我が子が将来大物に?親なら知っておきたい「シュタイナー教育」とは

ドイツが発祥のシュタイナー教育。教科書はなく、子供の体と心、そして精神の発達を考えた独自のカリキュラムで12年の一貫した教育が行われます。

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「シュタイナー教育」とは?

シュタイナー教育は、オーストリア出身のルドルフ・シュタイナーがドイツのヴァルドルフ・たばこ工場の労働者のために設立した学校で行われた、独自の教育のことを言います。

シュタイナー教育における人間のとらえ方

シュタイナー教育では、人間は4つの構成体からなると考え、それぞれに発達する段階に合わせた教育プログラムが用意されています。

物質体

体そのものが物質であるととらえます。0歳の時にすでに形成されています。ここから7歳までの間に体作りや生活のリズムを作っていきます。

生命体

エーテル体ともいい、成長や繁殖を司る力で、7歳頃に形成されると考えます。ここから14歳までの間に、感情を成長させるために芸術とふれ合います。

感情体

アストラル体ともいい、快や不快に基づく行動や思考、知力や判断力を伸ばしていきます。14歳ぐらいに形成されます。

自我

今までに培ってきたことが結実し、21歳の時に形成されると考えます。

この7年ごとの節目を大切に考え、シュタイナー教育ではプログラムを用意しています。さらに12年間一貫した教育を行うことで、段階を踏み、自分自身で考え、判断ができる人間に育てることが目的です。

世界中にシュタイナー学校があり、日本では7つのシュタイナー学校がありますが、12年間シュタイナー教育を受けることができる学校と、小学校の間だけシュタイナー教育を行う学校があります。ただ、一貫した教育方針とプログラムを行わなければならないため、日本での普及は進んでいないのが実情です。

我が子が将来大物に?親なら知っておきたい「シュタイナー教育」とは

シュタイナー教育の特徴と内容

シュタイナー教育では、独自の教育カリキュラムがあり、普通の学校とは違う教育方針がとられています。

エポック教育

同じ教科を2週間から3週間集中して学ぶ方法です。この間は他の教科の学習はしません。集中し、一度忘れることで得た知識が体験となって積み重なると考えられています。

オイリュトミー

体を使った表現を行い、周りと協力し助け合うことを学びます。詩を朗読しながら体を動かし、言葉の響きを感じることも行います。

水彩

シュタイナー教育でよく紹介されるのが、にじみ絵と呼ばれる水彩の技法です。赤と青、そして黄色の3色の絵の具を使い、色を作り出すことから感性を育てます。

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シュタイナー教育で大切にされるもの

道具を使わない

テレビやゲーム、映画といったメディアとふれ合うことを禁じ、絵本や紙芝居も使いません。お話のみで子供の想像力をふくらませるようにします。

生活のリズムを重視する

子供が安心して授業を受けられるよう、落ち着いた環境を作り、規則正しい生活を過ごせるよう配慮します。

芸術活動を組み合わせる

歌ったり詩を朗読したり、体を動かすなど、常にどの教科も芸術活動を組み合わせます。

教科書を使わない

教科書を使わない代わりに、先生が黒板に書く字や絵をノートに書き写すのが授業です。シュタイナー教育では、一人一人の個性に合わせて先生が考えた授業をしていきます。そのノートが子供たちの教科書になります。

テストがない

成績を競うのではなく、学ぶことへの興味や知ることの喜びが大切にされるため、試験や点数をつけることはありません。1年の終わりには、担当の教員から成長の記録が伝えられます。

自然素材にこだわる

子供が触れるものや食べるものは、その素材によって成長に影響が出ると考えられていることから、自然素材のみつろう粘土やみつろうクレヨンを使います。また算数の勉強の時にはどんぐりを使ったりします。

シュタイナー教育では、学校に入学するまで読み書きは行わないなど、早期教育を行わないと言った方針もあります。

シュタイナー教育を受けた子供はどうなる?

シュタイナー教育を取り入れている幼稚園や保育園に通う場合と、シュタイナーの学校で一貫授業を受けた場合とでは、その影響に差があります。特に一貫授業を受けた場合には、普通の小学校に通う子供とは違う個性が培われる傾向にあります。

そのため、海外ではシュタイナー教育を受けた後、自分で事業を興したり、有名な芸術家の道を歩む人などが多くいます。

シュタイナー教育を受けた子供に見られる長所

・自分で考えて行動ができる
芸術的な感性が伸びる
自立した人間になる

シュタイナー教育を受けた子供に見られる短所

人の感情が読み取れない子供になることがある
・普通の小学校に行っている子供よりも行動が遅いことがある

この他、通常の教育よりも勉強の進み具合が遅く、ついて行けなくなる、シュタイナー教育を取り入れている側の指導者によっては、画一的な指導をされ、シュタイナー教育の本質が反映されないといった問題点もあります。

我が子が将来大物に?親なら知っておきたい「シュタイナー教育」とは

家でもシュタイナー教育ができる?

テレビやゲームを禁止し、既製品のおやつを禁止し、天然素材のものを与える、そういったこだわりが前面にアピールされていることから「シュタイナー教育ってどうなの?大丈夫なの?」というイメージを抱いてしまうかもしれません。

シュタイナー教育を行っている学校や幼稚園では、見学ができるところがありますので、興味があればぜひ体験入学をしてみましょう。またそういった施設に入らなくても、家でも心がければシュタイナー教育の理念に沿った教育を実践することができます。

外で花や虫とふれ合う

家でテレビを見たり、ゲームをしたりという生活は、体を動かさないため成長期の体の成長に影響を与えます。親子で外に出て、自然とふれ合うことで、体を動かし、会話も生まれます。

一緒に絵を描く

シュタイナー教育で使うものと同じでなくても構いません。上手に描くことが目的ではなく、生活の中で絵を描くことにチャレンジしてみましょう。絵を描くことで、観察力が育ちます。

一緒に料理をする

子供の好奇心を刺激するのは、大人のやることを自分もやってみたいという興味から始まります。簡単なことでも、親子で一緒に始めてみましょう。

丁寧な生活をする親の姿に、子供は様々なことを学びます。親子で成長する教育、シュタイナー教育について、まずは家庭での規則正しい生活や丁寧な暮らし方から始めて見ましょう。