腰痛を経験したことがないという人の方が珍しいくらい、日本では腰痛を感じたという人が多くなっています。腰痛が悪化し、椎間板ヘルニアなどの病を患ってしまう前に、対策する必要があります。
今回は、腰痛緩和に効果的とされている“インナーマッスル強化ストレッチ”についてご紹介していきたいと思います。近年耳にすることが多くなったこのインナーマッスルという言葉。一体何をあらわし、腰痛とどのような関係があるのかについても詳しく解説します。
「インナーマッスル」とは?
インナーという言葉の通り、体の内側に存在する筋肉のことをいいます。反対に、外側にある筋肉はアウターマッスルと呼ばれています。
腕を伸ばしたり、重いものを持ち上げたりといった動作には、アウターの筋肉が使用されているように感じますが、実際初めに働き始めるのはインナーの筋肉なのです。しかし、当然その筋力が衰えていれば、インナーマッスルは働くことができず、アウターマッスルに頼り切ってしまうことになります。
こうなると、体の中では深刻な問題が生じはじめるのです。それがインナーから支えるべきはずの関節部の不安定化です。
関節部が不安定になるとどうなる?
体の芯を支える筋力が低下すれば、体のさまざまな関節が悲鳴をあげ始めます。その中に腰痛が含まれるのです。
腰に関係してくるのは腹横筋や骨盤底筋などのインナーマッスルがあげられます。これらの筋力低下は腰回りの関節部分の安定性を欠く原因となり、腰痛を引き起こしてしまうことに。
インナーマッスル強化が効果的なのはなぜ?
インナーマッスルの強化は、腰痛改善だけでなくさまざまなメリットをもたらしてくれます。利点を確認すれば、なぜ腰痛に内側の筋肉強化が効果的なのかが分かると思います。
- 関節部分の安定
- 持久力がつき疲れに強くなる
- 姿勢の改善
- 骨盤歪みの矯正
- 深い呼吸ができるようになる
このメリットを見て分かるように、姿勢がよくなることで猫背などによる腰への負担が軽減されるだけでなく、骨盤の歪みによる腰への負荷も改善することが可能になります。
マッサージや湿布を貼るなどしても一向に腰痛が治らないという方は特に、インナーの筋肉強化を取り入れていくことがもっとも効果的といえます。
インナーマッスル強化ストレッチのやり方
それではさっそく、強化ストレッチのやり方についてご紹介していきましょう。
腰の筋肉柔軟ストレッチ4選
まずは今の凝り固まった筋肉を柔軟にしてあげるストレッチから始めていきます。
1.お尻ストレッチ
- 仰向けに寝転がり、両膝は立てます
- 片方の足を腹部に引き寄せ、90度に保ちます
- 引き寄せた足の膝部分にもう片方の足首をのせます
- 90度に折り曲げた足の裏側に両手を差し入れ、胸部に引き寄せていきましょう
- 膝にのせた足側のお尻が伸ばされているのを感じながら15秒キープしてください
2.腰ストレッチ
- 仰向けの状態から片足の膝を立てます
- 膝は曲げた状態のままもう片方の足側へ倒していきましょう
- この時点で膝を押し、倒せるところまでぐーっと倒します
- 上半身は床から浮かないよう注意し、膝を押さえていない手は肩の位置で楽に広げておきましょう
- この状態で15秒保ちます
3.背中ストレッチ
- 四つん這いの状態から、頭はおへそを見るように背中を丸めていきます
- この時息を吐き出しお腹をへこませ、骨盤を引き上げるようイメージしましょう
- 息を吸い込みながら頭を持ち上げ、今度はお腹を沈ませ背中を反らせていきます
- 呼吸を意識しながら、5回程度繰り返しましょう
4.ブリッジストレッチ
- 仰向けの状態から両膝を立て、腕は楽に伸ばし、手のひらを床につけます
- 一度息を大きく吸い込み、その息を吐き出しながらお尻を高く持ち上げましょう
- 肩、足裏はしっかり地面を踏みしめ、5秒間キープします
- 繰り返し10回行ってください
膝の間にタオルを入れると内ももにも効果的なストレッチになります。
ここまでで柔軟ストレッチは完了となります。続いて、強化ストレッチ4選をご紹介していきましょう。
強化ストレッチ4選
1.ドローインストレッチ
- 椅子に座り、両手を天井方向に伸ばして手のひらを重ね合わせます
- 今ある息をすべて吐き出し、お腹をへこませていきます
- この時腰は反らさないよう、一直線を意識して20秒キープ
- 3セットできるまで続けていきましょう
慣れてきたらこちらのドローインも試してみて下さい。
◆関連記事:【ドローイン】お腹を凹ますだけの呼吸法ダイエットのやり方
2.腹横筋、多裂筋ストレッチ
- 四つん這いから始め、お腹をへこませます
- バランスを意識しながら、左右反対の手と足を床と垂直になるように伸ばしていきます
- 左足を上げたら右手をあげるというように、交互に行っていきましょう
- 1ポーズ20秒キープし、3セット行います
3.プランクストレッチ
- 腰幅程度に足を開き、両肘は床につけます
- 頭の先からかかとまで一直線を意識しながら、腰が床へ落ちないよう注意してください
- 頭は上にあげすぎないこと、おなかはへこませることをポイントに、30秒キープから始めていきます。なれたら1分キープなど、時間をのばしてみましょう
上級者向けとなりますが、体を上下に動かすことでインナーマッスルにさらに刺激を与えることができます。
4.クランチストレッチ
- 両膝は立てた状態で、仰向けに寝転がります
- 両手は頭の後ろ、おへそをつぶすような感じでお腹から上体を起こしていきましょう
- 両手がひざにつくくらい起こすのではなく、肩甲骨を地面から浮かせる程度でOK
- しっかりと腹筋を使ってへこませることを意識し、ゆっくりと体を元に戻します
- 3秒かけて起こし、3秒かけて戻すを繰り返し、15回行います
1つだけでも毎日始めよう!
合わせて8つのストレッチ方法をご紹介してきましたがいかがでしたでしょうか。すべてを毎日する必要はありません。最初にとばしすぎると腰を痛めてしまいかねないので、少しずつ取り入れるようにしてみましょう。
まずは柔軟ストレッチをすべてマスターすることが大切です。腰痛知らずを目指して頑張りましょう。