージを受けやすく、肌内部の保水成分が破壊されてしまうと肌表面のバリア機能も低下してしまいます。紫外線は外出しているだけでなく、家にいても窓のガラス越しに浴びてしまうことがありますので、対策が必要です。
また乾燥肌を悪化させてしまうからと、日焼け止めを塗らないという人もいますが、これは逆です。日焼け止めを塗らないと紫外線でさらに乾燥肌を悪化させることになります。保湿をしっかりしてから日焼け止めを塗るようにすれば問題ありません。また日焼け止めも美容成分や保湿成分が配合されたものを使うようにすれば、その上から化粧をしても肌に刺激とならないのでおすすめです。
間違ったスキンケアによるもの
メイクを落とす際のクレンジングの成分によっては、肌に必要な皮脂まで洗い流してしまうことがあります。また何回も洗顔を繰り返したり、ナイロンタオルやブラシなどで力を入れてこすることも肌に負担をかけ、ダメージを与えてしまいます。また自然乾燥も肌が乾くときに一緒に水分を奪ってしまい、乾燥させてしまいます。
お湯の温度が高すぎることによるもの
入浴時のお風呂のお湯の温度や、洗顔をする時に使うお湯の温度が40度以上など、高すぎる場合、洗顔時に肌に必要な脂質を一緒に洗い流してしまい、肌のバリア機能が低下してしまいます。
水分を拭き取るタオルによるもの
濡れた肌を拭く時に、力を入れてこすることも肌へのダメージになります。またタオルが古いと硬くなるため、肌にダメージを与えやすくなります。逆に濡れているタオルも雑菌が繁殖しやすく、肌のダメージとなるほか、乾燥肌の場合は悪化させる原因にもなります。
ストレスや疲労、生活習慣の乱れによるもの
ストレスや疲労、そこから来る睡眠不足や不規則な生活によって、十分な栄養と急用が得られないことも肌の調子を狂わせ、肌の新陳代謝が正常におこなわれなくなることから乾燥肌を招きます。
喫煙によるもの
タバコを日常的に吸う習慣があると、肌の調子を整えるビタミンが不足しがちになります。またタバコの煙が肌にダメージを与えてしまいます。さらに喫煙は体の血行を悪くするため、肌に必要な栄養分や水分が常に不足する状態になってしまいます。
加齢によるもの
加齢でだんだんと肌内部の水分や脂分が減少するため、肌が乾燥しやすくなります。また加齢で女性ホルモンが減少することも、肌を乾燥させる一因となっています。ただし加齢で肌は乾燥するものと諦めず、スキンケアで不足している成分を補うようにすれば、それほど急速にダメージが進行しないですみます。
乾燥肌の原因は、大きく8つあります。心当たりがあるものはないでしょうか？
スキンケアでやってはいけないことは？
乾燥肌を悪化させないためにも、スキンケアの時にやってはいけないことをご紹介します。
熱いお湯を使う
乾燥肌の状態は、通常よりも肌が乾燥しやすくなっています。そこで熱いお湯を使って洗顔すると、汚れと一緒に皮脂が溶け出してしまい、肌が無防備な状態になってしまいます。またシャワーを顔に当てることも刺激となりますので、ぬるま湯を手ですくって使うようにしましょう。
ミスト化粧水を使う
肌が乾燥しやすいからといって、普段化粧した顔の上からミスト化粧水を使っていませんか。実はこれが乾燥肌を悪化させる原因となります。含まれている成分に水が多いと、水が気化したときに肌の水分も一緒に奪ってしまうためです。日中の肌の乾きが気になる場合には、保湿成分が入っているものを使うようにしましょう。
クレンジングオイルを使っている
メイクを落とす際に使っているクレンジングの中でも、オイルタイプはマスカラなど落としにくいメイクでもきれいに落とすことができるため、使っている人も多いアイテムです。ただしオイルタイプはメイクをしっかり落とすのと同時に、皮脂も落としやすいため乾燥肌を悪化させてしまいます。アイメイクなど落としにくい場所だけにオイルクレンジングを使い、他の部分はクリームやミルクタイプのクレンジングを使うようにすると、肌の刺激を抑えることができます。
乾燥肌に合ったスキンケアのやり方
乾燥肌を悪化させないためにも、乾燥肌に合わせたスキンケアをすることが必要です。洗顔の時はもちろん、洗顔後のケアも正しくすることが乾燥肌を改善することになります。朝の洗顔から化粧をする前のケア、そして化粧を落とすまでの1日の肌のお手入れから、乾燥肌向けのスキンケアの方法をご紹介します。
朝の洗顔
乾燥肌の場合、あまり洗いすぎないほうがいいからという理由から、洗顔料を使わずに洗うという人もいます。ただし寝ている間に肌は汗をかいたりしていますので、意外に顔には多く皮脂が残っています。ひどい乾燥肌の場合はなるべく刺激を与えないほうがいいのですが、それほどでもない場合には洗顔料を使って洗顔をするのがおすすめです。ただしすすぎにはぬるま湯を使うこと、こすらずに押さえるように水分を取ることを心掛けましょう。
化粧をする前のスキンケア
化粧をする前にしっかり保湿ケアをしましょう。化粧水は保湿成分の配合されたものを使用します。手の平でしっかりなじませた後、美容液やクリームを塗りましょう。ティッシュオフをするか、肌表面が乾いて落ち着いたら日焼け止めや日焼け止めが配合された下地を塗るようにしましょう。
化粧を落とす時のクレンジング
クレンジングはオイルではなくミルクやクリームを使います。ただしアイメイクなどポイントメイクは、ミルクやクリームのクレンジングではしっかり落とせないので、ポイントメイク用のクレンジングやリムーバーを使い、先に拭き取るようにします。
まずきれいに手を洗ってからクレンジングをします。クレンジングは顔の中でも皮脂が多いTゾーンに先になじませます。その後、あご周りと頬になじませ、ぬるま湯ですすぎます。目の周りや口元は最後にクレンジングをなじませます。こすらないよう、クレンジングをしっかりなじませてから洗い落とすようにしましょう。
クレンジングの後の洗顔
クレンジングをした後の洗顔も、先にTゾーンとあご周りを重点的に洗います。洗顔料をしっかり泡立ててから乗せ、指の腹で泡を肌になじませるようにします。この時指でこすったり強く押さないように注意しましょう。目元や口元は泡を乗せるだけで十分です。
ぬるま湯で肌の表面にぬめりがなくなるまで、何度かすすぐようにします。さらにこの時髪の生え際や耳の下、あごと首の境目などには泡が残りやすいので注意しましょう。すすぎやすいからといって、シャワーを使うのはやめましょう。勢いがあるので必要な皮脂まで落ちやすくなってしまいます。
洗顔後の拭き取り
洗顔後に顔を拭く時には、タオルを使いますが、こするように拭くと肌にダメージとなりますので、軽く押さえるようにして水分を取るようにしましょう。また柔らかいティッシュで軽く押さえる方法もあります。またタオルは清潔なものを使うようにし、古いタオルは硬くなって刺激になりますので、定期的に買い替えるようにしましょう。
洗顔後のスキンケア
化粧水はコットンに含ませる方法や、手の平に出してなじませる方法とがありますが、どちらの場合も強く叩くようなことはせず、そっとなじませるようにします。また一度に出すのではなく、少量ずつ指の腹でなじませるようにするのがコツです。
美容液やクリームは、皮脂の多いTゾーンなどは少なめにします。肌の状態を見ながらこちらも少量ずつなじませるようにしましょう。最後に両手の手の平でハンドプレスし、しっかり仕上げます。また乾燥がひどい部分には重ねづけするようにします。
乾燥肌の方は、ぜひこちらのスキンケア方法を取り組んでみてください。
乾燥肌におすすめのアイテム
乾燥肌を改善するためには、改善する成分が含まれている化粧水や美容液、クリームなどを使うようにしましょう。
セラミドやレチノール
肌の表面を保護する油膜の役割を持っています。それによって肌内部での肌の修復や免疫力を上げることにつながります。レチノールには、コラーゲンを増やす働きもあり、肌の弾力を回復させることになります。
ワセリンやヘパリン
蒸発してしまいがちな水分を肌でキープするための保湿効果を高めてくれます。ハンドクリームに多く使われている尿素も同じ効果があります。
ビタミンC誘導体
肌の修復や生成に関わり、肌の酸化を防ぎます。また紫外線ダメージを軽減してくれる効果もあります。
乾燥肌は肌がダメージを受け、弱っている状態なので、まずは肌になるべく刺激を与えないためにも、しっかりと保湿をすることが必要です。加齢でも肌の水分量は減ってしまいますが、これらの保湿成分が配合されたスキンケア商品をきちんと使い続けることで、補うことは可能です。
また乾燥がひどい場合には、天然のオイルを使ったケアもおすすめです。オリーブオイルやココナツオイルなど自然のものから作られたオイルは、肌に優しくなじみます。先にオイルをマッサージしながらすりこみ、いつもの化粧水や美容液のケアをするようにします。
乾燥肌対策のスキンケア以外の方法
スキンケアだけでは肌を守ることはできませんので、化粧下地や化粧品でも乾燥肌の対策がされているものを選ぶようにしましょう。また体を冷やしたりすることは血行を悪くし、肌に必要な栄養分が行き届きません。きちんと栄養バランスの取れた食事をし、規則正しい生活を送ることが乾燥肌の改善につながります。
睡眠不足や疲労が重なると、肌の調子は低下してしまいます。スキンケアだけではなく、日頃の生活や食事を見直し、体の内と外から乾燥肌を改善していきましょう。
