熱中症予防にならないかも。夏の水分補給に不向きな飲み物3つ

蒸し暑い日本の夏。毎年夏になると熱中症でたくさんの方が救急車で搬送されたり、自宅で寝込んだりしています。そんな熱中症予防のために必要となってくるのが十分な水分補給ですね。夏場はたくさんの汗をかくので体の中の水分がどんどん出ていき、脱水を起こしやすくなって熱中症を起こしてしまいます。水分補給は大切ですが、どんな水分でも良いかというとそうではありません。中には逆に熱中症を引き起こしてしまう飲み物もあります。そこで今回は夏の水分補給に不向きな飲み物をご紹介します。

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熱中症とは

夏にニュースでよく聞く熱中症。

命の危険にさらされることもある恐ろしいものです。

熱中症とは夏場の暑い状況で起こる健康障害の総称で「熱失神」「熱けいれん」「熱疲労」「熱射病」の4つに分類されます。

熱中症になりやすい年齢は0~4歳の乳幼児期、50代後半、80代前半で、女性よりも男性の方が熱中症になりやすい傾向にあります。特に乳幼児は汗腺が未発達なので体温調節がうまくできず、短時間で体温が上昇しますし、高齢者は体内の水分量が少なくなるため熱中症のリスクが上がります。

他にも肥満の方は脂肪により体の熱を放出しにくくなるので注意が必要です。

熱中症予防にならないかも。夏の水分補給に不向きな飲み物3つ

水分補給に不向きな飲み物

水分補給は単に水分なら何でも良いというわけではありません。水分補給に不向きなのはこの3つです。

1.ジュース

暑い夏はついつい自販機やコンビニなどで売られている甘いジュースを買って飲む機会が増えてしまいますね。ですが、ジュースは夏の水分補給には不向きです。

ジュースなどの清涼飲料水は、100mlあたり約10gものたくさんの砂糖が使われています。500mlのジュースなら約50gも入っています。50gといってもピンとこない方も多いかもしれませんが、角砂糖で換算するなら12.5個分です。

甘いジュースで水分補給をすれば、砂糖の過剰摂取となり、急性の糖尿病を引き起こしてしまいます。これを「ペットボトル症候群」といい、近年問題になっています。

ペットボトル症候群になると、摂り過ぎた糖分を尿と一緒に排出させようと尿の量が増えてしまい、熱中症を引き起こしてしまうことになります。また嘔吐や腹痛といった不調もあらわれます。

2.コーヒーや紅茶

コーヒーや紅茶といったカフェインが含まれた飲み物も、熱中症予防のための水分補給としては不向きです。

カフェインには利尿作用があり、尿の量が増えます。また腎臓の血管を拡張させて腎血流量を増やすので、腎臓機能が活発化して尿が増えてしまいます。

尿の量が増えるということは体内の水分が失われてしまうということなので、熱中症を引き起こすことに繋がります。あくまでも嗜好品として楽しみましょう。

3.アルコール

仕事帰りのビアガーデンなど、夏場はアルコールを楽しむ機会も増えますね。

アルコールもコーヒーなどと同様に利尿作用があることから、水分の補給にはなりません。特に夏に飲む方が多くなるビールにはカリウムが含まれているのでさらにその作用が強くなり、熱中症を引き起こす原因となります。

水分補給のために昼間からアルコールをがぶがぶ飲むということは控えましょう。

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熱中症予防になる飲み物

次に熱中症を予防できる飲み物をご紹介します。

経口補水液

経口補水液はもっとも熱中症予防に適した飲み物です。ミネラルと糖分がバランスよく配合されているので、体に吸収されやすいのです。味はスポーツドリンクと似ていますが、ちょっとお値段が高くなります。

経口補水液は自分で作ることもできますので、高いなと感じる方は自作しましょう。

ミネラルウォーター

ミネラルウォーターはただの水ですから、飲むと体内に吸収され、熱中症を予防してくれます。

スポーツドリンク

スポーツドリンクにはナトリウムやカリウムといったミネラル成分が含まれていますから、汗と一緒に失われてしまったナトリウムも水分と同時に補給できるのでおすすめです。

ですが、スポーツドリンクには糖分も含まれていますから、熱中症予防のためとはいえたくさん飲むとジュース同様にペットボトル症候群になりやすくなります。

スポーツドリンクを飲むならミネラルウォーターで薄めて飲むのがおすすめです。

麦茶

お茶でも、緑茶はカフェインが含まれているものもありますが、麦茶はノンカフェインなので水分補給におすすめです。特にミネラル入りの麦茶は体温を下げる効果がありますから夏場にぴったりです。

熱中症予防にならないかも。夏の水分補給に不向きな飲み物3つ

正しい水分補給の仕方

熱中症を防ぐための水分補給は、ただ単に飲めばいいというわけではありません。ぜひ正しい水分補給の仕方を覚えておきましょう。

温度

熱中症予防のためには水分の温度も大切です。クールダウンができて体への吸収も早いといわれているのが5~15度の飲み物です。これよりも冷たくなると、胃腸の機能が弱ってしまい夏バテになる可能性があります。

飲む量

大人は体の約50%が水分でできています。特に運動などをしなくても汗や尿、呼気などで約2.5L前後の水分が体内から出て行っています。ですから1日に1.5~2Lほどの水分を補給しましょう。

飲むときは1度にがぶがぶ飲まないで、少量をこまめに補給するようにしましょう。

飲むタイミング

水分を補給するタイミングは喉が渇く前です。喉が渇いたと感じたときには軽い脱水症状が起こっている状態です。夏場は汗で体内から水分がたくさん出ていきますので、喉が渇いていなくても水分補給しましょう。